WordPress移行サービスが静的サイトなどへの切り替えを提供、Web担当者の保守範囲が変わる
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WordPressで作った会社サイトを兼務で管理していると、PHPの脆弱性が公表されるたびに自社が対象かを調べる作業に追われていないでしょうか。静的サイトなどPHPを動かさない構成へ移行すれば公開側のPHPの更新は要らなくなりますが、移行後に残る保守の範囲や初期費用、更新の方法はサービスごとに異なります。
この記事では、WordPressからの移行で変わる保守の範囲や料金プラン、移行後の記事の更新方法まで詳しく解説します。PHPの脆弱性対応に追われず、WordPressからの移行先を保守範囲や費用で比べたいWeb担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社VIOLET、株式会社HuX ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.11.04
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:発表資料より(PR TIMES)
[1] WordPress の脆弱性に更新で追われない会社サイトへ。PHP もログイン画面もない静的サイト移行サービス「ホットケル」を提供開始
掲載 2026.10.26
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画像:株式会社VIOLETの発表資料より(PR TIMES)
[2] VIOLET、WordPressのサイトを「PHPの更新がいらないサイト」へ移行する「WordPress卒業パック」を 提供開始
株式会社VIOLET / 掲載 2026.10.26
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画像:株式会社HuXの発表資料より(PR TIMES)
[3] WordPressから、AIと自分で更新できるホームページへ。「ひとことWeb」が移行プランを提供開始
株式会社HuX / 掲載 2026.10.27
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画像:リブランディング株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[4] 「WordPress is Dead?」AIでサイトは作れても守れない?移行済み117サイトの約29% に不具合、専門家の必要性を提言
リブランディング株式会社 / 掲載 2026.11.04
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目次
WordPressを動かすPHPで公表された脆弱性
2026年10月21日、PHPに深刻度9.2(CVSS v4.0)の脆弱性2件が公表されました。みらいスタジオは、WordPress本体やプラグインを更新しても直らず、サーバーのPHPそのものの更新が要ると説明しています。[1]
国内の主要なレンタルサーバー各社は、21日夜から22日にかけて緊急メンテナンスを行いました。PHPの系列ごとに修正版の有無とサポートの予定を整理すると、以下の通りです。[2]
| PHPの系列 | 状況 |
|---|---|
| 8.2〜8.5 | 修正版を公開 |
| 8.1以前 | サポート終了のため修正版なし |
| 8.2 | 2026年12月31日にサポート終了予定 |
情報処理推進機構(IPA)は10月22日に対策を公表し、修正版が出ない系列を使う場合はサポート中のPHPへの更新か、対策済みの製品・サービスへの移行を検討するよう求めました。ただし、IPAは公表時点で、この脆弱性を悪用した攻撃を確認していないとしています。
HuXによると、WordPress公式も10月21日に、ホスティング事業者の対応状況の確認とPHPの更新を呼びかけました。HuXは、今回の脆弱性はWordPressに固有の問題ではないとして、移行を検討する間も現在のサーバーへの修正適用状況を確かめるよう勧めています。[3]
WordPress移行で変わるサーバー保守の範囲
WordPressから移行すると、公開側のPHPやプラグインの更新は外れますが、SEOや証明書などの管理は移行後も残ります。移行後の保守は、以下の2つに分けて考えると整理しやすいです。
- 移行で不要になるPHPとプラグインの更新
- 移行後も残るSEOや証明書の管理
前者は移行先の構成で決まり、後者は移行後に誰が管理するかで決まります。保守をどこまで外部に任せるかは、両方を並べてから考えると判断しやすくなります。
移行で不要になるPHPとプラグインの更新
みらいスタジオが提供を始めたホットケルは、WordPressなどで作られたサイトを、デザインとURLを保ったまま静的サイトへ移すサービスです。移行後の公開サーバーに置くのはHTMLやCSS、画像に限られ、今回のようなPHPの脆弱性の対象にならないと説明しています。[1]
VIOLETとHuXも、公開側でPHPを動かさない構成への移行サービスを提供しており、公開側で不要になる更新の範囲は以下の通りです。[2][3]
| サービス | 不要になる更新 | 補足 |
|---|---|---|
| ホットケル | PHP・データベース・プラグイン | ログイン画面もなくす |
| WordPress卒業パック | PHP・プラグイン | 管理画面は外から見えない場所 |
| ひとことWeb | PHP・本体・テーマ・プラグイン | PHPを使わない部分のみ |
VIOLETは、公開側を完成済みのページの配信に限る作りにし、配信基盤であるVercelのサーバー更新は提供会社が行うとしています。つまり、サーバーの更新は無くなるのではなく、配信基盤の提供会社が受け持つ形です。
ホットケルが10月24日に移行したJidoca Technologiesのサイトは、表示のたびにWordPressがサーバーでページを組み立てる構成でした。問い合わせフォームも、WordPressのサーバーに内容を送る形から、ブラウザの中で暗号化して暗号文を保管する「フウイン」に置き換えています。
移行後も残るSEOや証明書の管理
HuXは、公開サイトでPHPを動かさない構成へ移しても、アカウントやドメイン、制作環境、外部サービスの管理・保守は引き続き必要だとしています。WordPressやPHPを使う機能を残す場合は、残した機能の保守も必要です。[3]
リブランディングの調査では、WordPressから他の基盤へ移ったと公開している117サイトのうち、34サイト(約29%)で同社の基準による不具合を1つ以上確認しました。不具合はSEOやHTML、メール認証、セキュリティなどの領域にまたがり、項目別の主な結果は以下の通りです。[4]
| 項目 | 該当サイト数 |
|---|---|
| 画像のalt属性がない | 12サイト |
| 内部リンク切れ | 8サイト |
| サイトマップの不備 | 4サイト |
| トップページなどのnoindex指定 | 3サイト |
| SPFレコードの重複 | 3サイト |
リブランディングは、2026年11月3日の調査を公開ページと公開応答のみを対象にした外形調査とし、不具合が移行作業によって起きたことを示すものではないとしています。また、調査対象は無作為に選んだものではないため、同社は結果を移行済みサイト全体に一般化できないと説明しました。
リブランディングによると、TLS証明書の最大有効期間は、2026年3月15日以降の200日から2029年3月15日以降の47日へ段階的に短くなります。同社は、静的サイトなどへ移っても証明書やメール認証の管理は残るとして、移行を管理の対象と方法を変えるものと位置づけました。
WordPress移行サービスの料金プラン
WordPressからの移行費用は、ページ数やフォームの数、記事数によって変わり、各社とも税抜・税別で金額を示しています。発表時点の主なプランの料金は、以下の通りです。[1][2][3]
| プラン | 初期費用 | 月額 | 含む範囲 |
|---|---|---|---|
| ホットケル プランA | 15万円〜 | 9,800円 | 10ページ・フォーム3つ |
| ホットケル プランB | Aと同じ | 24,800円 | AI下書きの公開は月4件 |
| 卒業パック ライト | 200,000円 | 保守10,000円 | 〜10ページ |
| 卒業パック スタンダード | 400,000円〜 | 保守30,000円 | 15ページ・記事50件が目安 |
| ひとことWeb | 移行は個別見積もり | 別途のセルフ利用料 | 記事数や機能で算出 |
ホットケルは11ページ目から1ページ3,000円、31ページ目から2,000円が加わり、4つ目以降のフォームは1つ1万円です。たとえば30ページ・フォーム4つのサイトの初期費は22万円で、見積もりはURL診断の時点で確定します。
VIOLETの保守は任意で、管理画面のmicroCMSと配信基盤のVercelの利用料が月0円〜数千円、別にかかります。2026年12月26日までの申し込みは、保守を12か月契約する条件で、ライトが148,000円です。
HuXの基本の初期制作費は、ライトが10万円から(5ページまで)、スタンダードが30万円(15ページまで)ですが、WordPressからの移行費用は個別に見積もります。サーバーやドメインなどの実費も、初期制作費とは別にかかります。
WordPress移行後の記事の更新方法
WordPressの管理画面を手放したあとは、記事を誰がどう更新するかが移行サービスの違いの一つです。主な更新の方法は、以下の通りです。
- microCMSの管理画面で書く更新
- 写真やメモからAIと作る更新
- AIの下書きをパスキーで承認する更新
記事を社内で書く方法とAIに下書きを任せる方法では、担当者の作業と月々の費用が異なります。記事を書く人と承認だけを担う人が社内にいるかを先に確かめておくと、方法を選びやすくなります。
microCMSの管理画面で書く更新
VIOLETのWordPress卒業パックでは、ブログやお知らせ、採用情報などを日本語の管理画面(microCMS)で書き、「公開する」を押すと数分後にサイトへ反映される作りです。更新の少ないサイトはVIOLETの保守に任せる選択肢もあり、全プランに操作レクチャーが含まれます。[2]
VIOLETは、すべてのサイトを卒業させるわけではないとしています。サイトの種類ごとに勧める方法は、以下の通りです。
| サイトの種類 | VIOLETが勧める方法 |
|---|---|
| PHPの更新で当面十分 | PHPの更新 |
| 決済・会員・予約をプラグインで運用 | 管理の行き届いたサーバーへの移転など |
| ブログやお知らせを自社で更新 | スタンダード/プロ |
| 更新が少ない会社案内 | ライト(更新はVIOLETの保守) |
無料のサイト健康診断では、PHPやWordPress本体、プラグイン、サーバーの状態などを確かめ、約1週間でレポートが届きます。診断の結果、PHPの更新で当面十分な場合は、VIOLETがその旨を伝えると説明しました。
写真やメモからAIと作る更新
HuXのひとことWebでは、利用者が写真やメモをAIに渡し、会話で文章やページを整えてから自社で公開します。HuXは2026年10月26日から、WordPressからPHPを使わない構成へ移すプランの提供を始めました。[3]
利用者がAIに伝える依頼の例は、以下の通りです。
- 写真とメモで新商品のお知らせを作る
- サービス紹介を短くする
- 写真を差し替える
AIが作った下書きは、利用者が内容と見た目を確かめてから公開します。人による操作相談や文章・デザインの調整は、必要に応じて選ぶ有料オプションです。
HuXは10月23日に、自社のコーポレートサイトで移行プランの告知記事をAIとのやり取りで作り、掲載内容を確かめて公開しました。編集できるページや機能の範囲は、導入前に案内するとしています。
AIの下書きをパスキーで承認する更新
ホットケルのプランBは、チャットやメールでの依頼からAIが記事の下書きを作り、担当者がパスキーで承認して公開する形です。パスキーは、担当者が顔認証や指紋で使う認証の手段です。[1]
問い合わせを受け取るフウインでも、内容を開けるのは担当者のパスキーと契約企業が保管するリカバリーコードに限られ、みらいスタジオには開けないとしています。
更新を任せたあとの保守として、プランCがプランBに加える対応は、以下の通りです。
- 公開中のファイルの毎日の照合
- 年1回のセキュリティ報告書
- 事故時の技術調査
プランCは個別見積もりで、ホットケルはすべての攻撃を防げるわけではないとしたうえで、更新のたびに身構える場面を減らす構成だと説明しています。
WordPressの移行先を比べる判断の観点
ホットケルなどの移行サービスは、無料の診断や相談で移行できるかを確かめてから見積もる流れです。ネットショップや会員機能、予約の機能を持つサイトは、ホットケルでは対象外で、VIOLETは別の方法を提案し、HuXは個別に調べるとしています。[1][2][3]
リブランディングは、構築の時点に加えて、公開後に誰が管理し、問題に対応し続けるかまで計画するよう提言しています。[4]
自社のサイトに当てはめるときに確かめる観点は、以下の通りです。
| 観点 | 確かめること | 分かれ目 |
|---|---|---|
| 残したい機能 | 予約・会員・決済の有無 | あれば別の方法を検討 |
| PHPの系列 | 修正版が出ている系列か | 更新で当面足りるか |
| 更新の担い手 | 記事を書く人が社内にいるか | AIの下書きを承認できるか |
| 費用の決まり方 | ページ数・フォーム・記事数 | 見積もりが確定する時点 |
| 公開後の管理 | 証明書やメール認証の担当 | 社内か外部の専門家か |
移行で外れるのは公開側のPHPやプラグインの更新で、SEOや証明書の点検などは移行後も続きます。保守範囲や費用、更新方法を同じ観点で並べると、自社に合う移行先を絞り込めます。
References
- ^ PR TIMES. 「WordPress の脆弱性に更新で追われない会社サイトへ。PHP もログイン画面もない静的サイト移行サービス「ホットケル」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000105934.html, (参照 26-11-06).
- ^ PR TIMES. 「VIOLET、WordPressのサイトを「PHPの更新がいらないサイト」へ移行する「WordPress卒業パック」を 提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000132808.html, (参照 26-11-06).
- ^ PR TIMES. 「WordPressから、AIと自分で更新できるホームページへ。「ひとことWeb」が移行プランを提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000172568.html, (参照 26-11-06).
- ^ PR TIMES. 「「WordPress is Dead?」AIでサイトは作れても守れない?移行済み117サイトの約29% に不具合、専門家の必要性を提言」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000142932.html, (参照 26-11-06).












