ハイラブル株式会社は、生物の鳴き声をAIで自動識別するクラウドサービス「KoeTurri®(コエチュリー)」を正式リリースしました。
KoeTurri®(コエチュリー)の音による継続モニタリングで生物多様性保全を支援
生物多様性の保全は世界的な課題であり、国内でも生物を守る目標「30by30」の達成に向けた自然共生サイトの認定が進んでいます。保全の実践には、「どんな生物が生息しているか」を継続的に把握するモニタリングデータが不可欠です。これまでは専門家による観察が中心でしたが、高頻度での調査は容易ではありませんでした。
カメラや衛星データを活用した自動化の取り組みも進んでいますが、死角に入った生物の情報が取得しづらいという課題がありました。KoeTurri®(コエチュリー)は、音を24時間・無人で観測することによって、この課題を補完します。夜間や生物が物陰に隠れている状況でも計測が可能で、全方位から音を拾えるため声の到来方向も把握できます。
こうしたモニタリングへの関心は現場で急速に高まってきました。ハイラブル株式会社が2026年3月および5月に開催したオンラインセミナーには、累計360名を超える申し込みがありました。建設や不動産、環境調査、自治体など幅広い層から関心が寄せられています。
KoeTurri®(コエチュリー)の主な特長
本サービスの基盤は、創業以来のべ17万人の会話分析で培った音環境分析技術を生物の声の領域へ展開したものです。専用マイク(たまご型 防水8chマイクアレイ)を屋外に設置するだけで録音から識別・レポート生成までを一元化しており、主な特長は以下の通りです。
- 鳥類129種・カエル4種・昆虫5種・哺乳類3種の計141種を自動識別
- 24時間・365日の連続録音と自動アップロードで定期回収不要
- PowerPoint(pptx)形式のレポートを自動生成
- 識別結果をテキスト形式で出力し、音声データ(FLAC形式)も提供
- 2年間の連続稼働(稼働率90%以上)を屋外環境で実証済み
識別結果は、サイネージ向けのコンテンツや観察イベントの素材としても活用でき、計測データとしての用途にとどまらず、設置エリアの体験価値やブランディング向上にも貢献します。既に商業施設での活用実績があり、不動産や建設、環境調査、自治体など幅広い領域で導入や検討が進んでいます。
KoeTurri®(コエチュリー)サービス概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | KoeTurri®(コエチュリー) |
| 提供形態 | クラウドサービス |
| 識別対応種数 | 141種(鳥類129種・カエル4種・昆虫5種・哺乳類3種) |
| 稼働実績 | 2年間の連続稼働・稼働率90%以上 |
| PoC料金 | 30万円から |
| 出力形式 | PowerPoint(pptx)レポート・テキスト形式ラベルデータ・FLAC形式音声 |
| 会社名 | ハイラブル株式会社(Hylable Inc.) |
| 代表者 | 水本武志氏 |
| 設立 | 2016年11月21日 |
| 所在地 | 東京都豊島区 |
| サービスサイト | https://hylable.com/koeturri/ |
trends編集部の一言
のべ17万人以上の会話分析で培った音環境分析技術を生物の声に転用するという発想は、業界を問わず「既存技術の横展開」として注目に値します。業界全体としては、自然資本の開示が企業に義務化される流れが強まるなか、専門家の手を借りずに24時間・365日のモニタリングデータを蓄積できる仕組みへの需要は、環境系に限らず幅広いセクターで高まっています。
自然資本の開示が企業に求められる流れは今後も強まると見られており、「計測(開示データ)」と「魅せる(来園者・テナント向けの情報発信)」を一つのサービスで両立できる点は、マーケティング業界の文脈に置き換えても示唆を含む取り組みです。業界全体としては、PoCから段階導入できる構成への関心が高まっており、初期投資を抑えた試験導入モデルは今後も主流となる可能性があります。
References
- ^ PR TIMES. 「生物の鳴き声×AIで生態系を可視化する「KoeTurri®(コエチュリー)」正式リリース | ハイラブル株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000058655.html, (参照 26-05-30).
