SaaS管理ツールがIT資産管理の台帳を連携で集約、情報システム部門の棚卸し効率化をめざす
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SaaS管理とIT資産管理の台帳が別々のツールに分かれていると、棚卸しのたびに複数の台帳を突き合わせる手間が増えていないでしょうか。台帳の置き場所と自動で更新する方法を先に決めておけば、ツールを乗り換えるときにも比べるべきサービスや連携の範囲を絞り込めます。
この記事では、SaaS管理の台帳を自動で最新に保つ方法を、zoobaへの移行事例やAPI連携、Entra ID連携、applogの新しい役割まで詳しく解説します。SaaS管理の台帳を見直したい情報システム部門の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社ハンモック、株式会社ディー・オー・エス ほか2件
- 出典の最終掲載:2026.10.06
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社ハンモックの発表資料より(PR TIMES)
[1] 統合型IT運用管理「AssetView」シリーズの 「AssetView Cloud +」、Microsoft Entra ID連携し、ゼ ロトラストへの対応を強化した新バージョンをリリース
株式会社ハンモック / 掲載 2026.09.28
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画像:株式会社ディー・オー・エスの発表資料より(PR TIMES)
[2] IT資産管理ツール『SS1クラウド』、『マネーフォワード Admina』とのAPI連携を開 始
株式会社ディー・オー・エス / 掲載 2026.10.01
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画像:株式会社zoobaの発表資料より(PR TIMES)
[3] 【事例公開】クラシル株式会社、SaaS・IT資産台帳をzoobaへ移行。実環境を約1カ月で構築し、SaaS管理ツール費用を24%削減
株式会社zooba / 掲載 2026.10.06
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画像:株式会社オロの発表資料より(PR TIMES)
[4] 「見えるから、判断できる。」SaaS管理サービス「dxeco」が新名称「applog(アップログ)」へ。AI時代のアプリ管理・投資判断プラットフォームへと進化
株式会社オロ / 掲載 2026.10.06
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目次
クラシルがzoobaへ移したSaaS管理の台帳
クラシルは、SaaSの利用者や在籍者、貸与端末の情報を別々のツールで管理していました。AIを前提とした働き方が広がるなかで、同社は「AIが読みやすい台帳をどこに置くか」を課題と捉え、約2年前からAIヘルプデスクで使っていたzoobaへ台帳を集めています。
- zoobaへの移行前に照合した既存機能
- zoobaへの移行後に見えた運用の変化
移行の前後を分けて見ると、台帳を移す前に照合する範囲と、移した後に台帳を使う部門の広がりが分かります。
zoobaへの移行前に照合した既存機能
クラシルが移行で重視したのは、既存環境でできていたことをzoobaでも維持できるかという点でした。同社が確かめた主な機能は、以下の通りです。[3]
- 従業員台帳のGoogle Workspace連携
- 契約中SaaSのアカウント情報の自動取得
- 既存の自動化処理とツール間の連携
クラシルが管理中のSaaS一覧を共有すると、翌日にはzoobaから対応可否の回答があり、大半が対応可能と分かりました。その後、同社は既存の機能や自動化処理、ツール間の連携を洗い出し、zoobaの機能と一つずつ照合しています。
トライアルを含めると移行には数カ月かかりましたが、zoobaによる実環境の構築作業はほぼ1名、約1カ月で終わりました。zoobaは、現行環境を先に整理して検証項目を切り分けたことにより、少人数で進められたと説明しています。
zoobaへの移行後に見えた運用の変化
クラシルは2026年8月からzoobaで本番運用を始め、SaaS管理ツールにかかる費用を24%削減しました。分散していた台帳も、3つから2つへ集約しています。[3]
移行後に台帳を使う人と使い方は、以下の通りです。
| 利用者 | 台帳の使い方 |
|---|---|
| 情報システム部門 | SaaS・従業員・IT資産の台帳を管理 |
| 総務 | 資産情報の確認を自部門で完結 |
| 内部監査 | 読み取り権限で台帳を確認 |
| 従業員 | AIヘルプデスクで自分の保有を確認 |
クラシルは、AIヘルプデスクが本人のアカウント保有状況は答え、他の従業員の情報は答えない挙動を検証したうえで運用に入りました。台帳をAIに参照させる企業にとって、回答の範囲を本番前に確かめる手順は参考にできます。
SaaS管理で人と端末を結ぶ外部連携
IT資産管理ツールの端末情報を人と結び付ける方法には、SaaS管理側へ端末情報を取り込むAPI連携と、Microsoft Entra IDと連携したユーザー単位のデバイス制御があります。どちらの連携も、人を起点に端末を把握する点が共通です。
- SS1クラウドとAdminaのAPI連携
- AssetViewのEntra ID連携
ただし、SS1クラウドの連携は台帳への情報の取り込みが中心で、AssetViewの連携はユーザー単位のデバイス制御が中心です。台帳の鮮度とデバイス制御のどちらを先に固めたいかによって、確かめるべき連携は変わります。
SS1クラウドとAdminaのAPI連携
ディー・オー・エスは、クラウド型IT資産管理ツールのSS1クラウドで、マネーフォワード AdminaとのAPI連携を始めました。SS1クラウドが管理するPCなどのデバイス情報をAdminaへ自動で取り込み、SaaSとデバイスの情報を一元管理できるようにする連携です。[2]
Adminaは、SaaSとデバイスの情報を従業員情報と紐付けて管理する情報システム部門向けの業務OSで、連携するSaaSの数は350以上とされています。SS1クラウドから取り込まれる主な情報は、以下の通りです。
| 区分 | 取り込まれる情報 |
|---|---|
| 端末の構成 | ホスト名・OS・メモリ・ストレージ容量 |
| 利用と管理 | 最終利用日・管理状況 |
| 購入と配置 | 購入日・設置部署 |
購入や配置の情報まで連携されるため、ディー・オー・エスは棚卸しや配置状況の把握、入退社に伴う対応といった定型業務の効率化につながると説明しています。Admina上では、SaaSの利用状況とあわせてIT資産の状況をリアルタイムで可視化できるとしています。
AssetViewのEntra ID連携
ハンモックは、AssetView Cloud +の新バージョンで、Microsoft Entra IDと連携したユーザー単位のデバイス制御に対応しました。従来の端末単位の制御やActive Directory連携に加えて、Entra IDを使う企業でも利用者・承認者の実態に沿った制御ができるとしています。[1]
AssetView Cloud +は、デバイスやSaaSを使う人を軸に情報資産やIT資産、SaaSを管理する運用管理ツールです。新バージョンで加わった、端末の把握や記録に関わる主な機能は以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| USB接続履歴の可視化 | メンバーのPCの外部デバイスを一覧表示 |
| デバイス保有確認 | 保有状況を確かめ資産を把握 |
| リモート作業の履歴 | 接続終了後に作業内容を記録 |
ハンモックは、USB接続の一覧を紛失時や退職時の利用デバイスの把握や監査に使えると説明しています。新バージョンは情報漏洩対策の強化を掲げていますが、いずれの機能も契約プランやオプションによって利用可否が異なります。
SaaS管理を投資判断まで広げるapplog
オロは2026年10月6日、SaaS管理サービスのdxecoをapplogへ名称変更しました。2021年に提供を始めたdxecoは、SaaSのコスト適正化やセキュリティリスクの管理、アカウント棚卸業務の効率化を支援してきたサービスです。[4]
オロは新しい役割を、SaaS・AI・デバイスの利用状況やコスト、契約情報を集め、運用やセキュリティから投資判断までを支えるプラットフォームと定めています。背景として、同社が引用したデジタル化の窓口の調査では、職場でSaaSを使う回答者の58.4%が「使われていないアカウントが放置されていることがある」と答えました。
名称変更にともなう主な変更点は、以下の通りです。
| 項目 | 変更の内容 |
|---|---|
| サービス名とロゴ | applogへ変更 |
| サービスサイト | 新URLへ移り旧サイトは自動転送 |
| 利用規約 | 変更の対象 |
| 管理対象 | AIツールの対象数と連携範囲を順次拡大予定 |
運営会社やこれまでの基本機能、サポート体制に変更はありません。ただし、AIツールへの対象拡大は発表時点では予定の段階のため、台帳にAIツールまで載せたい企業は対応範囲を確かめる必要があります。
SaaS管理の台帳を自動更新する方式の選び方
SaaS管理の台帳を最新に保つ方法を選ぶ出発点は、台帳をどこに置くかという判断です。台帳を一つの基盤へ移す場合と今のツール同士をつなぐ場合では、事前に確かめる点が異なります。
判断の観点ごとに確かめたい点と参考になる動きは、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 観点 | 確かめたい点 | 参考になる動き |
|---|---|---|
| 台帳の置き場所 | AIや他部門が参照できるか | クラシルのzoobaへの集約 |
| 移行前の照合 | 既存の機能や自動化を保てるか | 契約中SaaS一覧の事前共有 |
| 端末情報の取り込み | 購入日や設置部署まで入るか | SS1クラウドのAdmina連携 |
| 人と端末の結び付け | ADやEntra IDと連携できるか | AssetViewのEntra ID連携 |
| AIへの回答範囲 | 他人の情報を答えないか | クラシルの事前検証 |
| 管理対象の広さ | AIツールまで含めるか | applogの対象拡大予定 |
情報システム部門以外に台帳を見る部門があるかどうかでも、台帳の置き場所や連携の選び方は変わります。クラシルのように総務や内部監査も台帳を使う場合は、閲覧権限の設計まで含めて比べると判断しやすくなります。
References
- ^ PR TIMES. 「統合型IT運用管理「AssetView」シリーズの 「AssetView Cloud +」、Microsoft Entra ID連携し、ゼ ロトラストへの対応を強化した新バージョンをリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000522.000052725.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「IT資産管理ツール『SS1クラウド』、『マネーフォワード Admina』とのAPI連携を開 始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000000813.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「【事例公開】クラシル株式会社、SaaS・IT資産台帳をzoobaへ移行。実環境を約1カ月で構築し、SaaS管理ツール費用を24%削減」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000113531.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「「見えるから、判断できる。」SaaS管理サービス「dxeco」が新名称「applog(アップログ)」へ。AI時代のアプリ管理・投資判断プラットフォームへと進化」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000352.000075257.html, (参照 26-10-08).










