Black AI株式会社は2026年6月7日、企業向けAIプラットフォーム「WorkPeer(ワークピア)」の提供を開始しました。
WorkPeerが解決する3つの課題と開発の背景
ChatGPTやRPAを導入しても「効率化された」という実感が得られない——。Black AI株式会社は、多くの日本企業が同じ壁に直面している要因を、3つの課題として整理しました。
第一に、チャットでのやり取りにとどまり、業務の自動化(AIエージェント化)まで至らないこと。第二に、データもシステムも部署ごとに分散し、AIが業務をまたいで動けないこと。第三に、汎用的なAIが自社の業務やルールを理解しておらず、現場で使いものにならないことです。
WorkPeerは、この3つの課題に正面から応えるために開発されました。人がAIの操作を覚えるのではなく、AIが既存の業務システムを操作して業務そのものを代行し、任されるほど現場を覚えて賢くなっていく設計です。現場は、新しい操作を覚える必要も、これまでのやり方を変える必要もありません。
チャットでワークフローを生成し使うほど賢くなる仕組み
業務の進め方をチャットで伝えると、AIがその手順をワークフローとして設計・保存しました。2回目以降は、ワンクリックで呼び出すだけで、毎回同じ手順を正確に再現します。さらにWorkPeerは、実行のたびに自らの処理ログを振り返り、誤りの修正や手順の効率化をワークフローへ反映する設計です。
Microsoft 365、Slack、kintone、freee、Salesforce、SAPなど、主要なクラウドサービスはコネクタで接続できます。APIが用意されていない独自開発の基幹システムやレガシーシステムも、AIが画面の文脈を理解して直接操作する「Compute Use」により、そのまま自動化の対象となります。ツールの乗り換えもシステム改修も不要です。
セキュリティと内部統制の面では、人による承認(Human-in-the-loop)・操作の監査ログ・権限管理(RBAC)を標準装備し、内部統制(J-SOX)に対応しています。データは日本国内に保存し、AIの再学習には利用しません。オンプレミス構成にも対応します。
WorkPeerがJEB-Benchで総合1位を獲得
Black AI株式会社は、日本企業のオフィスワークに即した性能を測るベンチマーク「JEB-Bench」を独自に開発しました。物流や精密製造、地方銀行、リテール、総合建設の5社を想定し、社内ナレッジQA・ワークフロー生成・業務システムの実行・資料作成など9評価軸×33タスクを設計。海外製の汎用AIエージェントや国産AI SaaSを含む6系統との同一条件での比較において、WorkPeerが総合1位を獲得しました(2026年6月・同社実施)。
WorkPeerの活用例として、物流・3PL分野では配送依頼票をスマートフォンで撮影すると、AIが内容を読み取って商品マスタと照合し、配送管理システム(TMS)へ登録します。1件あたり約5分かかっていた作業が約30秒に短縮され、転記ミスも解消されました。
経理業務では、メールで届いた請求書をPDFから読み取り、一定額を超える場合は承認を得たうえで、会計システムへ自動で起票します。社内ヘルプデスクでは出典付き回答を返し、解決できない場合は担当者へ引き継ぐ対応が可能です。月次報告では売上データをもとにドラフトを作成するなど、幅広い定型業務への展開も想定されています。
WorkPeer(ワークピア)の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Black AI株式会社 |
| 所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号 |
| サービス名 | WorkPeer(ワークピア) |
| カテゴリ | 企業向けAIプラットフォーム |
| 提供開始 | 2026年6月7日 |
| 主な機能 | チャットによるAIワークフロー生成・保存・自己改善 Compute UseによるレガシーシステムのAPI不要連携 Human-in-the-loop・RBAC・監査ログによる内部統制(J-SOX)対応 |
| 連携サービス | Microsoft 365、Slack、kintone、freee、Salesforce、SAP ほか |
| 統合済み機能 | AI PC Worker(画面操作による業務実行) AI Knowledge Core(社内ナレッジ活用) |
| ベンチマーク | JEB-Bench(9評価軸×33タスク)比較6系統中1位 |
| データ管理 | 日本国内保存・AIの再学習への利用なし・オンプレミス対応 |
| コーポレートサイト | https://www.blackai.co.jp/ |
trends編集部の一言
1件あたり約5分かかっていた作業が約30秒に短縮されるという数値は、業種を問わず一目でインパクトが伝わるのではないでしょうか。マーケティングの現場でも、複数ツール間のデータ転記や定型レポートの準備に毎回時間を取られているという状況は課題として共通しています。「チャットで伝えるだけでワークフローが生成され、使うほど賢くなる」という設計は、AIエージェント市場全体の動向としても注目に値する取り組みです。
「APIのないレガシーシステムも改修なしで連携できる」という点は、業界を問わず刺さる訴求です。社内の基幹システムが古くてAPI連携が難しいという状況は、業種を問わず多くの企業が抱えている課題であり、Compute Useによるアプローチは業界全体としても有効な選択肢として広がりつつあります。
JEB-Benchという独自ベンチマークを開発し、日本企業特有の商習慣や基幹システムを前提に測定している点も印象に残りました。海外製の汎用AIエージェントが日本の現場に合わない場面が指摘されるなか、業界全体としては業務特化型・国産プラットフォームへの関心が高まっており、WorkPeerの差別化軸はその流れと一致した動きと読み取れます。
References
- ^ PR TIMES. 「Black AI、進化する企業AI「WorkPeer」を発表 ― レガシーシステムも改修なしで連携。日本企業のオフィスワークを再現したベンチマークで総合1位。 | Black AI株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000183143.html, (参照 26-06-17).
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