倉庫の空間、工場の動作。ロボット活用を現場の条件から考える
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高さを抑えた倉庫の保管設備と、工場の組立・溶接、ロボット学習用データの収集。ZS RoboticsとAgile Robotsの発表を、対象となる現場ごとに紹介します。
本文と出典の目安 約5分
ロボットの活用を、現場が抱える条件から見る
倉庫の高さを有効に使うこと、部品を適切な力で組み付けること、ロボットへ教える動作をデータとして残すこと。ZS RoboticsとAgile Robotsの発表は、ロボットが扱う異なる現場の条件を伝えています。倉庫向け設備の発表と、欧州の展示会で紹介した製造・学習データの報告を、それぞれの対象に沿って見ていきます。[1][2]
共通するのは、ロボット単体の説明に加え、ラックやリフト、センサーや制御、記録の仕組みを組み合わせている点です。空間をどう使うか、動作をどう確かめるか、何を学習用に残すかで、設備を検討する際の論点は変わります。[1][2]
高さの限られた倉庫では、シャトルとリフトを組み合わせる
ZS Roboticsは、日本の高さ約5.5メートルの倉庫に向けた高密度保管ソリューションを発表しました。高さの制約によって従来のパレット保管が1〜2段にとどまるという課題を挙げ、設備とラックの構成を調整して3段の保管を行う設計です。耐震ラックも組み込むと説明しています。[1]
中核は、四方向シャトル「ZS-H125」とシングルポジションリフトです。シャトルは高さ125ミリメートルの低い形状を採用し、センサーが位置決め、アラート、障害物回避を支援するとしています。リフトは各階で使う保管間口を抑え、ピット工事を必要としない構造です。[1]
同社は、リフトの機械式のインターロックによって、停電やネットワーク障害の際にシャトルの落下を防ぐ設計も説明しています。倉庫の空間だけでなく、移動や昇降、安全のための機構を組み合わせた構成として紹介されています。[1]
設備の配置とあわせ、保守と展示の内容を見る
ZS Roboticsは、機器の主要部分を交換しやすいモジュール化・分離設計を採用し、日本国内にスペアパーツ倉庫とサービスチームを置くと説明しています。保管密度の設計に加え、導入後に設備を維持する体制まで発表に含めている点が特徴です。記載された性能や保守条件は、同社の説明に基づく情報です。[1]
発表時点では、2026年9月8日から11日までの「Logis-Tech Tokyo 2026」で、シングルポジションリフト、高さ5.5メートルの倉庫向け構成、ZS-H125を展示する予定でした。ソフトウェア「ZSmart」も展示し、ハードウェアとソフトウェアの連携を紹介するとしています。発表された設備の構成と、展示会で紹介する予定を分けて把握できます。[1]
組立と溶接では、力の把握と動作の調整が焦点
Agile Robotsは、2026年8月26日から27日にチューリッヒで開かれた「all about automation」で、製造業者やシステムインテグレーターに向けた自動化ソリューションを展示したと報告しています。組立システム「Diana 7」は、各関節のトルクセンサーでエンジンヘッドの挿入力を監視し、位置の確認や詰まり・部品損傷のリスク低減を支えると説明されています。[2]
溶接向けの「Thor 12」は、ドラッグ&ドロップによる動作の教示とローコード制御を扱います。ユーザーが溶接経路を作り、調整する方法を示した内容です。倉庫設備が保管する空間を対象にするのに対し、こちらは製造工程で加わる力と、ロボットの動かし方に焦点があります。[1][2]
人が教えた両手の動作を、学習用データとして残す
同じ発表では、子会社Franka Roboticsが、2026年8月15日から21日にドイツ・ブレーメンの「IJCAI-ECAI 2026」で行った実演も紹介されています。来場者は「Franka GELLO Duo」を使って「FR3 Duo」を遠隔操作し、そのデモンストレーションを「LABS」で記録したとされています。[2]
狙いは、人の操作を両手動作の学習に使う構造化データへつなぐことです。遠隔操作、ロボットのハードウェア、データ収集を一つの流れとして扱い、AI開発者がデモンストレーションを収集する内容を示しています。組立や溶接の展示が現場の動作を扱うのに対し、こちらはロボットに学ばせる材料を集める段階です。[2]
空間、動作、学習材料では、確認する対象が違う
倉庫の発表は、建物の高さと設備構成をどう合わせるかを扱います。組立・溶接の展示は、力の監視や動作経路の調整を扱い、学習データの実演は、人が教えた操作をどう記録するかを扱います。異なる発表を同じ性能指標で比べるより、現場で何を実現するための組み合わせなのかを見分ける材料になります。[1][2]
出典
- Agile Robots、フィジカルAIを現実世界へ - 産業オートメーションからロボット学習データまでtrends. by CodeCamp / 発表主体:Agile Robots / 掲載 発表資料 / 発表内の日程:2026-08-15、2026-08-21、2026-08-26、2026-08-27
- ZS Robotics、高さ5.5mの倉庫向け高密度保管ソリューションを発表、四方向シャトル技術で高さ制限の課題に対応trends. by CodeCamp / 発表主体:ZS Robotics / 掲載 製品発表 / 発表内の日程:2026-09-08、2026-09-11