企業が電話対応の一次受付をAIに任せる、夜間受付や取次ぎの負担軽減をめざす
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営業時間を過ぎてからかかってくるお客様の電話を受けきれず、翌営業日の折り返し連絡が積み上がっていないでしょうか。電話対応の一次受付をAIに任せる仕組みは、お客様窓口や本社の代表電話で実際に動き始めており、任せられる用件の範囲も具体的に示されました。
この記事では、電話対応のどの業務をAIへ任せられるのかに加え、公表された自動化の効果や担当者へつなぐ方法、導入前に確かめたい点まで詳しく解説します。電話対応の負担を減らしたい企業の運用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社GROWTH VERSE、株式会社IVRy ほか2件
- 出典の最終掲載:2026.09.11
この記事がまとめた発表
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[1] 再春館製薬所が販売する「ドモホルンリンクル」のお客様対応窓口において、「時間外受付」にDHK CANVAS エージェントプランのAI音声オペレーターを本格導入画像:株式会社GROWTH VERSEの発表資料より(PR TIMES)
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[2] JR東日本お問い合わせセンター(お忘れ物)にて対話AIプラットフォーム「アイブリー」の実証実験を開始画像:株式会社IVRyの発表資料より(PR TIMES)
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[3] 宿泊施設に特化したAI電話エージェント「talkappi IVR」、ホテルでの実証実験を開始画像:株式会社アクティバリューズの発表資料より(PR TIMES)
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[4] 関東を中心に食品スーパーマーケット・チェーンを展開する株式会社ベルク、自動音声応答システム「DXでんわ」を導入。取次ぎ業務の80%を自動化。画像:メディアリンク株式会社の発表資料より(PR TIMES)
電話対応をAIに任せる業務の範囲
電話対応のどこをAIに任せるかは、窓口の事情によって切り分け方が違います。実際に動き始めている仕組みは、次の3つです。
- 再春館製薬所の時間外受付を担うAI
- ベルクの代表電話を振り分けるDXでんわ
- JR東日本のお忘れ物を聞き取るアイブリー
どの仕組みも、かかってきた電話をAIが最初に受ける点では共通します。区切り方が時間帯なのか用件なのかによって、人が引き取る電話の中身は異なります。
再春館製薬所の時間外受付を担うAI
再春館製薬所は、「ドモホルンリンクル」のお客様窓口で、営業時間外の受付にAI音声オペレーターを本格導入しました。夜間や早朝の入電が増え、時間外でも用を済ませたいという要望に応えるための体制です。[1]
電話放送局が提供する「DHK CANVAS エージェントプラン」を使った時間外受付の内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象業務 | お客様窓口の時間外受付 |
| 受付時間 | 毎日21時から翌9時 |
| 対応内容 | 無料お試しセット等の受付 |
| 運用開始 | 8月18日 |
営業時間内は「お客様プリーザー」による対話対応、時間外はAIによる受付という二本立てを取っています。
ベルクの代表電話を振り分けるDXでんわ
ベルクは、関東を中心に140店舗以上を展開する食品スーパーマーケットチェーンです。本社の代表電話にかかる問い合わせを総務課が受けており、取次ぎの負担が膨らんでいました。[4]
導入前に総務課が抱えていた状況は、以下の通りです。
- 受電は1日100件から200件
- 半数程度が他部署への取次ぎ
- 本来注力すべき業務に支障
担当部署につながる専用番号は、もともと用意されていました。それでも取次ぎの電話は減らず、ベルクは自動音声応答システム「DXでんわ」を導入して、代表電話の一次対応を用件別の自動転送へ切り替えています。
JR東日本のお忘れ物を聞き取るアイブリー
JR東日本は、お問い合わせセンター(お忘れ物)で、対話AIプラットフォーム「アイブリー」を使った実証実験を始めました。管内では年間200万件を超えるお忘れ物を扱っており、時間帯によって回線が混雑する点が課題でした。[2]
IVRyが公表した実証実験の受付条件は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施期間 | 2026年9月1日から9月30日 |
| 受付時間 | 9時から17時 |
| 電話番号 | 050-1721-3099 |
| 受付の上限 | 1日の上限に達し次第終了 |
AIがお忘れ物の日時や場所、品目といった特徴を聞き取り、収集した内容はデータ化されてオペレーターへ共有されます。捜索の対象は、JR東日本の敷地内で拾得されてシステムに登録された品物のみだと案内されています。
電話対応の自動化で公表された効果
AIに任せた後に公表された数字は、取り組みの段階によって意味が異なります。電話対応の自動化について示されている内容は、次の3つです。
- DXでんわが自動化した取次ぎの80%
- アイブリーの実証実験で確かめる項目
- talkappi IVRが掲げる完結率の目標
実績として測られた数値と、検証の途中にある項目や目標として掲げた数値は、読み方が違います。段階の違いを踏まえておくと、自社の窓口に当てはめたときの見通しを立てやすくなります。
DXでんわが自動化した取次ぎの80%
ベルクでは「DXでんわ」の導入後、以前は総務課が取り次いでいた電話の80%が自動化されました。メディアリンクによれば、用件別に担当部署へ自動転送する仕組みを構築した結果です。[4]
「DXでんわ」の導入によって代表電話に生じた変化は、以下の通りです。
- 一次対応はシステムが担当
- 用件別に担当部署へ自動転送
- 休業案内を管理画面で設定
総務課のスタッフからは取次ぎ業務が減ったことへの好意的な声が寄せられていると、メディアリンクは説明しています。
アイブリーの実証実験で確かめる項目
JR東日本とIVRyは、実証実験によって自動応答での受付と業務効率化を確認するとしています。混雑時でも待たせずに受け付けられる体制の構築を目指す段階であり、成果が確かめられた取り組みではありません。[2]
実証実験で検証するとしている項目は、以下の通りです。
| 検証する項目 | 内容 |
|---|---|
| 応答体制 | 混雑時でも待たせない受付 |
| 応答精度 | 利用環境下での向上 |
| 業務効率 | オペレーター工数の削減 |
IVRyは、対話シナリオのカスタマイズ機能によって、鉄道特有の駅名や路線名を含む項目の設定を実現したと説明しています。ただし、削減できる工数の幅は示されておらず、実現性を確かめる段階だと位置づけました。
talkappi IVRが掲げる完結率の目標
アクティバリューズは、宿泊施設向けのAI電話エージェント「talkappi IVR」の実証実験を2026年9月15日から始めるとしています。実際の運用環境で応答精度や自動化率、運用性を検証する段階です。[3]
同社が今後の目標として示している内容は、以下の通りです。
- 完結率を3〜4割から8割以上へ
- 2026年内に本番リリース
- 予約や決済まで電話で完結
完結率の引き上げは、予約エンジンやPMS、サイトコントローラーとの連携を前提として代表が語りました。現時点で達成された数値ではなく、実証実験の結果もこれから確かめる段階です。
電話対応をAIから担当者へつなぐ方法
AIが受けた電話を担当者へどう渡すかによって、現場に残る手間は変わります。公表されている渡し方は、次の2つです。
- AIが用件を仕分けて転送する形
- 聞き取った内容を記録して渡す形
転送は電話を鳴らす相手を決める仕組みであり、記録は話された内容を残す仕組みです。どちらを先に整えるかは、取次ぎの多さと聞き取りの細かさによって判断が分かれます。
AIが用件を仕分けて転送する形
ベルクが導入した「DXでんわ」は、代表電話の一次対応を受け持ち、用件別に担当部署へ自動転送します。音声案内のフローは分岐を自由に設定でき、従業員向けの内部通報用の分岐は現在設定中だとしています。[4]
宿泊施設向けの「talkappi IVR」が想定している電話の仕分け先は、以下の通りです。[3]
- 人の対応が必要な電話
- 対応できない場合は録音
- 営業電話は取次ぎ不要
AIが用件を聞き分けたうえで、スタッフへつなぐ電話を絞り込む設計です。
聞き取った内容を記録して渡す形
JR東日本の実証実験では、通話が終わった後に、オペレーターが確認した捜索結果をSMSでお客さまへ送る流れを取っています。送信にかかる通信料は、お客さまの負担と案内されました。[2]
宿泊施設向けの仕組みでは、通話の記録そのものを残す機能がそろえられています。アクティバリューズが開発を完了したとしている機能は、以下の通りです。[3]
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 通話録音 | 履歴を管理画面で確認 |
| 文字起こし | 通話内容をテキスト化 |
| AI要約 | 引き継ぎ漏れを防止 |
| ナレッジ更新 | 有人対応をFAQ候補に蓄積 |
| 多言語対応 | 日本語や英語など4言語 |
記録を残す機能は、AIが受けた電話の中身を後から人が追えるようにするための備えです。ベルクでも通話録音とAIによる文字起こしを使い、通話内容の記録や共有へ生かすことを検討しています。[4]
電話対応へのAI導入を判断する確認点
電話対応にAIを入れる前に、任せる範囲と効果の確かめ方を決めておくと、判断の基準がぶれません。窓口ごとの取り組みから読み取れる確認点は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 確認する点 | 見ておく内容 |
|---|---|
| 受付の時間帯 | 夜間や早朝に限るか |
| 任せる用件 | 受付か転送か聞き取りか |
| 人への渡し方 | 転送かデータ共有か |
| 数字の段階 | 実績か検証中か目標か |
| 対応言語 | 多言語が必要か |
たとえば再春館製薬所は、AIが受け付ける時間帯を21時から翌9時に定め、対応内容を無料お試しセット等の受付としています。ベルクは用件別に担当部署へ自動転送する仕組みを構築し、取り次いでいた電話の80%を自動化しました。
出典
- ^ PR TIMES. 「再春館製薬所が販売する「ドモホルンリンクル」のお客様対応窓口において、「時間外受付」にDHK CANVAS エージェントプランのAI音声オペレーターを本格導入」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000091540.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「JR東日本お問い合わせセンター(お忘れ物)にて対話AIプラットフォーム「アイブリー」の実証実験を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000056805.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「宿泊施設に特化したAI電話エージェント「talkappi IVR」、ホテルでの実証実験を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000020288.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「関東を中心に食品スーパーマーケット・チェーンを展開する株式会社ベルク、自動音声応答システム「DXでんわ」を導入。取次ぎ業務の80%を自動化。」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000209.000072025.html, (参照 26-09-23).








