採用担当者が新卒採用にAI面接を組み込む、応募者は事前の説明を安心材料に挙げる
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新卒採用の選考にAI面接を組み込むとき、受検してもらう対象と受検の順番の設計で迷っていないでしょうか。AI面接を選考のどこに置くかが決まらないままでは、応募者へ伝える説明の内容も固まらず、AIとの対話に不慣れな応募者が不安を抱えたまま本番を迎えます。
この記事では、AI面接を新卒採用の選考へ組み込む運用に加え、応募者の緊張を抑える機能や受検の前に示す説明の内容、応募者の反応を調べた研究の結果まで詳しく解説します。新卒採用でAI面接の導入を検討している採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表5件
- 発表主体:株式会社TalentHub、株式会社PeopleX ほか3件
- 出典の最終掲載:2026.09.11
この記事がまとめた発表
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[1] UUUMとUUUMマーケティングが2028年卒新卒採用でAI面接「COREMIRU Scan」を本格導入画像:株式会社TalentHubの発表資料より(PR TIMES)
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[2] 「PeopleX AI面接」、安心して面接に臨める「面接練習」機能の提供を開始画像:株式会社PeopleXの発表資料より(PR TIMES)
- [3] Preferred NetworksのAI面接サービス「タレスカAI面接」、シミックグループ新卒採用選考に採用
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[4] パソナのAI面接サービス「Career Gate」にAVITAのAPIが採用画像:AVITA株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[5] 【研究発表】AI面接で応募者が重視する説明・運用を調査画像:株式会社リーディングマークの発表資料より(PR TIMES)
AI面接を新卒採用の選考初期に置く運用
新卒採用でAI面接を導入した企業は、受検する対象と選考での置き場所を先に決めています。学生が選考の入り口でAIとの対話に臨む運用は、以下の通りです。
- 選考初期に受けるCOREMIRU Scan
- エントリーシートに代わるトークエントリー選考
どちらの運用も、選考の初期にAIとの対話を置いています。ただし、従来の選考に加える位置づけか、書類の提出そのものをやめる位置づけかは分かれます。
選考初期に受けるCOREMIRU Scan
株式会社TalentHubは、UUUMとUUUMマーケティングが2028年卒の新卒採用でAI面接サービス「COREMIRU Scan」を本格導入すると発表しました。エントリーした学生は、原則として選考初期にCOREMIRU Scanを受検する流れへ移ります。[1]
UUUMグループがWebテストやグループディスカッション(GD)に感じていた課題は、以下の通りです。
- Webテストでは思考プロセスを把握しにくい
- Webテストの結果と活躍の関係が不明
- GDでは発言が多い学生が評価されやすい
課題に共通するのは、学生を見る材料が書面と集団の場に偏っていた点です。COREMIRU Scanは音声対話形式のAI面接で、表情や視線などのノンバーバル情報を評価対象とせず、回答内容や思考プロセスをもとに評価します。
2027年卒の採用では、導入の前に有効性を確かめる概念実証(PoC)として、選考フローの一部でCOREMIRU Scanを使いました。TalentHubは、GDの評価だけでは十分に捉えきれなかった学生の中に、マッチ度が高く示されたケースがあったと説明しています。
エントリーシートに代わるトークエントリー選考
株式会社Preferred Networksは、AI面接サービス「タレスカAI面接」がシミックグループ4社の2028年4月入社の新卒採用選考に採用されたと発表しました。対象の4社はエントリーシートの提出を廃止し、AIアバターとの対話形式による「トークエントリー選考」を導入します。[3]
エントリーシートとトークエントリー選考の違いは、以下の通りです。
| 項目 | エントリーシート | トークエントリー選考 |
|---|---|---|
| 伝え方 | 文章で提出 | AIアバターと対話 |
| 分量の制約 | 限られた文字数 | 自分の言葉で自由に |
| 重視する点 | うまく書けるか | 自分らしく伝えられるか |
シミックグループは、限られた文字数では経験の背景や挑戦の過程を伝えきれないことがあったと説明しています。学生が自分の言葉で語る形へ変えることによって、多様な個性や可能性との出会いを広げることを目指すとしています。
タレスカAI面接は、AIアバターとの面接を通じて求職者の適性評価を支援するサービスです。潜在能力やコミュニケーション能力、問題解決能力、ビジネス理解力などを多角的に評価するとしています。
AI面接の候補者体験を支える機能
AI面接を受ける学生は、AIとの対話に慣れないまま本番を迎える場合があります。候補者体験を支える機能は、以下の通りです。
- 本番前に試せる面接練習機能
- アバター面接官を表示するCareer Gate
- 候補者の声をまとめるVoice Brain
受検の前に不安をやわらげる機能と、受検の後に応募者の声を集める機能では、働く場面が異なります。自社の選考でどこに手を入れるかによって、選ぶ機能も変わります。
本番前に試せる面接練習機能
株式会社PeopleXは、対話型AI面接サービス「PeopleX AI面接」に「面接練習」機能を追加しました。受験者は面接のURLにアクセスした後、本番へ進む前にAI面接官との対話を試せます。[2]
面接練習で受験者が体験する流れは、以下の通りです。
- 画面の見方のチュートリアル
- スピーカーとマイクのテスト
- 2つの質問への受け答え
チュートリアルから練習までの内容は録画も記録もされず、選考の評価にも影響しません。PeopleXは、いきなり本番を迎えて緊張や戸惑いから離脱する候補者を減らすねらいもあると説明しています。
面接練習は、PeopleX AI面接を使うすべての企業と求人の面接で実施される仕様です。本サービスは日本語のほか英語やベトナム語に対応しており、練習は本番の面接で設定された言語と同じ言語で行われます。
アバター面接官を表示するCareer Gate
AVITA株式会社は、パソナが提供するAI面接サービス「Career Gate」にAIアバターの開発を支援する「AVITA AVATAR API」が採用されたと発表しました。Career Gateは、応募者数が多く面接日程の調整や初期選考に負荷がかかりやすい企業の一次面接を、AIアバター面接官が支援するサービスです。[4]
Career Gateが対応する機能は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支援する範囲 | 企業の一次面接 |
| 対話の機能 | 回答に応じた深掘り質問 |
| 結果の出力 | 回答内容の要約とスコアリング |
| APIの機能 | 音声認識や音声合成、表情制御 |
AIアバター面接官の表示にはAVITA AVATAR APIが使われ、候補者とのコミュニケーション体験の向上を支援するとしています。AVITAは、親しみやすいアニメ調のキャラクターから人間そっくりのデジタルヒューマンまで、複数の3Dアバターを利用できると説明しています。
AVITAは、AVITA AVATAR APIについて、対話内容のテキストログを海外では保存せず、国内での保存を求める企業のデータ管理ニーズにも対応すると説明しました。応募者に見せる面接官の姿と記録の保存場所は、どちらも選考の設計で確かめる対象です。
候補者の声をまとめるVoice Brain
PeopleXは、自社のAI面接を受験した候補者の声をまとめて分析する「Voice Brain」の提供も開始しました。AI面接での回答内容などをもとに、AIが自動で集約し、月次レポートとして表示します。[2]
月次レポートで確認できる内容は、以下の通りです。
- 自社に魅力を感じている点
- 自社に不安を感じている点
- 自社のどの点を重視しているか
レポートの一部は、Enterpriseプランのみでの提供です。PeopleXは、候補者の本音やニーズに即した施策を企業がとれるようになると説明しています。
AI面接で応募者が安心できる運用
AI面接の受け止め方は、応募者が選考でのAIの役割をどう理解しているかにも関わります。応募者の反応を調べた研究から読み取れる内容は、以下の通りです。
- 対人面接より低かった面接不安
- 安心材料の上位は人の面接への接続
- 想定場面の調査という留意点
結果からは、面接の形式だけではなく、選考でのAIの位置づけや評価方法の示し方に応募者の目が向いている様子がうかがえます。自社の運用でどこまで示せるかを確かめる材料です。
対人面接より低かった面接不安
株式会社リーディングマークの組織心理研究所は、対人面接と対話型AI面接への応募者反応を調べた研究成果を、日本社会心理学会第67回大会で発表するとしています。調査の対象は大学生と大学院生392名で、Web上で人事担当者と会話する対人面接と、AIアバターと会話する対話型AI面接の場面を想定してもらいました。[5]
対話型AI面接は、対人面接に比べて面接不安が低く評価されました。組織心理研究所は、人の面接官から直接評価される緊張を抑えやすい特徴があると考えられるとしています。
調査で示された対話型AI面接の受け止め方は、以下の通りです。
- 面接不安は対人面接より低い
- 納得感や公平感には差がある
- 表情解析を行わない設定で提示
評価への納得感や進め方の公平感、組織魅力などには対人面接との差がみられました。同じデータを用いた第1報では、AI面接の選好に、面接不安の低さや進め方の公平感、企業への魅力が関連したとしています。
安心材料の上位は人の面接への接続
組織心理研究所は、就活サービスを利用する248名に、あったら安心できる機能や運用を追加で尋ねました。上位には、人による選考との接続と、評価方法の事前明示が並びました。[5]
安心できる機能や運用として高く評価された項目は、以下の通りです。
| 機能や運用 | 平均点 |
|---|---|
| 合否は決めず人の面接へ接続 | 4.40 |
| 評価方法と評価項目の事前明示 | 4.35 |
| 評価結果の使われ方の明示 | 4.22 |
| 面接内容の簡単なフィードバック | 4.21 |
最も高く評価されたのは、AI面接では合否が決まらず、人の面接につながる前段として使われる運用でした。組織心理研究所は、応募者がAI面接そのものだけではなく、選考でのAIの役割や評価方法の情報を重視しているとしています。
AI面接で気になる点を尋ねた項目では、評価される内容と、評価基準や評価根拠に関する項目の得点が高くなりました。発言の言い直しややり直し、企業がAI面接を用いる意図も、応募者が気にする点として挙げられました。
想定場面の調査という留意点
組織心理研究所は、本研究が実際の採用面接を体験した結果ではなく、面接場面を想定したシナリオへの反応を検討したものだとしています。調査の結果を自社の選考へ当てはめるときは、読み取れる範囲を区切って扱う必要があります。[5]
調査結果を読むときの留意点は、以下の通りです。
- 想定場面への反応を測定
- 表情解析なしの形式に限定
- 項目間の関連は相関にもとづく
調査が尋ねたのは、応募者がどの機能や運用を安心できると評価するかです。組織心理研究所は、実際に採用した場合の効果を直接検証したものではなく、今後は説明や運用を変えた実験や受検者データによる検証が必要だとしています。
AI面接を新卒採用に組み込む前の点検
AI面接を新卒採用へ組み込むときに決めるのは、受検する対象や選考での位置づけです。応募者へどこまで説明するかも、受検の案内を書く前に決めておくと選考の流れを示しやすくなります。
自社の選考に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[1][2][3][4][5]
| 確認する項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| 受検の対象 | 全員か一部か |
| 選考での位置づけ | 書類の代替か初期選考か |
| 合否の決め方 | 人の面接につなぐ前段か |
| 評価に使う情報 | 発話内容か表情を含むか |
| 事前の説明 | 評価方法と評価項目の明示 |
| 受検前の準備 | 練習機能や案内ページ |
| 記録の保存 | テキストログの保存場所 |
確認点のうち応募者へ伝える部分は、選考の案内や受検前のページで先に示せます。自社の選考でどこまで示せるかを整理してから、受検の対象を広げる順番で進められます。
出典
- ^ PR TIMES. 「UUUMとUUUMマーケティングが2028年卒新卒採用でAI面接「COREMIRU Scan」を本格導入」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000189358.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「「PeopleX AI面接」、安心して面接に臨める「面接練習」機能の提供を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000292.000139786.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「Preferred NetworksのAI面接サービス「タレスカAI面接」、シミックグループ新卒採用選考に採用」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000156310.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「パソナのAI面接サービス「Career Gate」にAVITAのAPIが採用」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000085375.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「【研究発表】AI面接で応募者が重視する説明・運用を調査」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000362.000008701.html, (参照 26-09-23).








