住民の手がスマートフォンを店のカウンターの読み取り端末にかざして支払う様子を描いたイラスト。

自治体アプリが住民の行動にポイントやクーポンを付与、地域の活性化をめざす

公開:
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自治体アプリでポイントやクーポンを配る施策を考えるとき、ボランティアや電子申請など、付与の対象にする住民の行動から決めていないでしょうか。しかし、特典の原資と使える場所の決め方によって、アプリに組み込む機能や基盤の選び方は変わります。

この記事では、自治体アプリで特典の対象になる住民の行動に加え、ポイントやクーポンの原資や使い先、特典機能を組み込む基盤の違いまで詳しく解説します。自治体でデジタル施策や地域ポイント事業を担当している方は、ぜひ参考にしてください。

  1. この記事の材料:発表3件
  2. 発表主体:株式会社コアモバイル
  3. 出典の最終掲載:2026.10.02
SOURCESこの記事がまとめた発表

[1] (株)コアモバイル の地域通貨プラットフォーム「エコプラ」が(株)電通総研の 都市OS基盤「CIVILIOS スーパーアプリ」に採用されました

株式会社コアモバイル / 掲載 2026.10.01
発表を見る

画像:発表資料より(PR TIMES)

[2] 日本初※1、財源循環型クーポン・プラットフォーム「とくみん」を発表

掲載 2026.10.01
発表を見る

画像:発表資料より(PR TIMES)

[3] 東京都「中央区公式アプリ」リリースのお知らせ

掲載 2026.10.02
発表を見る

目次
  1. 自治体アプリで特典の対象になる住民の行動
  2. 自治体アプリで住民に配る特典の種類
  3. 商品と交換できる中央区のデジタル地域ポイント
  4. 行政コスト削減分を還元する神埼市のクーポン
  5. 加盟店の決済につなぐ別府市の「ゆけポ」
  6. 自治体アプリに特典機能を組み込む基盤
  7. 都市OS「CIVILIOS」に組み込む「エコプラ」
  8. 自治体公式スーパーアプリに加わる「とくみん」
  9. 自治体アプリで特典を設計する前の確認点

自治体アプリで特典の対象になる住民の行動

東京都中央区や佐賀県神埼市、大分県別府市の公式アプリは、住民の行動に応じてポイントやクーポンを付与します。各アプリで特典の対象になる主な行動は、以下の通りです。[1][2][3]

自治体 主な対象行動 補足
東京都中央区 ボランティア・イベント参加 デジタルスタンプラリーも予定
佐賀県神埼市 電子申請・健診受診・ボランティア 事業全体の対象(年度別は後述)
大分県別府市 ボランティア・健康づくり・行政手続き 「ゆけポ」として付与

ボランティアへの参加は、いずれの自治体でも特典の対象に入っています。また、別府市は行政手続きの利用も対象にしており、神埼市も令和9年度から電子申請を対象に加えるとしています。

自治体アプリで住民に配る特典の種類

住民に配る特典は、ポイントとクーポンに分かれ、交換先や使える店舗も自治体ごとにさまざまです。各自治体の特典は、以下の通りです。

  • 商品と交換できる中央区のデジタル地域ポイント
  • 行政コスト削減分を還元する神埼市のクーポン
  • 加盟店の決済につなぐ別府市の「ゆけポ」

同じポイントでも、交換先と決済先のどちらを用意するかによって、住民が特典を使う場面は変わります。

商品と交換できる中央区のデジタル地域ポイント

中央区公式アプリは、東京都中央区の「中央区デジタル地域ポイント事業」向けにフェリカポケットマーケティングが提供し、2026年10月1日にリリースされました。同社の「よむすび」を使って開発したアプリで、貯めたポイントは「商品交換」からさまざまな商品と交換できます。[3]

リリースに合わせて中央区公式アプリで行う主な抽選企画は、以下の通りです。

企画 対象 応募期間 特典
初回ダウンロードキャンペーン アプリの利用者 10月1日〜11月30日 最大10,000ポイント
東京湾大華火祭の鑑賞チケット 中央区民限定 10月1日〜10月12日 5組10名を会場へ招待

初回ダウンロードキャンペーンでは、「初回アンケート」の回答者から抽選で総勢10,000名に、1等10,000ポイントから5等100ポイントまでを付与します。また、アプリの登録に不安がある人向けに、10月5日から9日まで会館や出張所などで予約不要の出張相談会を開くとしています。

行政コスト削減分を還元する神埼市のクーポン

佐賀県神埼市とオプティムは、2026年10月1日に「神埼市公式スーパーアプリ」で電子クーポンを配る「神埼市地域活性化事業」を始めました。住民の電子申請などで窓口対応時間や事務コストを減らし、削減で得た原資を地域で使えるクーポンとして還元する流れを、オプティムは「財源循環」と呼んでいます。[2]

事業は3か年計画で、住民の意識と行動を段階的に変えるとしています。各年度の対象と特典は、以下の通りです。

時期 対象の行動 特典と付与方法
令和8年度 インストールと本人確認 クーポンを配布
令和9年度 電子申請・防災訓練など 自動付与・QRコードで配布
令和10年度以降 電子申請 クーポンと地域ポイント

令和8年度は、マイナンバーカードで本人確認を行い、デジタル市民証を発行した住民がクーポンの対象です。令和10年度以降は、使い方の自由度が高い地域ポイントをクーポンと組み合わせて運用するとしています。

加盟店の決済につなぐ別府市の「ゆけポ」

大分県別府市は、行政や暮らし、地域経済の機能をまとめた公式スーパーアプリ「べっプリ」を2026年10月1日にリリースしました。べっプリのインセンティブポイント「ゆけポ」には、コアモバイルが開発した地域通貨プラットフォーム「エコプラ」が使われています。[1]

コアモバイルは、「エコプラ」により「ゆけポ」をアプリ内で一元管理できるほか、将来的な他事業者のポイント等への交換スキームや加盟店での円滑な決済処理を実現すると説明しています。主な機能は、以下の通りです。

  • アプリ内でのポイントの一元管理
  • 他事業者のポイント等への交換
  • 加盟店での円滑な決済処理

べっプリは、市民生活の利便性向上に加えて、観光客の地域回遊や消費を促し、地域経済の活性化につなげることもめざしています。

自治体アプリに特典機能を組み込む基盤

別府市と神埼市では、特典を配る機能を、アプリ全体を支える基盤に追加する形で導入しました。取り上げる基盤と特典機能の組み合わせは、以下の通りです。

  • 都市OS「CIVILIOS」に組み込む「エコプラ」
  • 自治体公式スーパーアプリに加わる「とくみん」

どちらの組み合わせも、既存のシステムや外部のサービスと連携できる設計を採っています。

都市OS「CIVILIOS」に組み込む「エコプラ」

電通総研の「CIVILIOS」は、自治体ごとの環境に合わせたデータ連携基盤を提供する都市OS(オペレーティングシステム)基盤です。別府市のべっプリは、内閣府の「スマートシティリファレンスアーキテクチャ」に準拠するCIVILIOSを基盤に構築されました。[1]

CIVILIOSが採る「ビルディングブロック方式」で可能になる主な連携は、以下の通りです。

  • 既存システムとの組み合わせ
  • 住民一人ひとりに合わせた情報提供
  • 事業者が提供するサービスとの連携

べっプリでは、行政手続きの電子化や防災・ごみカレンダーなどの生活情報と同じアプリの中で、エコプラによるポイント機能が動いています。つまり、行政サービスと地域のポイントを1つのアプリにまとめた構成です。

自治体公式スーパーアプリに加わる「とくみん」

オプティムの「とくみん」は、同社の「自治体公式スーパーアプリ」に新たに加わる住民行動変容サービスです。自治体公式スーパーアプリは、地域情報や子育て、防災などのサービスをミニアプリとして1つのアプリにまとめ、IDやパスワードも1つに統合します。[2]

「とくみん」は3層のシステムで構成されており、オプティムは各層の主な役割を以下のように説明しています。

層 主な役割
住民接点層 スーパーアプリなどで住民と接点を持つ
クーポン・インセンティブ管理層 即時発行・不正利用防止・利用管理
行動検知・連携層 外部システムとAPI連携し行動を自動検知

オプティムは、「とくみん」の中核技術について8件以上の特許を出願しました。出願の対象には、財源の枠内で発行を自動で制御する技術と、住民の行動記録を交付金の実績報告に自動で結び付ける技術が含まれます。

自治体アプリで特典を設計する前の確認点

自治体アプリで特典を配る施策を検討するときは、原資や使い先、連携するシステムも先に決めておくと、各地の例と比べやすくなります。確認したい観点と参考になる例は、以下の通りです。[1][2][3]

観点 確認すること 参考になる例
原資 特典を何でまかなうか 神埼市の行政コスト削減分
使い先 商品交換か店舗での利用か 中央区の「商品交換」
決済 加盟店の決済に使うか 別府市の「ゆけポ」(決済処理を説明)
導入の順番 対象と特典の広げ方 神埼市の3か年計画
基盤 既存システムと組み合わせるか べっプリが使うCIVILIOS
不正対策 不正利用をどう防ぐか 「とくみん」管理層(事業者説明)
周知 登録を促す企画と相談先 中央区の抽選と出張相談会

たとえば、行政コストの削減分を原資にする神埼市の事業は、住民の行動をアプリ上で把握し、削減効果を数値で説明できるとオプティムが案内する「とくみん」で実現するとしています。また、ポイントを加盟店の決済まで広げる場合は、別府市のべっプリがエコプラによる加盟店での円滑な決済処理を説明している点も検討の材料です。

References

  1. ^ PR TIMES. 「(株)コアモバイル の地域通貨プラットフォーム「エコプラ」が(株)電通総研の 都市OS基盤「CIVILIOS スーパーアプリ」に採用されました」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000069200.html, (参照 26-10-05).
  2. ^ PR TIMES. 「日本初※1、財源循環型クーポン・プラットフォーム「とくみん」を発表」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000133293.html, (参照 26-10-05).
  3. ^ PR TIMES. 「東京都「中央区公式アプリ」リリースのお知らせ」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000082883.html, (参照 26-10-05).
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