クラフテクス株式会社は、2026年7月15日よりAI-OCRサービス「データシンカー® AI-OCR to kintone」の提供を開始すると発表しました。
データシンカー® AI-OCR to kintoneが解消する帳票PDFとkintoneのラストワンマイル
帳票PDFから文字を読み取ること自体は、AI-OCR技術により、これまでも可能でした。しかし、読み取ったデータをkintoneのレコードにする「ラストワンマイル」には、2つの壁が残っていました。
1つ目は、テンプレート管理の運用負担です。「どの項目を、どのフィールドに入れるか」は帳票のレイアウトごとにテンプレートとして定義する必要がありました。取引先が増えるたびに追加し、書式が変わるたびに作り直しが発生していました。
2つ目は、kintoneへの取り込み経路の分断です。従来型のOCRは読み取り結果を一旦CSVに書き出し、それを改めてkintoneに取り込む必要があり、「OCR → CSV化 → kintoneへ登録」と工程が一本につながっていませんでした。こうした課題から自動化を見送り、人手での入力を続ける現場も少なくありませんでした。
「データシンカー® AI-OCR to kintone」は、このラストワンマイルの課題に対応するサービスです。
DataSyncer® AI-OCR to kintoneの業務認識AIが2つの課題を解決
本サービスの導入背景には、従来のAI-OCRが抱えていたテンプレート管理と経路分断という運用コストの課題があります。kintoneに最適化されたAIが、アプリのフィールド構成(フィールドの種類や選択肢、サブテーブルなど)を元に帳票PDFの内容を判断し、適切なフィールドへ自動入力する仕組みです。AIがアプリ構成、つまり業務そのものを認識することによって、2つの課題を解決します。
テンプレート管理については、あらかじめ帳票テンプレートを定義する必要がありません。kintone管理者が普段どおりに業務アプリを設計しておくだけで、業務単位(受注管理・請求管理など)に作成したアプリ構成そのものが読み取りの基準です。
kintoneへの取り込みについては、読み取った内容がCSVなどへの一時出力を挟まず、そのままkintoneのフィールドへ直接入力されます。業務アプリにPDFを添付するだけで、検索や集計、通知に活かせる構造化データとして、自動でkintoneへ登録される仕組みです。
DataSyncer® AI-OCR to kintoneの3通りの入力パイプラインと特長
「データシンカー® AI-OCR to kintone」は、現場の運用に合わせて3通りの入力パイプラインを組み立てられます。主な構成は次の通りです。
- 単体モード:ブラウザからkintoneレコードにPDFを添付して処理
- PDF統合モード:複合機・スキャナーと組み合わせてkintoneへダイレクト登録(「データシンカー® PDF to kintone」)
- メール統合モード:届いたメールの添付PDFがそのままkintoneへ(「データシンカー® メール to kintone」)
メールや複合機からの自動取り込みを選択した場合、ブラウザでPDFを添付する操作も不要です。届いた帳票が、ダイレクトにkintoneに入りAI-OCR処理が実行されます。
取引先ごとにレイアウトが異なる帳票も、業務単位の1つのkintoneアプリにまとめて取り込める設計です。「注文番号」「オーダーNo」「発注No」のような表記の揺れもAIが吸収し、同じフィールドへ集約します。
また、新しい取引先・仕入先の帳票も、最初の数件をkintone上で確認・修正するだけで、その修正内容が次回以降の読み取りに反映される仕組みです。AIが入力するフィールドと人が手で入れるフィールドを分けて運用できる点も、実務上の安心につながります。
セキュリティ面では、お客様の帳票データや修正履歴をAIモデルのトレーニングに使用しない設計です。PDFはメモリ上のみで処理され即時削除されます。
APIトークンは自社サーバーへ保存しない設計で、AI基盤にはサイボウズ株式会社の「kintone AI」と同じAmazon Bedrockを採用しています。修正履歴は、お客様専用スペースに暗号化して保存され、他社データと混在しない仕組みです。
DataSyncer® AI-OCR to kintoneの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | クラフテクス株式会社 |
| サービス名 | DataSyncer® AI-OCR to kintone(データシンカー® AI-OCR to kintone) |
| カテゴリ | クラウド型のAI-OCRサービス |
| 提供開始日 | 2026年7月15日 |
| 初期費用 | 100,000円(税別)※データシンカーシリーズ導入済みの場合は無料 |
| 年間利用料 | 120,000円(税別) |
| 年間付与ページ数 | 5,000ページ(翌年繰越型) |
| 追加オプション | 処理ページ追加 50,000円/2,000ページ |
| AI基盤 | Amazon Bedrock |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿3-3-13 西新宿水間ビル6階 |
| 代表取締役 | 山中 駿平 |
trends編集部の一言
初期費用100,000円・年間利用料120,000円という価格設定は、中小規模の現場でも検討しやすい水準です。マーケティングの現場でも、各種フォームやメールの添付データをシステムへ手入力する作業は地味に工数を食い続けており、「OCR → CSV → 登録」という分断した経路の煩雑さはBtoB業務全般に共通する課題として広く認識されてきました。
業界全体としては、kintoneのような国産クラウド業務基盤への「データの入口」を増やす動きが活発になっています。帳票の種類やレイアウトが多い製造や建設、卸売業では、テンプレート管理の運用負担が自動化導入を阻む要因になりがちです。そのボトルネックをAIがアプリ構成を読むことで解消する設計は、マーケティング業界の文脈に置き換えても「ツール導入後の定着」という課題への一つの回答として、注目しておく価値があるのではないでしょうか。
サイボウズ株式会社 執行役員 営業本部長 玉田 一己氏がエンドースメントコメントを寄せている点も印象的です。既存のkintoneエコシステムとの親和性を示すものであり、kintone連携サービス市場における今後の浸透を占う動きとして注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「業務認識型 AI-OCR「データシンカー® AI-OCR to kintone」提供開始 | クラフテクス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000115373.html, (参照 26-06-29).
