不動産の申込システムが入居審査の情報を保証会社へ連携、不動産事業者の書類作業の軽減をめざす
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賃貸の入居申込を受け付けたあと、不動産の入居審査が始まるまでに、書類の不備確認や郵送のやり取りで何日もかかっていないでしょうか。申込者が入力した情報をシステムから家賃債務保証会社へ渡せる仕組みが用意され、審査の開始までの待ち時間を短くする道筋が示されました。
この記事では、不動産の入居審査に関わる申込情報の連携の中身から、反社会的勢力のデータベースとの突合や確認記録を残すクラウドサービスの機能まで詳しく解説します。不動産の賃貸仲介や管理を手がける不動産事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表3件
- 発表主体:ミトラグループ株式会社、アットホーム株式会社 ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.07
この記事がまとめた発表
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[1] 不動産取引 反社チェックに関する業務をワンパッケージ化画像:ミトラグループ株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[2] 不動産DXを推進するアットホーム、株式会社NTTドコモが提供する「ドコモのあんしん賃貸保証」と連携画像:アットホーム株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[3] いい生活、ドコモのあんしん賃貸保証とシステム連携を開始画像:株式会社NTTドコモの発表資料より(PR TIMES)
不動産の入居審査に紙の書類が残っている現状
不動産の入居審査は、申込書を受け取った時点では始まりません。家賃債務保証会社を使う取引では、申込情報を保証会社へ渡す工程が審査開始までの時間を左右します。
アットホームが2024年4月に全国の加盟店へ行った調査では、家賃債務保証会社を利用している賃貸取引の割合が8割以上と答えた加盟店が69.8%でした。アットホームは、保証会社の利用が増えるほど、不動産会社の手間や業務負担も大きくなりつつあると説明しています。[2]
紙のやり取りで発生する作業は、以下の通りです。
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 申込書類 | 手書きでの記入 |
| 送付 | Faxや郵送でのやり取り |
| 確認 | 不備の確認と再提出 |
| 郵送料 | 2024年10月から値上げ |
いい生活も、対面接客や電話、郵送によって入居手続きの業務が煩雑になりがちだと説明しています。紙の書類は、記入や送付、確認のそれぞれで人の手を必要とします。[3]
不動産の入居審査につなぐオンライン申込システム
申込情報をシステムから家賃債務保証会社へ渡す連携は、オンラインの入居申込システムを通じて提供されています。賃貸向けのシステムで始まった連携は、以下の通りです。
- スマート申込が連携する家賃債務保証会社
- いい生活Squareが始めた申込情報の連携
どちらのシステムも、入居申込者が入力した情報をそのまま審査の依頼に使う考え方です。ただし、連携できる保証会社の数や基幹システムとのつながり方は、サービスごとに違います。
スマート申込が連携する家賃債務保証会社
アットホームは、オンライン入居申込システム「スマート申込」でNTTドコモと連携しました。連携によって、スマート申込で利用できる家賃債務保証会社は全60社となりました。[2]
連携の内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連携した相手 | 株式会社NTTドコモ |
| 保証会社の数 | 全60社 |
| 渡す申込情報 | 氏名や住所、勤務先など |
| ほかの取次先 | 少額短期保険やライフライン |
| 掲げる効果 | 業務負担とコストの軽減 |
スマート申込では、入居申込者が入力した申込情報を家賃債務保証会社へ渡して審査を依頼できます。アットホームは、入居申込から審査開始までのリードタイムの短縮にもつながるとしています。
いい生活Squareが始めた申込情報の連携
いい生活はNTTドコモと提携し、Web入居申込システム「いい生活Square」で申込情報の連携を始めました。いい生活Squareは、不動産管理会社や賃貸仲介会社の業務に特化した賃貸業者間流通サイトです。[3]
いい生活Squareで行える業務は、以下の通りです。
- 物件情報の掲載と検索
- 内見予約や入居申込の受付
- 基幹システムとの連携
いい生活は、今回の連携で賃貸保証サポートの審査申込の手続きを効率化し、よりスピーディーな入居審査を実現するとしています。ドコモのあんしん賃貸保証は、ドコモが入居時に必要な保証を提供するサービスです。
不動産取引の反社チェックを束ねるクラウド
不動産取引では、入居審査とは別に、犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認が求められます。相手方を確かめて確認記録を残す手続きをめぐる動きは、以下の通りです。
- ICチップ読み取りが必要になる本人確認
- ミトラeyeがまとめる突合と記録保存
本人確認と反社会的勢力のチェックは、同じ案件について別々に進みます。そのため、入力や記録の手間をどこまで一つの流れにまとめられるかが、検討の分かれ目です。
ICチップ読み取りが必要になる本人確認
2027年4月から施行される改正犯罪収益移転防止法施行規則では、宅地建物取引業者や司法書士などの特定事業者に、ICチップの読み取りによる本人確認が求められます。読み取りの対象は、マイナンバーカードや運転免許証、在留カードです。[1]
制度の内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行時期 | 2027年4月 |
| 根拠 | 改正犯罪収益移転防止法施行規則 |
| 対象事業者 | 宅地建物取引業者や司法書士 |
| 確認方法 | ICチップの読み取り |
| 対象の書類 | マイナンバーカードなど |
背景として、国土交通省は2025年6月27日付で事務連絡「犯罪収益移転防止等の厳正なる遵守について」を発出しました。不動産業6団体も、反社会的勢力の情報を集めた反社データベースとの突合や社内体制の整備、疑わしい取引の届出を申し合わせています。
ミトラeyeがまとめる突合と記録保存
ミトラグループは、2027年初頭にクラウドサービス「ミトラeye」の提供を始めるとしています。反社データベースとの突合や本人確認、確認記録の保存を一つの業務フローで終えられるサービスです。[1]
ミトラeyeが備えるとしている機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 反社突合 | 公知情報や反社情報の照合 |
| リスク評価 | リスク評価書の作成支援 |
| 届出支援 | 疑わしい取引の作成と届出 |
| 本人確認 | ICチップの読み取り |
| 記録保存 | 確認記録の自動生成と保存 |
| 案件管理 | 確認状況や保存期限の一覧 |
突合では、公知情報や反社会的勢力に関する情報を対象にチェックします。本人確認には、対面によらずオンラインで手続きを終えるeKYCを用い、TRUSTDOCKの仕組みでICチップを読み取るとしています。
ミトラグループは、本人確認と突合に伴う二重入力や書類作成の負担を軽くできると説明しました。提供開始のあとは、既存の業務システムとのAPI連携や運用代行まで対応を広げるとしています。
不動産の入居審査など手続きごとに電子化を選ぶ基準
不動産の入居審査を電子化するかどうかは、工程ごとに分けて考えられます。申込情報の受け渡しと取引時確認では、使える仕組みも始まる時期も違うためです。
工程ごとの仕組みと確認しておく点は、以下の通りです。[1][2][3]
| 手続き | 使える仕組み | 確認する点 |
|---|---|---|
| 入居申込 | スマート申込やいい生活Square | 自社の基幹システムとの連携 |
| 保証審査の依頼 | 申込情報の連携 | 取引のある保証会社が対象か |
| 本人確認 | ICチップの読み取り | 2027年4月の施行時期 |
| 反社チェック | 反社データベースとの突合 | 社内体制の整備 |
| 記録の保存 | 確認記録の自動生成 | 保存期限の管理方法 |
申込情報の連携では、取引のある家賃債務保証会社が連携先に含まれているかを先に確かめられます。ミトラeyeの提供開始は2027年初頭の予定であり、取引時確認の仕組みは導入の時期から逆算して選べます。
不動産事業者がすぐに手を付けられるのは、申込情報の受け渡しの見直しです。そのうえで、2027年4月に必要となる本人確認に向けて、確認記録の作り方と保存の方法を決められます。
出典
- ^ PR TIMES. 「不動産取引 反社チェックに関する業務をワンパッケージ化」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000040495.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「不動産DXを推進するアットホーム、株式会社NTTドコモが提供する「ドコモのあんしん賃貸保証」と連携」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000761.000051123.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「いい生活、ドコモのあんしん賃貸保証とシステム連携を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000003214.html, (参照 26-09-23).






