まほろば創研株式会社と計測検査株式会社は、プラント配管の劣化を写真1枚で非破壊判定するAIソフトウェアの共同開発を開始しました。
まほろば創研株式会社と計測検査株式会社が配管検査AIを開発する背景
国内のプラント設備は、高度経済成長期に建設されたものが今も数多く稼働しており、老朽化への対応が急務となってきました。経済産業省の資料では、設備の高経年化が事故等の発生可能性を高め、設備異常や製品品質の不安定化につながると指摘されています。
一方で、設備を点検する保全人材の高齢化と人手不足も進んでいます。ベテランの「勘」に頼ってきた検査ノウハウの継承が困難になっており、従来は決められた年数を目安に部品を交換する保全が中心でした。
両社が開発する配管検査AIの特徴
両社が共同開発するAIソフトウェアは、配管を撮影した写真をもとに、劣化の度合いと点検の優先度を判定します。スマートフォンで撮影した1枚の画像から、配管を傷つけることなく状態を診断することを目指しています。
ドローンで撮影した画像にも対応し、人が近づきにくい高所や狭い場所の配管も、現場に立ち入ることなく確認できる設計です。汎用的な生成AIに頼るのではなく、予知保全に特化したソフトウェアとして開発することによって、現場で実際に使える判定精度の実現を狙っています。
まほろば創研株式会社代表取締役小森一輝氏は、開発の意図についてこう述べています。
「配管検査というドメインの深い領域に徹底的に寄り添った専用のAIと、現場の方が実際に手に取って『本当に使える』と感じられる操作性や画面の分かりやすさにこだわったソフトウェアを開発します」
計測検査株式会社代表取締役坂本敏弘氏は、共同開発への期待をこう語ります。
「長年培ってきた維持管理の知見と、まほろば創研様の優れたAI技術を融合し、熟練技術者の経験や判断を誰もが活用できる仕組みへと進化させる挑戦です。本ソフトウェアが設備事故の未然防止や保全業務の効率化に貢献し、予知保全が当たり前となる社会の実現につながることを期待しています」
まほろば創研株式会社と計測検査株式会社の概要
| 項目 | まほろば創研株式会社 | 計測検査株式会社 |
|---|---|---|
| 代表取締役 | 小森 一輝 | 坂本 敏弘 |
| 設立 | 2025年2月25日 | 1974年11月1日 |
| 本社所在地 | 〒630-8217 奈良県奈良市橋本町3番地の1 | 〒807-0821 福岡県北九州市八幡西区陣原1丁目8番3号 |
| 事業内容 | 設備異常の予知保全に特化したAI・ソフトウェア開発 | 非破壊検査(化学プラントの保守検査、鋼構造物の溶接検査)、材料評価、構造解析、各種計測(振動・土木・応力・環境)など |
| ウェブサイト | https://maholab.co.jp | https://www.keisokukensa.co.jp |
trends編集部の一言
「写真1枚で非破壊判定」という設計の核心は、熟練者でなくても一次スクリーニングができる点にあります。インフラ保全業界全体としては、ベテラン技術者の退職による技能断絶と人手不足が加速しており、属人化した検査ノウハウをいかにシステムへ移転するかが業界横断の課題として広く認識されてきました。汎用の生成AIではなく予知保全特化のアーキテクチャを選んだアプローチは、精度と現場適合性を両立する取り組みとして、同種のインフラ検査領域でも注目される動きです。
References
- ^ PR TIMES. 「配管劣化を写真1枚で非破壊判定へ、計測検査とまほろば創研がAI共同開発 | まほろば創研株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000158134.html, (参照 26-06-18).
