株式会社ゼネックコミュニケーションは2026年6月、AI-OCR(光学文字認識)とRAG(検索拡張生成)技術を組み合わせた文書データ化・社内ナレッジ活用サービス「AIRO(アイロ)」の提供を開始しました。
AIROの文書データ化と社内ナレッジ活用の仕組み
AIROが解決しようとする文書の課題は次の4点です。
- 紙・PDFのまま蓄積され、検索・活用が困難な状態
- 手入力によるデータ化で工数とミスが発生
- システム化されず、業務が属人化
- 情報が分散し、すぐアクセスできない環境
AIROは、紙文書やPDFをAI-OCRで高精度にテキスト化し、RAG技術によって「社内の資料に質問するとAIが答える」環境を構築します。これにより、情報を探すために膨大な時間をかけたり、特定の担当者しか内容を把握できなかったりといった課題に対し、蓄積された文書を「企業の資産」として活用できる仕組みが提供されました。
株式会社ゼネックコミュニケーションは、経済産業省が認定する「DX認定制度」の認定事業者として企業のデジタル変革を支援してきました。AIROは、AI導入のハードルが高いと感じている企業向けに開発されたサービスです。はじめてAIを導入する企業から官公庁・学校法人まで、幅広い組織での活用を想定しています。
AI活用の規模間格差とAIROが応える背景
総務省「令和7年版 情報通信白書」(2025年7月公表)によると、生成AIを「積極的に活用する」または「領域を限定して利用する」と回答した企業の割合は、大企業で55.7%に達する一方、中小企業では34.3%にとどまっています。企業規模による格差が明確に示された結果です。
中小企業では「方針を明確に定めていない」が47.6%と約半数を占めており、AI活用の方向性が定まっていない企業が多い実態が浮き彫りになりました。また、生成AI導入に際しての懸念事項として、「効果的な活用方法がわからない」が30.1%で最多となっています。技術面よりも「どう使えばいいかわからない」という状況が、普及の最大の壁となっています。
AIROの主な提供内容
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社ゼネックコミュニケーション |
| 所在地 | 京都市中京区 |
| 代表 | 美馬芳彦氏 |
| サービス名 | AIRO(アイロ) |
| カテゴリ | 文書データ化・社内ナレッジ活用サービス |
| 提供開始 | 2026年6月 |
| 主な技術 | AI-OCR(光学文字認識)、RAG(検索拡張生成) |
| 対象 | 業種・規模・文書形式を問わず導入可能 |
| 無料トライアル | 3週間(期間終了後の自動契約・自動課金なし) |
| 事業部 | Cloud Innovation 事業部 |
trends編集部の一言
大企業55.7%に対して中小企業34.3%という格差は、AI活用の現場において規模による分断が進んでいることを示しています。マーケティング業界の文脈に置き換えると、同じツールが存在しても「ツールを知っている社員」と「業務フローに組み込んで使いこなしている社員」との間には大きな開きがあり、この数字はその構造を業界横断で裏付けるものと捉えられます。
「効果的な活用方法がわからない」が懸念事項の最多というデータも、業界を問わず共通の課題です。AI-OCRとRAGを組み合わせて「社内資料に質問するとAIが答える」という体験に落とし込んだ設計は、「まず何から始めればよいか」という入口の壁を下げる一つのアプローチです。業界全体としても、導入初期のハードルを下げる仕組みへの注目が高まっています。
3週間の無料トライアルで自動課金なしという提供形態は、業界全体でも導入障壁を下げる施策として広がりを見せています。文書管理の属人化や情報分散への対応として、こうした試行しやすい形態の普及はBtoB向けSaaSの導入プロセス全体に影響を与える動向と言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「【眠っていた文書が、社内の知識になる】AI-OCR+RAG搭載「AIRO(アイロ)」提供開始 | 株式会社ゼネックコミュニケーションのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000100208.html, (参照 26-06-05).
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