SOREST株式会社は、2026年6月22日より映像AIによる熊検知システム「MIRAI-X KUMA」(みらいえっくす くま)の出荷を開始すると発表しました。
MIRAI-X KUMAの検知精度と学習モデルの特徴
「MIRAI-X KUMA」は、日本国内で撮影されたツキノワグマおよびヒグマの映像データを中心にAIを学習させています。熊は地域や季節、天候、時間帯によって、見え方が大きく変化するため、海外の汎用的な学習データだけでは十分な検知精度を確保できない場合があります。日本の環境条件に適した検知モデルを採用した点が、本製品の特徴のひとつです。
誤報削減を目的として、各社の生成AIサーバーへの接続オプションも用意されています。映像AIと生成AIが検証を分担することによって、誤報の削減が期待できます。利用者の映像データが一般に公開されることはないとされているのは、プライバシー保護の観点からも重要な設計上の特徴です。
MIRAI-X KUMAの接続機能と3つの導入形態
「MIRAI-X KUMA」は単体で動作するだけではなく、既存の設備とも接続できます。主な接続形態は次の3点です。
- 既設の監視カメラや放送設備との接続でコストを抑えた導入が可能
- 各社の獣害マップや地図系クラウドサービスとの連動に対応した設計
- 各社の生成AIサーバーへの接続による誤報削減(オプション)
河川監視や交通監視のために設置された監視カメラと接続することによって、新たな設備投資を抑えながら熊検知機能を追加できます。自治体の広報無線や学校の放送設備と組み合わせれば、スピーカーを通じた広域への警告も可能です。
動作環境は、パソコンとエッジデバイスの2種類に対応しています。パソコンに監視カメラを接続した場合は最大30台、エッジデバイスでは最大2台の映像を同時に分析することが可能です。1台のカメラから試験的に導入するパッケージも用意されており、コストを抑えた段階的な展開にも適しています。
MIRAI-X KUMAの主な仕様と想定用途
想定市場は、森林と接続した地域における幅広い用途です。工場、駐車場、病院、学校、キャンプ場といった施設から、自治体の公園や公民館、運動場、太陽光発電や鉄道・道路保守の屋外設備、農業・畜産分野まで対応します。人の往来があるエリアでは、スピーカー連携による警告運用との組み合わせが有効とされています。
MIRAI-X KUMAの製品概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 製品名 | MIRAI-X KUMA(みらいえっくす くま) |
| カテゴリ | 映像AIによる熊検知システム |
| 出荷開始日 | 2026年6月22日 |
| 価格 | オープン価格 |
| 販売形態 | 商社・流通事業者・IT販売事業者・地域のネットワーク工事事業者・監視カメラ販売事業者を通じて提供 |
| 最大接続台数 | 最大30台(パソコン)/最大2台(エッジデバイス) |
| 検知対象 | ツキノワグマ、ヒグマ |
| 通知方法 | パトライト、SNS通知(スマホアプリ)、Eメール |
| 試用 | 試用キット(無料)あり |
| 開発元 | MarkAny Co., Ltd.(本社:韓国ソウル市) |
| 販売元 | SOREST株式会社(東京都新宿区) |
| 設立 | 2019年11月25日 |
| 公式サイト | https://sorest.co.jp/ |
trends編集部の一言
熊の出没による人的被害が「身近なこと」として、対策の緊急度が高まっているという背景は、マーケティングの文脈に置き換えると「課題の可視化がニーズを顕在化させる」という構図に重なるものです。AI害獣検知の動向としては、海外の汎用データに頼らずローカル環境に特化した学習モデルを構築するアプローチが注目を集めており、日本の環境条件に絞った学習データの採用は、ローカル市場向けにAIを実装する際の設計思想として注目されます。
業界全体としては、初期導入の負担を抑える販売設計が重視される傾向があります。マーケティングの現場でも「汎用ツールで精度が出ない」という場面は多く、最終的に独自データで再学習させる判断を迫られることがあるでしょう。
1台から試せる試用キットを無料で用意し、段階的な展開を可能にした販売設計は、導入ハードルを下げるアプローチとして、業界内でも関心を集めそうな設計です。生成AIとの連携を誤報削減のオプションとして切り分けた構成にも、実運用を意識した現実的な設計が窺えます。
References
- ^ PR TIMES. 「【新製品】映像AIによる熊検知システム「MIRAI-X KUMA」(みらいえっくす くま)を提供開始。 | SOREST株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000142724.html, (参照 26-06-17).
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