問い合わせ対応のAIチャットを保険や証券の企業が導入、サポート担当者は自己解決の定着をめざす
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問い合わせ対応にAIチャットを導入するとき、顧客向けの窓口と社内のヘルプデスクのどちらから着手するかで迷っていないでしょうか。窓口の待ち時間を短くする目的と、社員が自分で答えにたどり着けるようにする目的では、AIチャットに持たせる機能も、導入後に見るべき数字も変わります。
この記事では、顧客向けと社内向けで異なるAIチャットの使い方に加え、有人対応への引き継ぎ方と、満足度や利用状況による効果の測り方まで詳しく解説します。問い合わせ対応の体制を見直したいサポート担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:SBI損害保険株式会社、株式会社SBI証券 ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.11
この記事がまとめた発表
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[1] トランスコスモス、インドネシアで生成AIチャットボット「trans-AI Chat」を提供開始画像:発表資料より(PR TIMES)
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[2] PKSHA、SBI損保へ「PKSHA AI FAQ Assistant」を提供し社内ヘルプデスクの高度化および従業員体験の向上を実現画像:SBI損害保険株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[3] 【SBI証券】生成AIを活用したチャットサービス提供開始のお知らせ画像:株式会社SBI証券の発表資料より(PR TIMES)
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[4] AIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」、Google アナリティクス 4 連携を提供開始画像:noco株式会社の発表資料より(PR TIMES)
顧客からの問い合わせに答えるAIチャット
顧客向けのAIチャットは、電話や有人チャットの受付時間を待たずに、疑問をその場で解消してもらうための窓口です。顧客向けのAIチャットで見ておきたい点は、以下の通りです。
- SBI証券の生成AIチャットの回答
- trans-AI Chatの有人引き継ぎ
生成AIを使ったチャットは、あらかじめ決めたシナリオに沿う従来のチャットボットとは違い、質問の意図や文脈をくみ取って答えると各社が説明しています。
SBI証券の生成AIチャットの回答
SBI証券は、従来のチャットボットサービスを強化し、生成AIを活用したチャットサービスの提供を開始しました。顧客が入力した質問の意図や文脈をとらえ、内容に応じた回答を分かりやすく提示するとしています。[3]
同社が挙げるサービスの特徴は、以下の通りです。
- 質問の意図と文脈をくみ取る回答
- 前のやり取りを踏まえた追加質問
- 時間や場所を問わない24時間利用
2026年6月からは、NISAや投資信託などの一部カテゴリを対象に試験提供を実施してきたと説明しています。受付時間を待たずに、疑問が生じたその場で解決できる状態を、提供の狙いとして挙げました。
trans-AI Chatの有人引き継ぎ
トランスコスモスは、インドネシアで生成AIチャットボット「trans-AI Chat」の提供を開始しました。大規模言語モデルの機能を活用し、会話の文脈を理解して顧客の意図を認識する仕組みです。[1]
trans-AI Chatに備わる主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| フォローアップ自動化 | 過去のやり取りから追加連絡を送信 |
| AI評価機能 | 応答の正確性と一貫性を監視 |
| 未知のキーワード検出 | 回答できない質問を自動で特定 |
| エスカレーション機能 | 有人対応へ会話をそのまま引き継ぎ |
エスカレーションでは、会話の全履歴や文脈情報が自動的にオペレーターへ引き継がれます。そのため、顧客が同じ内容を繰り返し説明する必要がなくなると説明しました。
社内の問い合わせを減らすAI FAQの導入
社内のヘルプデスクでは、条件によって回答が枝分かれする質問を一問一答型のFAQでは扱いにくく、特定の社員に問い合わせが集中する場合があります。社内向けの導入で押さえておきたい点は、以下の通りです。
- SBI損保の問い合わせが集中した属人化
- 3製品連携で社員が絞り込む仕組み
- 導入後に減った担当者の対応工数
社内向けの取り組みでは、質問を受ける側の体制よりも、社員が自分で答えにたどり着けるかどうかに焦点が置かれています。
SBI損保の問い合わせが集中した属人化
SBI損保は、以前から「PKSHA FAQ」を導入し、ナレッジの集約と共有を進めてきました。ただし、休暇制度のように条件によって回答が枝分かれする質問では、一問一答型のFAQでの対応が難しい状態でした。[2]
導入前に課題として挙げられていた点は、以下の通りです。
- 特定の社員への問い合わせ集中
- 条件で枝分かれする質問への回答
- キーワードが分からない社員
社員からは、選択肢を絞り込みながら答えにたどり着けるようにしてほしいという声が、継続的に寄せられていました。社内のAI活用の焦点が導入から定着へ移るなかで、既存のFAQを土台に機能を広げる判断に至ったとしています。
3製品連携で社員が絞り込む仕組み
SBI損保は、すでに使っていた「PKSHA FAQ」に2つの製品を加え、「PKSHA AI FAQ Assistant」としての活用を始めました。3つのAI SaaSを連携させ、問い合わせ対応の運用サイクルを支えるパッケージです。[2]
連携する3製品の役割は、以下の通りです。
| 製品 | 役割 |
|---|---|
| PKSHA FAQ | キーワードで探す見に行く先 |
| PKSHA ChatAgent | 分岐シナリオで段階的に絞り込み |
| PKSHA Knowledge Stream | 文書を取り込みFAQを自動生成 |
社員は、キーワードで探したいときはFAQを、具体的な解決策を知りたいときはチャットを使い分けられます。いずれの製品も同一基盤で一元管理でき、ナレッジを作る・貯める・引き出す循環が生まれるとしています。
導入後に減った担当者の対応工数
PKSHAは今回の取り組みについて、社員が誰かに聞く前に自ら課題を解決できる環境を整えると説明しています。定型的な対応と知識の蓄積・更新はAIが担い、人は判断が必要な業務に集中できる体制の構築を支援する内容です。[2]
PKSHAが導入後の変化として挙げている内容は、以下の通りです。
| 観点 | 導入後の状況 |
|---|---|
| 担当者の工数 | 直接の問い合わせ対応が減少 |
| 社員アンケート | 分かりにくいとの回答が減少傾向 |
| 複雑な質問 | 枝分かれする質問も自力で解決 |
SBI損保は、困ったら担当者に聞くのではなく、まずFAQを確認する文化を全社に根付かせるため、ヘッダーの季節更新などの工夫を続けています。社内のナレッジ活用で得た知見は、社内外へ広げていく方針です。
問い合わせ対応のAIチャットの効果を測る指標
AIチャットを導入した後は、回答の質や利用の広がりを、どの数字で確かめるかという問題が残ります。効果を測る手がかりは、以下の通りです。
- ヘルプドッグのGA4連携で測る範囲
- SBI証券が集計した満足度の変化
サイト全体の利用状況を追う方法と、回答そのものへの評価を集める方法では、見えてくる課題が違います。
ヘルプドッグのGA4連携で測る範囲
noco株式会社は、AIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」で、Googleアナリティクス4(以下、GA4)との連携機能を2026年9月4日に提供開始しました。FAQサイトとフォームの公開ページに、計測タグを自動で組み込む機能です。[4]
GA4連携で計測できる対象は、以下の通りです。
| 対象 | 計測できる内容 |
|---|---|
| FAQサイト | 記事やカテゴリの閲覧状況 |
| お知らせとPDF | 表示ページの閲覧状況 |
| フォーム | 入力ページと送信完了ページ |
管理画面の基本設定で測定IDを入力して保存すると、公開ページへ計測タグが自動的に組み込まれます。HTMLの編集は発生せず、無料プランを含む各プランで利用できると説明しました。
FAQサイトでの自己解決とフォームからの問い合わせを同じ分析基盤で追えるため、利用者がつまずいた箇所と問い合わせに至った経路を切れ目なく検証できるとしています。
SBI証券が集計した満足度の変化
SBI証券は、試験導入期間中に、生成AIによる回答への満足度が従来のチャットボットと比べて約3倍に向上したと発表しました。回答を提示できなかった割合も大きく低下したとしています。[3]
同社が示した集計の条件は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価の取り方 | 回答画面の2択ボタンの件数 |
| 従来のチャットボット | 2026年4月18日から6月18日 |
| 生成AIのチャット | 2026年6月19日から8月12日 |
同社は、回答内容の正確性や安全性を確保する仕組みを整えたうえで、利用状況や寄せられた意見を踏まえた改善を続けるとしています。生成AIを活用したサービスは、今後も拡充する予定です。
自社の問い合わせ対応にAIチャットを入れる確認点
顧客向けと社内向けでは、AIチャットに求められる機能も、導入後に見る数字も違います。自社の問い合わせ対応に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 確認点 | 判断の手がかり |
|---|---|
| 利用者 | 顧客向けか社内の社員向けか |
| 回答の作り方 | 文脈の理解か分岐シナリオか |
| 有人への引き継ぎ | 会話履歴と文脈を渡せるか |
| 知識の更新 | 未回答の質問を拾える仕組み |
| 効果の測り方 | 満足度か利用状況の計測か |
顧客向けでは、自然な対話の質と満足度の評価を手がかりに判断できます。社内向けでは、条件の絞り込みと担当者の工数の変化を見ると、自己解決の定着の度合いを確かめられます。
出典
- ^ PR TIMES. 「トランスコスモス、インドネシアで生成AIチャットボット「trans-AI Chat」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002135.000000183.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「PKSHA、SBI損保へ「PKSHA AI FAQ Assistant」を提供し社内ヘルプデスクの高度化および従業員体験の向上を実現」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000022705.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「【SBI証券】生成AIを活用したチャットサービス提供開始のお知らせ」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000941.000007957.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「AIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」、Google アナリティクス 4 連携を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000038439.html, (参照 26-09-23).









