タクシーの運転席で、運行管理者がスマートフォンを車載ホルダーに取り付け、反対の手にアルコール検知器を持つ場面のイラスト。

運行管理の点呼・アルコールチェック・運転中の見守りを各社が支援、運行管理者が必要な機器を比べられる

公開:
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運送やタクシーの運行管理で点呼やアルコールチェックの機器を選ぶとき、対応できる義務と必要な機器の組み合わせは、サービスごとにさまざまです。さらに、国土交通省が眠気や脇見を警告するDMS(ドライバーモニタリングシステム)の義務付けを施行しており、運転中の見守りまで含めて比べるかで判断が分かれます。

この記事では、運行管理の点呼やアルコールチェック、運転中の見守りに使う機器の仕組みと必要な端末に加え、DMS義務化の適用時期や導入前の確認点まで詳しく解説します。運送やタクシーの運行管理で義務対応の機器を比べたい運行管理者や安全管理の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

  1. この記事の材料:発表4件
  2. 発表主体:株式会社パイ・アール、GO株式会社 ほか1件
  3. 出典の最終掲載:2026.10.20
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社パイ・アールの発表資料より(PR TIMES)

[1] アルコールチェック漏れをゼロへ 専用デバイス「M/Tag」で乗車・降車を自動検知す る新オプションを11月16日提供開始

株式会社パイ・アール / 掲載 2026.10.14
発表を見る

画像:GO株式会社の発表資料より(PR TIMES)

[2] タクシー事業者向け自動点呼サービス『GO点呼』が業務前自動点呼に対応開始、点呼業務の完全 無人化が可能に

GO株式会社 / 掲載 2026.10.15
発表を見る

画像:株式会社トライプロの発表資料より(PR TIMES)

[3] スマートフォンのインカメラだけで、運転中の眠気と脇見を見守る「Open DMS Lite」を無 料公開

株式会社トライプロ / 掲載 2026.10.20
発表を見る

画像:発表資料より(PR TIMES)

[4] Geotab、日本への本格参入を発表:映像と車両データを統合したテレマティクスで、企業の車両運行の効率化と運転リスクの低減を支援

掲載 2026.10.20
発表を見る

目次
  1. 運行管理の機器選びに関わる義務化の日程
  2. 運行管理の点呼を支えるスマホアプリ
  3. 業務前後の点呼を無人化するGO点呼
  4. アルコールチェック漏れを知らせるM/Tag
  5. 運行管理で使うカメラの運転中警告
  6. 眠気と脇見を検知するOpen DMS Lite
  7. 映像と車両データを統合するGeotab
  8. 運行管理の機器選びで比べる導入条件

運行管理の機器選びに関わる義務化の日程

アルコールチェックの義務は、パイ・アールによると道路交通法施行規則の改正にもとづき、安全運転管理者を選任する事業所が対象です。もう一つの動きとして、トライプロは、国土交通省が眠気警報装置と脇見警報装置(DMS)の装備を義務付ける保安基準の改正を公布したと紹介しています。[1][3]

アルコールチェックとDMSの義務化の日程は、以下の通りです。

時期 内容 対象
2022年4月 運転前後の酒気帯び確認と記録の1年間保存 安全運転管理者の選任事業所
2023年12月 アルコール検知器を用いた確認 安全運転管理者の選任事業所
2026年9月30日 DMS装備を義務付ける改正の公布 トラック・バス・乗用車など
2026年10月20日 義務付けの規定の施行 トラック・バス・乗用車など
2031年9月 実際の適用開始 新型車
2033年9月 実際の適用開始 継続生産車

DMSは規定の施行後すぐには適用されず、新型車と継続生産車で適用の時期が分かれます。また、二輪自動車や三輪自動車、被牽引自動車などは、装備の対象から除かれています。

酒気帯び確認とDMS義務の違い

図1 酒気帯び確認とDMS義務の違い

運行管理の点呼を支えるスマホアプリ

点呼とアルコールチェックでは、GOとパイ・アールが、スマートフォンのアプリで点呼や確認の記録を自動で残す仕組みを用意しました。扱うサービスは、以下の通りです。

  • 業務前後の点呼を無人化するGO点呼
  • アルコールチェック漏れを知らせるM/Tag

GO点呼はタクシー事業者を、M/TagはアルキラーNEXの利用者を対象にしており、使える事業者の範囲が異なります。

業務前後の点呼を無人化するGO点呼

GO株式会社は、タクシー事業者向けの自動点呼システム『GO点呼』で、2026年10月15日から業務前自動点呼への対応を始めました。国土交通省が定める業務前自動点呼機器の認定を取得しており、業務後の自動点呼と合わせて点呼を完全に無人化できるとしています。[2]

運行管理者がGO管理画面を操作するPCと、乗務員がアプリを使うスマートフォンに加えて、点呼の種類ごとに必要な機器は、以下の通りです。

点呼の種類 必要な機器
業務前自動点呼 アルコールチェッカー・体温計・血圧計
業務後自動点呼 アルコールチェッカー
遠隔点呼 アルコールチェッカー・体温計

GOは、専用機器ではなくスマートフォンのアプリ形式のため、導入コストを抑えられると説明しています。ただし、アルコール検知や健康状態に異常がみられる場合は、管理者の判断と対応が必要です。

また、システムオリジンの労務管理システム『タクコン』と自動で連携し、点呼予定時間や点呼記録の入力を省けます。初期費用を抑え、利用実績に応じた課金制で少人数から始められる点も、GOが示す特徴です。

GO点呼がつながる相手

図2 GO点呼がつながる相手

アルコールチェック漏れを知らせるM/Tag

パイ・アールは、クラウド型アルコールチェックシステム『アルキラーNEX』の新オプション『M/Tag』を、2026年11月16日から提供するとしています。車内に貼る専用デバイスとアプリが乗車と降車を自動で検知し、運転前のチェックが済んでいなければドライバーに通知します。[1]

M/Tagの提供条件は、以下の通りです。

項目 内容
対象 アルキラーNEXの利用者・新規申込者
プラン ライトプラン・スタンダードプラン
日報とレポート スタンダードプランのみ
設置 設置工事は不要
SMS通知 12月から提供予定の追加オプション

パイ・アールによると、M/Tagはチェック漏れの通知に加え、入力なしの運転日報の作成やながら運転の検知、急加減速や急ハンドルを点数にする安全運転スコアにも対応します。ただし、M/TagはアルキラーNEXのオプション機能のため、利用にはアルキラーNEXの契約が必要です。

M/Tagで使える機能

図3 M/Tagで使える機能

アルキラーNEXは、スマートフォンとアルコール検知器を連動させ、点呼記録と合わせてチェックの結果をクラウドで一元管理するサービスです。パイ・アールは、アルキラーシリーズの導入社数が2026年6月末時点で5,300社を突破したと自社調べで示しています。

運行管理で使うカメラの運転中警告

運転中の危険な状態を知らせる手段では、トライプロがスマートフォンのアプリを公開し、Geotabが映像と車両データを統合するプラットフォームを日本で提供するとしています。扱うサービスは、以下の通りです。

  • 眠気と脇見を検知するOpen DMS Lite
  • 映像と車両データを統合するGeotab

Open DMS LiteとGeotabは、カメラで運転者の状態をとらえて車内で知らせる点が共通しますが、映像の扱いと必要な機器は異なります。

眠気と脇見を検知するOpen DMS Lite

トライプロは、スマートフォンのインカメラで眠気の兆候と脇見を検知するAndroidアプリ『Open DMS Lite』を、DMSの義務付けが施行された10月20日に無料で公開しました。専用機器や配線が要らず、オフラインで動くため通信契約のSIMも不要です。[3]

Open DMS Liteが知らせる主な条件は、以下の通りです。

検知の対象 警告の条件
長い閉眼 1.5秒で注意・2.5秒で強い警告
こっくり・あくび 頭の前後の揺れ・あくびの続発
脇見(時速50km超) 3.5秒で通知
脇見(上記以外の速度) 6秒で通知
脇見(時速10km未満) 警告を鳴らさない

運行後は警告の一覧をCSVで書き出せるため、トライプロは点呼や安全指導の話題づくりに使えるとしています。映像や顔画像は端末の中で解析してすぐに捨て、記録するのは警告の種類や時刻、継続時間、速度の数値です。

トライプロは、夜間や外部カメラ、2カメラに対応する有償版『Open DMS Full』を近日リリース予定とし、参考予定価格を19,800円〜(税別・カメラ1台込み)としています。また、Liteは保安基準への適合を保証するものではなく、車両に求められるDMSの装備を代わりに満たすものではないとしています。

Open DMS LiteとFullの違い

図4 Open DMS LiteとFullの違い

映像と車両データを統合するGeotab

Geotabは、10月20日掲載の発表で日本への本格参入を明らかにし、映像と車両データを統合したテレマティクスのプラットフォームを日本市場に提供するとしました。中核となるAI搭載ドライブレコーダー『GO Focus Plus』は、スマートフォン操作や疲労、車間距離の不足を検知し、車内で音声の警告を出します。[4]

Geotabのプラットフォームを構成する主な要素は、以下の通りです。

要素 役割
GO Device 位置情報や走行履歴などを取得
GO Focus Plus AIの映像分析と車内の警告
MyGeotab クラウドの車両管理プラットフォーム
Geotab Ace 自然言語で質問できる生成AI
Geotab MCP Connector 外部のAIツールからデータを参照

映像がMyGeotab上の車両データと直接つながるため、長時間の映像を見返さなくても、危険な運転が起きた状況を把握できるとGeotabは説明しています。パイロット導入では、参加した車両群で車間距離不足が最大90%、運転中のスマートフォン使用が最大95%減ったとしています。

Geotabは、世界で600万台以上の車両・資産を接続し、10万社以上の顧客にサービスを提供している会社です。日本向けの料金や導入の手順は、10月20日掲載の発表の時点では示されていません。

数字で見るGeotab

図5 数字で見るGeotab

運行管理の機器選びで比べる導入条件

機器を選ぶときは、対応したい義務と使う場面を先に決めてから、必要な端末と契約の前提を照らし合わせます。導入前に確かめたい点は、以下の通りです。[1][2][3][4]

確認点 確かめる内容 該当する例
対象の事業者 自社の事業形態に合うか GO点呼はタクシー向け
契約の前提 既存サービスの契約が要るか M/TagはアルキラーNEXが前提
必要な端末 台数分の端末をそろえられるか LiteはAndroid 13以上
義務との関係 装備義務の代わりになるか Liteは代替にならない
異常時の対応 管理者が判断する体制 GO点呼の自動点呼で必要
提供の時期 提供中か予定か M/Tagは11月16日から

運転の前後の点呼や確認を見直すならGO点呼やM/Tag、運転中の状態を知りたいならOpen DMS LiteやGeotabが比べる候補です。Open DMS LiteにはAndroid 13以上のスマートフォンと車載ホルダー、電源が必要で、トライプロは中古・新品の端末を18,000円〜(税別)で用意するとしています。

使う場面と端末で見る位置づけ

図6 使う場面と端末で見る位置づけ

なお、GeotabはGO DeviceとAI搭載ドライブレコーダーを車両で使うため、スマートフォンのアプリが中心のサービスとは用意する機器の種類が違う点も確認が必要です。また、価格は発表時点のもので、トライプロは予定価格を変更する場合があるとしています。

References

  1. ^ PR TIMES. 「アルコールチェック漏れをゼロへ 専用デバイス「M/Tag」で乗車・降車を自動検知す る新オプションを11月16日提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000087017.html, (参照 26-10-22).
  2. ^ PR TIMES. 「タクシー事業者向け自動点呼サービス『GO点呼』が業務前自動点呼に対応開始、点呼業務の完全 無人化が可能に」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000370.000030664.html, (参照 26-10-22).
  3. ^ PR TIMES. 「スマートフォンのインカメラだけで、運転中の眠気と脇見を見守る「Open DMS Lite」を無 料公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000193031.html, (参照 26-10-22).
  4. ^ PR TIMES. 「Geotab、日本への本格参入を発表:映像と車両データを統合したテレマティクスで、企業の車両運行の効率化と運転リスクの低減を支援」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000190823.html, (参照 26-10-22).
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