株式会社アジラは2026年6月、AI警備システム「AI Security asilla」の実証実験を東京ビルディングで開始すると発表しました。
「AI Security asilla」導入の経緯と三菱地所の丸の内DX戦略
三菱地所は、2021年に策定した「三菱地所デジタルビジョン」のもと、デジタルトランスフォーメーションを通じた社会課題の解決に取り組んできました。警備や清掃、運搬等の分野でロボット活用やカメラシステムの高度化を進める「次世代型施設運営モデル」の構築を推進しています。
その実践として、AI警備システム「AI Security asilla」を2022年10月に新丸の内ビルディングで運用開始して以降、丸の内ビルディング、丸の内パークビルディングへと展開を広げてきました。こうした丸の内エリアでの運用実績を踏まえ、両社は新たに東京ビルディングでの実証実験を開始することになりました。
「AI Security asilla」による東京ビルディングでの実証実験の概要と検証内容
東京ビルディングは、東京駅丸の内口に隣接する地上33階・地下4階の複合オフィスビルです。低層階に商業ゾーン「東京ビルTOKIA」を擁し、オフィスワーカーから来街者まで多様な利用者が行き交う、丸の内エリアを代表する物件のひとつです。
今回の実証実験では、館内の防犯カメラ映像をAIで解析し、3つの観点から検証を進めます。主な取り組み内容は以下の通りです。
- AI技術による空間モニタリングの高度化
- 混雑状況の可視化による安全な環境づくり
- 見守り機能による来館者の安心向上
空間モニタリングでは、喧嘩・暴力行為などの迷惑行為や閉館後・立入禁止区域への侵入を検知し、警備員に即時通知します。混雑状況のリアルタイム把握は、適切な誘導対応の促進と警備配置の最適化に活用される仕組みです。見守り機能では、転倒やふらつきといった体調不良の兆候をAIが検知し、家族連れやシニア層を含む幅広い来館者への早期対応を支援します。
「AI Security asilla」のサービス概要と実証実験の詳細
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | 株式会社アジラ |
| 代表者 | 代表取締役CEO 尾上剛氏 |
| 所在地 | 東京都町田市中町一丁目4-2 |
| サービス名 | AI Security asilla |
| 実証実験場所 | 東京ビルディング(東京都千代田区丸の内二丁目7番3号) |
| 施設規模 | 地上33階・地下4階 |
| 実証実験開始 | 2026年6月 |
| 運営会社 | 三菱地所株式会社 |
| 解析方式 | 既設防犯カメラ映像をAIでリアルタイム解析 |
| 公式サイト(アジラ) | https://jp.asilla.com/ |
trends編集部の一言
警備人材不足が深刻化する中、既設カメラをそのまま活用できる点は、導入ハードルを下げる現実的な設計として注目されます。業界全体としては、AIによる映像解析を警備の「補完」から「主軸」へ移行させる動きが加速しており、今回の東京ビルディングでの実証実験はその方向性を示す事例です。
マーケティングの現場でも、来場者の動線分析や混雑状況の可視化は長年の課題です。AIが転倒やふらつきまで検知するレベルに達しているという点には、施設運営の文脈を超えた可能性を感じました。丸の内エリアでの運用実績を持つシステムが段階的に展開されていく過程は、AI警備の社会実装モデルとして、注目しておく価値があるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「三菱地所「東京ビルディング」にて「AI Security asilla」の実証実験を開始 | 株式会社アジラのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000343.000043312.html, (参照 26-06-26).
