建設業の見積AIが図面の数量拾いを自動化、建設会社の見積業務の効率化をめざす
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建設業の見積では、図面から数量を拾う作業が、いまもベテラン担当者の経験に頼ったままになっていないでしょうか。見積AI(見積や積算の作業を自動で進める人工知能)を使えば、担当者が手を動かす範囲を狭められ、見積書を出すまでの時間も短くできます。
この記事では、建設業の見積AIが自動化する作業を、図面からの数量拾いや見積書の転記、取引先とのやり取り、原価管理との連携まで詳しく解説します。建設業で見積や積算を担う建設会社の実務者と経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社renue、株式会社WIREBASE ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.08
この記事がまとめた発表
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[1] 最大12時間の数量拾いが約10分に。建設会社と共同開発・専門誌掲載のAIアプリ、外販に向けた先行導入の受付を開始画像:株式会社renueの発表資料より(PR TIMES)
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[2] 「JUCORE(ジュコア)見積」にメーカー・建材流通店・工務店・ビルダーをつなぐ「取引先連携機能」を追加 ~建築業界の見積業務の標準化・効率化を推進~画像:発表資料より(PR TIMES)
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[3] 建設業の見積・予算業務を自動化するAI「ミャク楽」に新機能!作業時間を最大97%削減「エージェント機能」を9月7日にリリース画像:株式会社WIREBASEの発表資料より(PR TIMES)
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[4] 建設業向けクラウド現場管理システム「サクミル」、見積作成・原価管理機能をアップデート!画像:株式会社プレックスの発表資料より(PR TIMES)
図面PDFから数量を拾う見積AI
建設業の見積で最初の関門になるのは、設計図面から構造物の名称や寸法、数量を目視で読み取る数量拾いです。renueと静岡県島田市の建設会社である丸紅が共同開発したAIアプリについて、取り上げる内容は以下の通りです。
- 数量拾いAIが図面から読み取る項目
- 数量拾いAIの導入で変わる作業時間
AIが読み取れる項目と、実際に短くなった作業時間の両方を把握しておくと役立ちます。自社の図面でも同じように使えるかどうかを見極める手がかりになるでしょう。
数量拾いAIが図面から読み取る項目
renueと丸紅が共同開発した「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」は、設計図面のPDFをアップロードすると、構造物の名称や寸法、数量をAIが自動で抽出する仕組みです。[1]
renueが説明するアプリの主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 数量の自動抽出 | PDF図面から構造物や寸法を読み取る |
| 一覧表の出力 | 抽出結果をExcel形式で書き出す |
| ハイライト表示 | 抽出箇所を図面上に自動で色づけ |
| 一括処理 | 複数の図面をまとめて読み込む |
renueは、AIの出力を最終成果とせず、技術者の目視確認を品質管理の要に位置付けたと説明しています。つまり、数量の拾い出しを自動化しても、内容を確かめる担当者は残る前提の設計です。
数量拾いAIの導入で変わる作業時間
丸紅では、数量拾いを5〜6人のベテラン担当者が受け持ち、1案件あたり2〜15時間を要していました。renueは、図面読解に求められる暗黙知がマニュアル化を阻み、若手が参画する余地はほぼなかったとしています。[1]
renueが示した導入前後の工数は、以下の通りです。
| 工程 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 数量拾い | 最大12時間 | 約10分 |
| 合計工数 | 最大15時間 | 約4時間 |
丸紅の紅林眞実社長は、経験の浅い社員でも図面から数量を拾えるようになり、見積書の提出スピードが向上したと述べています。迅速で正確な見積もりの提出は、受注力の強化に直結するとも説明しています。
見積書の作成を代行するAIエージェント
建設業の見積では、業者から届いた見積書を自社の書式へ打ち直す転記作業が積み重なりがちです。WIREBASEが2026年9月7日に提供を始めた「ミャク楽エージェント」の中身を、以下の2点で整理します。
- ミャク楽エージェントが自動化する作業
- ミャク楽ドライブが蓄積する見積データ
AIが代行する作業の範囲と土台となるデータの貯め方は、分けて見ておくと役割がはっきりします。両方を把握しておけば、自社の運用に載せられるかどうかを判断しやすくなります。
ミャク楽エージェントが自動化する作業
ミャク楽は、WIREBASEが開発・運営する建設業向けの見積・予算業務の自動化AIです。WIREBASEは、累計1万件・400社以上が導入したとしています。[3]
WIREBASEが公表した自動化アプリと時間の変化は、以下の通りです。
| アプリ | 自動で行う内容 | 時間の変化 |
|---|---|---|
| 見積・予算転記 | 業者見積を自社書式へ転記 | 5時間から10分へ |
| 超概算 | 図面に自社単価を当てて出力 | 4時間から15分へ |
| 業者比較書 | 複数社の項目を同じ書式へ | 3時間から10分へ |
| 部材単価分析 | 過去の実績単価をグラフ化 | 公表なし |
WIREBASEは、転記で約97%、超概算と業者比較書で約94%の作業時間を削減できるとしています。いずれも同社が示す削減率のため、自社の様式でどこまで当てはまるかは、導入前の検証で確かめる余地が残ります。
ミャク楽ドライブが蓄積する見積データ
ミャク楽は、データ基盤の「ミャク楽ドライブ」とAIが実務を行う「ミャク楽エージェント」を組み合わせた仕組みです。ドライブはPDFやExcelの見積書類をOCR(光学文字認識)で読み取り、部材名や数量、単価を構造化データとして蓄積します。[3]
WIREBASEが挙げる従来の課題は、以下の通りです。
- 転記の打ち直しに平均5時間
- 概算の作成がベテラン頼み
- 比較表づくりに半日
エージェントは、蓄積した自社データや単価を参照し、表記ゆれを名寄せしながら成果物を作るとしています。つまり、自社の見積データが整理されているほど、自動作成の土台が厚くなる構成です。
メーカーと工務店をつなぐクラウド見積
住友林業は2026年9月7日、建築業界向けのクラウド見積ソフトウェア「JUCORE 見積」に「取引先連携機能」を追加すると発表しました。メーカーや建材流通店、工務店・ビルダーが、見積依頼から回答までを同一プラットフォーム上で管理できる機能です。[2]
住友林業が挙げる取引先連携機能の特長は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 見積データ連携 | 入力内容が依頼側と受領側に反映 |
| 進捗の確認 | 受付状況や回答状況を画面で表示 |
| 期限超過の表示 | 回答期限を過ぎた案件に印を付与 |
| 資料の共有 | 図面や写真を見積書とまとめて保管 |
従来は見積書をPDFや紙で受け渡し、受け取った側が自社のシステムへ入力し直す手間が生じていたと住友林業は説明しています。社内の作業を自動化しても、取引先との受け渡しが紙やメールのままなら、入力の手間は残ったままです。
JUCORE 見積は2023年9月に建材流通業者向けに始まったサービスです。住友林業は、見積データの管理や見積作成の手間について事業者から課題が寄せられ、今回の機能追加に至ったとしています。
見積から原価対比表まで作るサクミル
プレックスは、建設業向けクラウド一元管理システム「サクミル」で、見積作成と原価管理の機能を更新したと発表しました。見積の入力データをもとに、現場管理で使う見積原価対比表をワンクリックでPDF出力できるようにしています。[4]
今回の更新で加わった主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 原価対比表の出力 | 見積データからPDFを作成 |
| 労務費などの算出 | 見積・原価歩掛から自動計算 |
| スマホ対応 | 外出先から見積を確認 |
| 一時保存 | 必須項目が未入力でも保存 |
プレックスは、利用企業から寄せられた要望をもとに機能を追加したとしています。値引行の挿入にも対応し、発表時点では20名で使う場合に月額9,800円(税別)からという案内です。
サクミルを導入したテクノ電業は、契約から請求や原価明細までを一元化し、事務作業の時間を約30%削減したとしています。発表では、日々の数字がシステム上で固定されることで税理士との手戻りがなくなり、決算業務の労力が従来の約5分の1に減ったとしています。
自社に合う見積AIを選ぶ確認点
建設業の見積を自動化する道具を選ぶときに、自社の状況と照らして確かめておきたい観点は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 確認点 | 見るところ |
|---|---|
| 自動化する工程 | 数量拾いか書類作成かを分ける |
| 読み込む資料 | 図面PDFか業者見積かを確認 |
| 取引先との連携 | 社外とのやり取りを含むか |
| データの蓄積 | 過去の単価を貯める仕組みの有無 |
| 原価管理との接続 | 見積から原価へ引き継げるか |
| 確認する担当者 | 目視確認を誰が担うかを決める |
同じ見積の自動化でも、図面を読む工程を短くする道具と、届いた見積書をそろえる道具では、時間が浮く部署が違います。自社で時間を奪われている工程を先に書き出しておくと、候補を絞り込みやすくなるでしょう。
AIが出した数量や金額を誰が確認するかを決めておくと、導入後の運用が止まりにくくなります。取引先とのやり取りまで含めて見直すのか、社内の作業に絞るのかも、先に決めておきたい分かれ目です。
出典
- ^ PR TIMES. 「最大12時間の数量拾いが約10分に。建設会社と共同開発・専門誌掲載のAIアプリ、外販に向けた先行導入の受付を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000091210.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「「JUCORE(ジュコア)見積」にメーカー・建材流通店・工務店・ビルダーをつなぐ「取引先連携機能」を追加 ~建築業界の見積業務の標準化・効率化を推進~」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000302.000052275.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「建設業の見積・予算業務を自動化するAI「ミャク楽」に新機能!作業時間を最大97%削減「エージェント機能」を9月7日にリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000179147.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「建設業向けクラウド現場管理システム「サクミル」、見積作成・原価管理機能をアップデート!」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000048655.html, (参照 26-09-23).






