GoogleがGKEでAgent Substrateの一般提供を開始、次のリクエストでActorを500ミリ秒未満で復元可能
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Googleは、Agent SubstrateやgVisor、OpenRLのCNCFへの寄贈を発表しました。Agent Substrate on GKEとして一般提供中の1.0は、モデルの応答やツール呼び出しを待つエージェントのメモリとファイルを保存し、Workerを再利用します。[1]
この記事では、Agent Substrate 1.0でできることと、利用前に確かめるGKEクラスタの要件を説明します。実行場所と分離方式の選択肢も整理しました。[1][2]
目次
Agent Substrateでできること
Agent Substrate 1.0は、エージェントのセッションとIDを実行中の計算資源から切り離します。メモリやファイル、IDを保持するActorと、ポリシーを担うGatewayは、KubernetesのWorkerのウォームプールから分離されています。[1]
標準のKubernetesの課題
エージェントは数秒コードやテストを実行した後、モデルの応答や外部API、人の入力を待ちます。標準のKubernetesでアクティブなエージェントごとにPodを与えると、待機中もメモリとCPUがふさがり、コントロールプレーンは数百万の永続オブジェクトを追跡します。
標準のKubernetesでは、IDがPodに結び付き、アクセスと秘密情報の制御が指数関数的に複雑です。エージェントには隔離された計算資源のほか、機密の鍵を持たずに許可されたツールとサービスだけへアクセスするための個別のIDと中央の強制点が必要です。
Actorの保存と復元
エージェントがモデルやツールの応答を待つと、Agent Substrateはメモリやファイルをストレージへ保存し、Workerをウォームプールへ戻します。次のリクエストが届くと、空いているWorkerへActorを500ミリ秒未満で復元し、中断した時点から再開します。
数百万のサンドボックスで本番ワークロードを受け入れられることも、Googleの評価です。Agent Substrateは標準のOCIコンテナを実行するため、ADKのエージェントやステートフルなコーディング環境、生産性エージェントがそのまま動きます。
CNCFへ寄贈されるほかの2プロジェクト
今回のリリースにより、任意のKubernetesクラスタやクラウドで、CPUやGPU、TPUにまたがって動くオープンなスタックが提供されます。各プロジェクトはコミュニティのメンテナーや独立したビルド基盤とともにCNCF Sandboxのオンボーディングを進め、gVisorはIncubationへ向かう途上です。[1]
RLによるエージェント学習は、数百万の並列なサンドボックスのロールアウトから学ぶオープンなループを開発者に与えます。Googleは、研究プレビューのOpenRLを事後学習とサービングの効率的な分散手段としています。
2月に研究プレビューとして始まったOpenRLはこのスタックで最も新しい層で、目標は任意のモデルを任意のアクセラレータで扱う1つのレシピです。Googleは、アクセラレータや推論エンジン、学習フレームワーク、オープンウェイトモデルの開発者とともに作るため、設計が固まる前にCNCFの中立的なガバナンスを整えるとしています。
gVisorによるコードの分離
エージェントが記録系から行動系のシステムへ移ると、生成されたシェルコマンドや未レビューのパッケージを実行します。標準コンテナはホストのLinuxカーネルをノード上のほかのワークロードと共有するため、Googleは信頼できないコードには危険だとしています。
ベアメタルやネストされた仮想化を使えない標準Linuxインスタンスでも、コンテナ並みの密度で強く分離するのがgVisorです。Goで書かれたアプリケーションカーネルが、システムコールをユーザー空間で処理し、信頼できないコードとホストカーネルの直接の接触を防ぎます。
gVisorの効率と対応環境
Googleは、gVisorのメモリが負荷に応じて増減するため、ノードごとに多くのエージェントを載せ、エージェント当たりのコストを下げられるとしています。gVisorはネストされた仮想化を必要とせず、任意のクラウドやローカルのLinuxノードへ同じ形でデプロイできます。
gVisorでは、エージェントがサンドボックス内でアクセラレータを使え、アイドル時の一時停止も可能です。ただし、Agent Substrate on GKEはActorコンテナへのGPUパススルーをサポートしていません。[1][2]
OpenRLの事後学習ループ
OpenRLは、自己ホスト型の強化学習(RL)の事後学習ループを、Kubernetes上で素のPythonにより動かします。研究プレビューとして始まった発表時点のOpenRLの主な特徴は、以下の通りです。
研究プレビューのOpenRLの特徴
OpenRLとllm-dの連携
研究プレビューとして始まった発表時点のOpenRLは、エピソードをAgent Substrateのサンドボックス内で実行します。llm-dのルーターは、一致するKVキャッシュのプレフィックスを持つサンプラーへ複数ターンのロールアウトを送り、重複するprefill計算を減らします。
RLの学習ではサンプラーとトレーナーが交互に動くため、片方の処理中はもう片方のチップ群が空いた状態です。研究プレビューのOpenRLは、llm-dの時分割で同じ物理GPUをサンプリングと学習で共有し、空いたアクセラレータの時間を回収します。
Agent Substrateなどを試す場所
試す場所とGKEでの実行の入口、インストールの前提は、以下の通りです。[1][2]
GKE Sandboxを使うStandardクラスタで未処理のソケットを開くには、コンテナのセキュリティコンテキストへのNET_RAWの明示的な追加が必要です。[3]
spec:
containers:
- name: my-container
securityContext:
capabilities:
add: ["NET_RAW"]
公式資料からの抜粋:GKE Sandbox(制限事項 / 機能)。対象版・範囲:確認日時点のGKE Sandboxのドキュメント(Standardクラスタに適用、最終更新日2026-11-05 UTC)。
上記のコードでは、my-containerのcapabilitiesのaddにNET_RAWを指定しています。pingやtcpdumpは、未処理のソケットを作るツールの例です。
Agent Substrate on GKEの利用条件
Agent Substrateは1.0に到達し、Agent Substrate on GKEとして一般提供されています。2026年9月16日の発表時点では、非本番ワークロードはすべてのGKE利用者が使え、本番向けのGAサポートは許可リスト経由でした。[1][4]
Agent Substrate on GKEでは、一時停止したアイドル状態のエージェントはCPUやメモリを使いません。コンピューティング料金は、タスクを処理している場合にのみ発生します。[2]
Agent Substrate on GKEは、コントロールプレーンとノードプールが1.37以降のGKE Standardクラスタに対応します。主な要件は、以下の通りです。
1ノードで約800個を超えるサンドボックスを同時に動かすと、カーネルの既定の上限を超えます。インストーラは作成したクラスタに設定を適用し、既存クラスタや独自のノードプールでは自分で適用する前提です。
Agent Substrateの構成の選び方
編集部が、実行先と分離方式を場面別に整理しました。Agent Substrate 1.0では、ライフサイクルの管理方法を変えずに分離の境界を選べます。[1]
Google Cloudでマネージドに使うならAgent Substrate on GKE、自前のKubernetesクラスタならオープンソースのコードが候補です。クラスタを管理せずAPIで専用のmicroVMを使う場合、GoogleはAgent SubstrateがAgent Compute Engineを補完するとしています。
Linuxカーネル全体との互換性が必要な場合は、ハードウェアで分離するCloud Hypervisor microVMsが候補です。ネストされた仮想化を使えないノードで分離したい場合や低いオーバーヘッドを重視する場合は、gVisorが候補です。[1][4]
出典
- ^ Google Cloud. 「Powering open infrastructure for autonomous agents」. https://cloud.google.com/blog/products/containers-kubernetes/open-infrastructure-for-autonomous-agents-comes-to-cncf, (参照 26-11-05).
- ^ Google Cloud. 「GKE 上の Agent Substrate について」. https://docs.cloud.google.com/kubernetes-engine/ai-ml/about-agent-substrate?hl=ja, (参照 26-11-06).
- ^ Google Cloud. 「GKE Sandbox」. https://docs.cloud.google.com/kubernetes-engine/docs/concepts/sandbox-pods?hl=ja, (参照 26-11-06).
- ^ Google Cloud. 「Agent Substrate brings high-density, scalable, trusted infrastructure to GKE」. https://cloud.google.com/blog/products/containers-kubernetes/agent-substrate-available-on-gke?hl=en, (参照 26-11-06).
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