株式会社NaLaLysは2026年6月1日(月)、内部通報の一次受付・初動対応をAIで自動化するクラウドサービス「AI通報窓口」の提供を開始しました。
AI通報窓口が生まれた背景:改正公益通報者保護法の施行
2025年6月に公布された改正公益通報者保護法が、2026年12月1日に施行されます。改正法では、通報者への不利益取扱いに対する刑事罰化や業務委託関係者(フリーランス等)への保護対象拡大、事業者の体制整備義務の実効性向上が主な柱として位置づけられました。
一方、2022年改正で従業員300人超の事業者に体制整備が義務化されて以降、現場の内部通報制度は次のような課題を抱える企業が少なくありません。「窓口は設置したが、実際の運用が属人化している」という声や、「夜間・休日の一次対応ができない」という問題、さらに「初動の記録が残らず、後の調査が困難になる」という状況が報告されています。株式会社NaLaLysは、こうした構造的な問題への解決策として「AI通報窓口」を開発しました。
AI通報窓口の5つの主な特長
「AI通報窓口」が備える主な機能は次の5点です。
- 24時間365日の一次受付:AIが夜間・休日も含めて常時対応し、通報者は時間を問わず最初の一言を届けられます
- 5W1Hによる自動整理:通報内容をWho / What / When / Where / Why / Howに構造化し、後続の調査担当者がすぐに状況を把握できる形で記録されます
- 記名・匿名を問わない継続コミュニケーション:匿名性を保ったままシステム内で担当者と双方向のやり取りができ、調査に必要な情報を深められます
- 担当者の負荷軽減:AIが一次受付と5W1H整理までを担うことで、担当者は調査・判断という本来の業務に集中できます
- 国内サーバー運用・学習利用なし:通報データは国内サーバーで管理され、生成AIモデルの学習には一切利用されません。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得済みです
少人数のコンプライアンス部門でも無理なく運用を継続できる体制を実現している点が、特徴の一つです。
AI通報窓口の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社NaLaLys |
| サービス名 | AI通報窓口 |
| 提供形態 | クラウドサービス |
| 提供開始日 | 2026年6月1日(月) |
| 背景法令 | 改正公益通報者保護法(2026年12月1日施行) |
| 主な機能 | 24時間365日のAI一次受付 5W1H自動整理 匿名継続コミュニケーション システム内での継続コミュニケーション |
| セキュリティ | 国内サーバー運用・情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得済み |
| 今後の展開 | NaLaLys モニタリングとの連携による「平時のモニタリング」と「声を受け取る窓口」の両輪体制 |
| 所在地 | 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟 22階 SPROUND内 |
| 代表者 | 代表取締役 長谷島 良治 |
| 設立 | 2023年1月6日 |
| HP | https://www.nalalys.com/ |
代表・長谷島良治氏とCOO/CFO・塩川晃平氏のコメント
代表取締役の長谷島良治氏は、「メールでは一方的な通報になり、電話では担当者によって、対応の質がばらつき、しかも業務時間内にしか対応できない。AIが一次対応を担えば、24時間365日、平準化された対応が実現できる」と述べています。
長谷島氏は、内部通報受付の担当者を経験してきた背景から、現場で本当に必要とされる機能の実装を重視したと説明しました。
取締役COO/CFOの塩川晃平氏は、「ChatGPTなどのAIチャットに気軽に相談する人が増えているように、AI通報窓口もそのくらいの感覚で使える存在にしていきたい」とコメントしました。
塩川氏は、「2026年12月の改正法施行を機に、内部通報の評価軸は『窓口を設置したかどうか』から『実効性があるかどうか』へと移る」とも語り、人間が人間にしかできない仕事に集中するためのAI活用を訴えました。
trends編集部の一言
「通報窓口は、設置したが運用が属人化している」という課題は、コンプライアンス部門に限った話ではありません。業界全体としては、「仕組みはあるが機能していない」という構造が横断的に観察されており、AIによる一次受付の標準化はその解消策として注目される動きです。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、担当者依存で品質がばらつく運用プロセスをAIで平準化するというアプローチは、コンプライアンス領域にとどまらず業界横断で広がりを見せている潮流と捉えられます。特に注目されるのは、匿名性を保ったままシステム内で継続コミュニケーションができる設計です。
情報を「一度きりで終わらせない」双方向の仕組みは、内部通報の実効性を高める構造として業界の動向としても示唆を含んでいます。2026年12月の改正公益通報者保護法施行を前に、体制整備の実効性を問い直す契機として、今後の市場動向が注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「株式会社NaLaLys、AIが24時間内部通報を受け付け、5W1Hで自動整理する「AI通報窓口」を提供開始 | 株式会社NaLaLysのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000133745.html, (参照 26-06-05).
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