株式会社medimoは、AIによる診療録作成支援サービス「medimo(メディモ)」について、3社の電子カルテメーカーが提供するシステムでのホワイトリスト登録が完了したことを発表しました。
medimo導入におけるネットワーク制限の背景
医療機関では、患者情報の保護を目的として、電子カルテ端末から外部サイトへのアクセスをネットワークフィルター等で制限するのが一般的な運用です。この制限はセキュリティ上は不可欠ですが、AI記録ツールを利用する際には、複数の不便が生じていました。
インターネット接続用にカルテ端末とは別のスマートフォンやタブレット等を用意しなければならない状況がありました。また、記録データをカルテに転記する際には、専用のUSBデバイスを使うか手作業で打ち直す手間も発生します。さらに、カルテ内の既存情報をAI側で参照できず、情報の流れが一方通行になるという課題も抱えていました。
medimoのホワイトリスト登録で実現する1台完結の診療業務
今回のホワイトリスト登録により、対象製品を利用する医療機関では、カルテ端末のブラウザから直接「beta.medimo.ai」へアクセスできるようになります。インターネット接続用の別端末が不要になり、診察に関する一連の作業を同一端末上で行えるようになりました。
また、カルテ端末上で操作できるようになったことで、画面に表示されたカルテの既往情報を参照しながら、当日の診察内容に応じた要約・記録を作成できます。さらに、データ転送のための専用ハードウェアや専用ブリッジソフトのインストールも不要になり、導入コストと手間の削減につながります。
対象となる電子カルテ製品は以下の通りです。
- 株式会社ビー・エム・エル:「Qualis(クオリス)」「Qualis Cloud」「MedicalStation」
- 株式会社EMシステムズ:「MAPs(マップス)」
- 島津メディカルシステムズ株式会社:「SimCLINIC T4 Cloud」
なお、株式会社EMシステムズ製の「MRN」など一部の旧型製品は、動作環境の観点から対象外となります。株式会社ビー・エム・エル製の「MedicalStation」については、別途開通設定作業が必要です。
medimoの厳格なセキュリティ体制がホワイトリスト登録を後押し
今回のホワイトリスト登録が実現した背景には、medimoが構築してきたセキュリティ基盤への評価があります。主な取り組みは以下の通りです。
- 「3省2ガイドライン」への準拠による医療情報の安全管理
- 国際基準のISMS認証の取得
- 入力情報がAI学習に利用されないデータ非学習の保証
- Amazon Web Services(AWS)の国内リージョンによる運用
こうしたセキュリティ基盤を各電子カルテメーカーに評価された結果、「beta.medimo.ai」ドメインの例外許可につながりました。
株式会社medimoのサービス概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社medimo |
| サービス名 | AIによる診療録作成支援サービス「medimo(メディモ)」 |
| サービス区分 | 診療録作成支援AI |
| 今回の対応内容 | 株式会社ビー・エム・エル、株式会社EMシステムズ、島津メディカルシステムズ株式会社が提供する電子カルテシステムでのホワイトリスト登録完了 |
| 対象電子カルテ会社 | 株式会社ビー・エム・エル、株式会社EMシステムズ、島津メディカルシステムズ株式会社 |
| 主なセキュリティ対応 | 3省2ガイドライン準拠、ISMS認証取得、AWS国内リージョン活用 |
| 所在地 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-8-21 虎ノ門33森ビル4F |
| 代表者 | 代表取締役社長 中原 楊氏/代表取締役 馬 劭昂氏 |
| 設立 | 2022年4月 |
| URL | https://corp.medimo.ai/ |
trends編集部の一言
電子カルテ端末からAIツールに直接アクセスできなかったという制約は、医療以外の業界からは見えにくい課題です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、社内セキュリティポリシーによって外部ツールへのアクセスが制限され、承認取得に時間がかかるという状況は業界横断で語られてきたテーマです。
今回のホワイトリスト登録完了は、「セキュリティ基準を満たせばAI活用の障壁は取り除ける」という一つの事例として、業界を超えて注目される動きと言えます。3社の電子カルテシステムで同時に対応が進んだ点は、単なる1社との個別交渉ではなく、セキュリティ体制の標準化が評価された結果ではないでしょうか。
ISMS認証の取得や3省2ガイドライン準拠といった取り組みが、複数ベンダーへの一括承認につながった構図は、AI導入のハードルを越えようとする他分野の動向を占う上でも興味深い事例です。
References
- ^ PR TIMES. 「診療録作成支援AI「medimo」のドメインが、大手電子カルテ3社(BML、EMシステムズ、島津メディカル)の端末ブラウザから直接アクセス可能に | 株式会社medimoのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000124331.html, (参照 26-06-12).
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