カイタク株式会社は、AI電話サービス「スパ電」の新機能として、チャット経由の問い合わせ業務もAIで一貫処理する「スパ電チャット」の先行提供を開始しました。
既存チャットボットが解決できなかった課題と「スパ電チャット」
チャットボットによるFAQの自動応答は広く使われていますが、用意したパターンに沿う回答が中心で、想定を超えた質問や入り組んだ問い合わせには十分に答えられません。問い合わせた側が知りたいことを解決できないまま別の窓口へ回ったり、あきらめてしまうことも少なくありません。
さらに、自動化されているのは「答える」までの部分にとどまり、応答後の内容整理・記録・担当者への引き継ぎは人手に残り続けています。件数が増えるほど、担当者の負担と抜け漏れが膨らむ構造です。「スパ電チャット」は、電話業務で提供してきた対応をチャットでも行えるようにしました。
スパ電チャットの3つのポイント
「スパ電チャット」の主な特徴は次の3点です。
- 業務知識を設定し、自社の文脈に沿って回答
- 回答にとどまらない後続処理までの一気通貫対応
- 対応件数の増減に左右されない処理能力と品質の安定
1点目の回答品質については、実証実験で問い合わせをした人の問題解決率が90%を超え、500ページ超の大規模なPDFからのNIAH試験正答率が99.5%を超える結果を確認しています。また、独自の評価指標における正答率は98.7%超という数値も確認されました。FAQや業務ルール、応対方針をAIに持たせることで、定型の自動返信では難しかった問い合わせにも、自社の文脈に沿って回答できます。
2点目の後続処理については、問い合わせへの回答にとどまらず、聞き取った内容の整理、関連システムへの記録・更新、担当者へのメッセージ送信までをAIが続けて処理しました。一次対応のあとに残りがちな転記・連絡の手作業を減らします。
3点目の安定性については、繁忙期の問い合わせ集中による対応件数増加にかかわらず、人員を増やすことなく安定したクオリティで窓口対応が可能です。担当者ごとの習熟度やコンディションに起因する対応品質のばらつきもなく、一定の基準で問い合わせを処理し続けます。
スパ電チャットの業種別活用シーン
「スパ電チャット」は、問い合わせ対応に課題を抱える多様な業種での活用を想定しています。主な活用シーンは次の通りです。
- 自治体:申請方法・必要書類などへの24時間自動応答と担当課への引き継ぎ
- 人材:求職者からの問い合わせ受付、CRM記録、採用担当への引き継ぎ
- 金融・保険・リース:規定に沿った正確な案内と有人対応への確実な引き継ぎ
- 不動産管理:夜間・休日の一次受けと緊急度に応じた担当者への引き継ぎ
- コールセンター(BPO):AI一次対応によるオペレーターの業務集中化
たとえば人材分野では、求職者からの問い合わせが平日夜間や休日に届くことも多く、返信が遅れると応募の機会を逃しかねません。AIが時間帯を問わず即座に応答し、応募内容を整理してCRMに記録したうえで、面談調整など人が必要なやり取りは採用担当へ引き継ぎます。
スパ電チャットの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | カイタク株式会社 |
| サービス名 | スパ電チャット |
| 提供形態 | 先行提供開始(一部顧客への提供) |
| 主な機能 |
自然言語による問い合わせ対応 内容整理・CRM/基幹システムへの記録 担当者へのメッセージ送信 |
| 実証実験結果 | 問題解決率90%超、NIAH試験正答率99.5%超、正答率98.7%超 |
| セキュリティ | 総務省ガイドライン準拠、OWASP LLMSVS対応、通信全暗号化 |
| 設立 | 2015年7月 |
| 所在地 | 東京都新宿区中町19-6 |
| 代表 | 松木 友範氏 |
trends編集部の一言
問い合わせをした人の問題解決率が90%を超えたという実証実験の数値は、注目に値します。チャットボット業界全体としては、定型パターン外の質問への対応不足や回答品質へのばらつきに対する不満が根強く、有人対応との切り替えコストも課題として挙げられてきました。
「答える」だけではなく、応答後の整理・記録・引き継ぎまでをAIが一気通貫で担う設計は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、問い合わせフォームやチャット窓口の運用負荷を構造ごと削減する動きとして読み取れるのではないでしょうか。同種サービスでは応答機能単体にとどまるものが多い中、後続処理の自動化まで含めた設計は業界全体の潮流としても注目される取り組みです。
References
- ^ PR TIMES. 「【新機能】業務をこなすAI電話「スパ電」、チャット経由の問い合わせもAIで完全自動化——「スパ電チャット」を先行提供開始 | カイタク株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000024672.html, (参照 26-06-21).
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