計画の形が二つに枝分かれし、共通の置き場に並ぶ予定のバーを経て、横に並ぶ二人の担当者へ線でつながる流れを表した図解。

企業がプロジェクト管理の進め方を標準化、担当者が代わっても計画の質をそろえる

公開:
CodeCampが提供するDX人材育成が可能なプログラミングやITが学べる公開講座

複数の案件を同時に抱える職場では、プロジェクト管理の進め方が担当者ごとにばらついていないでしょうか。標準化といっても、計画の作り方をそろえる進め方と、進捗や資料を残す場所をそろえる進め方があり、先に決める順番で必要な準備は変わります。

この記事では、プロジェクト管理の標準化について、計画づくりを学ぶWBS研修から、記録を引き継ぐ基盤や案件を横断するガントチャート、AIエージェントへの作業の移し方まで詳しく解説します。複数の案件を抱える企業でプロジェクト管理やPMO(プロジェクト管理を担う専門組織)を担う担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

  • この記事の材料:発表6件
  • 発表主体:株式会社システムインテグレータ、株式会社ナレッジセンス ほか3件
  • 出典の最終掲載:2026.09.14

この記事がまとめた発表


プロジェクト管理の手順を統一するWBS研修

プロジェクト管理の標準化で先に手が届くのは、計画を作る手順をそろえる取り組みです。取り上げる項目は、以下の通りです。

  • HITOWAが部門横断で受けたWBS研修
  • 成果物起点のWBSで防ぐ計画の抜け漏れ

研修では、道具をそろえる前に、計画の作り方そのものをそろえます。

HITOWAが部門横断で受けたWBS研修

システムインテグレータは、HITOWAにプロジェクト管理研修「WBS実践強化編」を提供したと発表しました。WBSとは作業や成果物を分解して整理した構成図で、研修には人事や経営企画、情報システムなど異なる部門が参加しています。[1]

受講のきっかけは、システムインテグレータが主催するセミナーのWBSワークショップへの参加でした。IT部門に限らず非IT部門のメンバーも受けており、HITOWAグループ全体として初めての取り組みだと説明しています。

研修の形式と受講者は、以下の通りです。

項目 内容
開催時期 2026年7月
受講者 グループ各社から9名
形式 1日・休憩1時間を含む
定員 10名の少人数制
対象 PL候補から熟練PM

定員が10名の少人数制のため、どの部門から受けるかを先に決める判断が求められます。1日で終える形式のため、受講した内容を社内で共有する場を別に設けるかどうかも分かれ目です。

成果物起点のWBSで防ぐ計画の抜け漏れ

研修ではWBSの作成から作成後の変更管理までを扱い、元PMや元PMOの講師がワークに伴走したとしています。受講者からは、成果物単位で考えるWBSの視点が気づきになったという声が出たと紹介されています。[1]

システムインテグレータが挙げた研修の成果は、以下の通りです。

  • 共通の手順と考え方の確立
  • 研修直後からの実務への反映
  • 社内稟議など付随タスクの洗い出し

成果として挙げられているのは、計画の作り方と洗い出しの習慣です。

HITOWAは、今後もPMOの役割の学習やPMBOKと呼ばれる知識体系に基づくスキル習得など、実務直結型の研修の活用を検討しているとしています。発表時点では検討の段階であり、実施が決まったものではありません。

プロジェクト管理の記録を残して引き継ぐ方法

計画の手順をそろえても、進捗や資料が個人の手元に残ったままでは引き継ぎが滞ります。記録を共通の場所に残す取り組みとして取り上げる項目は、以下の通りです。

  • 日本障がい者サッカー連盟の進捗の見える化
  • CheckBackのノートとテンプレート共有

記録を共通の場所へ移す取り組みは、担当者が代わったときに何が残るかで差が出ます。

日本障がい者サッカー連盟の進捗の見える化

マネジメントソリューションズは、日本障がい者サッカー連盟によるプロジェクトマネジメントプラットフォーム「PROEVER」の活用事例を公開しました。連盟では雇用形態や勤務場所の異なるメンバーが参加しており、以前はExcelやGoogleスプレッドシートで個別に業務を管理していたと説明しています。[6]

連盟では、リモートワークの増加によって全体の進捗をタイムリーに把握しにくくなり、担当者交代時のノウハウの引き継ぎにも課題があったとしています。

導入によって変わった点は、以下の通りです。

項目 内容
一元管理 タスクや担当者、期限と進捗
状況の共有 晴れや曇りの天気ステータス
早期の把握 業務負荷の偏りと遅延リスク
蓄積 過去のWBSと資料へのリンク
定着 定例会で運用ルールを共有

事務総長の山本康太氏は、可視化によって担当者交代時の引き継ぎやプロジェクト運営が円滑になったと述べています。導入した当事者の受け止めであり、ほかの団体でも同じ結果が出ると示したものではありません。

CheckBackのノートとテンプレート共有

rayoutは、クリエイティブ制作の確認ツールとして提供してきた「CheckBack」のコンセプトを刷新し、誰でもプロジェクトマネジメントが容易になるサービスへ変えたと発表しました。現場ではPMの不在や兼任が多く、進行管理が個人の経験に左右されている点を背景に挙げています。[3]

刷新で加わった主な機能は、以下の通りです。

  • 複数案件を映すダッシュボード
  • 議事録を残すマイノート
  • アジェンダのテンプレート保存

テンプレートはワークスペース内のメンバーで共有でき、経験の浅いPMでも一定の品質でアジェンダを作れるとしています。ただし、示された工数5割削減は導入企業へのインタビューに基づく数値であり、自社でも同じ幅で減ると読み替えることはできません。

ノートに埋め込んだ予定を変更するとガントチャートにも反映されるため、二重管理を防げるとしています。記録を残す場所と予定を管理する場所をつなぐ設計です。

プロジェクト管理を案件横断で見るガントチャート

案件が増えると、プロジェクトを行き来しながら期日を確かめる手間が生まれます。案件をまたいで予定を見る機能として取り上げる項目は、以下の通りです。

  • CrewWorksの案件横断ガントチャート
  • 1案件に複数のWBSを置く計画タブ

案件を横断して見る機能は、計画をどこまで作り込むかで使い方が変わります。

CrewWorksの案件横断ガントチャート

テクノ・マインドは、オールインワンビジネスツール「CrewWorks」で、複数のプロジェクトを横断してガントチャートを表示する機能の提供を2026年9月7日に始めました。従来、ガントチャートはプロジェクトごとにしか表示できなかったと説明しています。[4]

同社は、部署やクライアントをまたぐ案件を複数抱える企業が増え、全体像を把握する仕組みへの要望が高まっていると説明しています。

同社が挙げた活用場面は、以下の通りです。

場面 内容
制作・開発会社 案件間のリソース調整と納期管理
大規模案件 フェーズごとの進捗整理
部署単位 チームごとの進捗確認

価格はスタンダードプランが1ユーザーあたり月400円(税別、年間契約)からと案内されています。全社に広げる前に、横断表示を使う担当者の範囲を決めておくと費用を見積もりやすくなります。

1案件に複数のWBSを置く計画タブ

同じ更新では、1つのプロジェクト内で複数のWBSを管理できる「計画タブ」も追加されました。従来は1プロジェクトにつき1つのWBSしか持てず、規模やフェーズの大きいプロジェクトで柔軟な計画管理を求める要望が寄せられていたとしています。[4]

計画タブで行える作業は、以下の通りです。

  • WBSの作成
  • ガントチャートの表示
  • EVMとESMによる出来高管理

WBSを作らずにタスクタブからガントチャートを表示する使い方も加わったため、計画を細かく作り込まない案件でもタスク単位で予定を可視化しやすくなります。どこまで作り込むかは、案件の規模と関わる人数を見て決める判断です。

AIエージェントに任せるプロジェクト管理の作業

情報を集める作業そのものを、AIエージェントに任せる設計のサービスも出ています。案件をまたいで情報を扱うサービスとして取り上げる項目は、以下の通りです。

  • AI Powered PMOの情報収集と連携
  • 人とAIの仕事を分けて追うTask

AIに任せる範囲によって、担当者の手元に残る仕事が変わります。

AI Powered PMOの情報収集と連携

PKSHA TechnologyとX Capitalは、AIエージェントがプロジェクトを横断して情報を集める「AI Powered PMO」の共同提供を2026年8月に始めました。人によるPMOは、意思決定やガバナンスの支援に回るとしています。[5]

両社は、大規模なシステム開発では多数のプロジェクトが並走し、全体を統括する責任者への情報連携に多大なコストがかかっていると説明しています。

AIエージェントが担う作業は、以下の通りです。

作業 内容
一次情報の収集 チケットや議事録、チャット
記載の確認 記載不足と更新漏れの催促
レポート作成 課題の抽出と進捗報告
連携の助言 誰に何をいつ伝えるか

両社は、国内のPMO市場が2024年の1兆3,130億円から2030年に1兆6,790億円へ拡大するとの予測を、提供の背景に挙げています。議論の音声解析による認識のずれの検知は今後の拡張として説明されており、発表時点で提供済みの機能ではありません。

人とAIの仕事を分けて追うTask

ナレッジセンスは、人のTODOとAIへ依頼した仕事を同じ画面で管理する大企業向けサービス「Task」を、リリース予定だと発表しました。ビジネス職ではメールやチャット、Excelでの管理が残り、依頼が会話に埋もれる状態を課題に挙げています。[2]

同社は、非エンジニアもAIに作業を並行して任せる場面を想定し、誰がどのAIで作業しているかを明確にする必要があると説明しています。

公表されている特徴は、以下の通りです。

  • 人とAIの担当を同じ画面で表示
  • 散らばった依頼の集約
  • 権限管理と操作履歴の確認

発表時点ではリリース前のため、画面や提供時期を確かめてから検討する段階です。権限と操作履歴の要件は、情報システム部門が先に確認しておくと導入の判断が早まります。

自社のプロジェクト管理で標準化する対象の選び方

プロジェクト管理の標準化では、何をそろえるのかを先に決めると、選ぶ手段を絞り込めます。計画の手順をそろえる研修と、記録の置き場をそろえる基盤とでは、そろう対象が違うためです。[1][6]

自社の状況に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[2][3][4][5]

確かめる点 見るところ
標準化の対象 計画の手順か記録の置き場
使う人の範囲 IT部門以外も使うか
案件の見方 案件ごとか横断表示か
提供の段階 提供中かリリース予定か
社内の要件 権限管理と操作履歴の有無

機能を比べる前に、標準化の対象と使う人の範囲を決めておくと選びやすくなります。

案件の数と関わる部門の広さを見比べて、自社に合う進め方を決めてください。

出典

  1. ^ PR TIMES. 「プロジェクト管理研修「WBS実践強化編」が、フランチャイズ・介護・給食など多角的に事業を展開するHITOWAに採用」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000007603.html, (参照 26-09-24).
  2. ^ PR TIMES. 「【大企業向け】AI時代のタスク管理サービス「Task」がリリース予定」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000392.000073671.html, (参照 26-09-24).
  3. ^ PR TIMES. 「クリエイティブ制作の確認ツールから、「誰でもPMができる」プロジェクト管理サービスへ。「CheckBack」がサービスコンセプトを大幅リニューアル」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000064708.html, (参照 26-09-24).
  4. ^ PR TIMES. 「オールインワンビジネスツール「CrewWorks」、複数プロジェクトを横断表示できるガントチャート機能などを追加」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000056164.html, (参照 26-09-24).
  5. ^ PR TIMES. 「PKSHAグループ、PMO業務を変革する「AI Powered PMO」を提供開始 ― PKSHA AIが情報連携を支援」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000272.000022705.html, (参照 26-09-24).
  6. ^ PR TIMES. 「MSOL、JIFFによるプロジェクトマネジメントプラットフォーム「PROEVER®」活用事例を公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000052085.html, (参照 26-09-24).
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。

企業・法人向けのIT・プログラミング・生成AI研修を探す、比較する - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア CodeCampが提供するDX人材育成が可能なプログラミングやITが学べる公開講座 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプが提供する無料で学べるプログラミングスクール講座 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプDX人材育成研修 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 3.5日の研修で、年間1,600時間の削減効果が見込まれる。東京きらぼしフィナンシャルグループのDX人材育成事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 配属3ヶ月で30%の生産性向上を実現するいよぎんコンピュータサービスの新人研修に迫る - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 金融業界の業務効率化を加速するニッセイアセットマネジメントの生成AI×GAS活用研修事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 【製造業のDX人材育成事例】デジタル人材の即戦力化を実現する、日本ガイシ株式会社の異動者向オンボーディング研修 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア フューチャーアーキテクト株式会社が実現した新入社員向けIT研修プログラムでタスクフォース制度が主体的な学びと成長を生み出す - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプDX人材育成研修 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/【IT新入社員研修】オンラインとオフラインの最適バランスを実現したFutureOneの導入事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/【新入社員研修】柔軟なハイブリッド型Java研修で実現した新卒20名の成長と成果|サークレイス株式会社 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/現場により近いところにデジタルを根付かせるDX基礎講座研修|株式会社ブリヂストン - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/業務の効率化・DX推進に向けたIT人材育成への第一歩|株式会社カナエ - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア 企業・法人向けのIT・プログラミング研修 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア

What's New

新着記事

対象者別で探す

子供(小学生・中学生・高校生)向け
プログラミング教室検索する

子供(小学生・中学生・高校生)がロボットやプログラミング言語を学ぶことができるオフラインからオンラインスクールを検索、比較することが可能です。

子供(小学生・中学生・高校生)
プログラミング教室検索する

ITやプログラムなどの
最新情報を検索する

日々、新しいITやプログラミング言語の情報が流れていきますが、特定の情報を時系列でニュースやコラムを確認することができます。

ITやプログラムなどの
最新情報を検索する