株式会社サイバーセキュリティクラウドは2026年6月9日、AIガバナンスプラットフォーム『AI MONBAN(エーアイモンバン)』の提供を開始しました。
AI MONBAN提供の背景:広がるシャドーAI利用とAIガバナンスへの要請
近年、生成AIやAIエージェントの業務利用は急速に拡大しています。MCP(Model Context Protocol)を活用した外部サービス連携も進むなど、企業におけるAI活用は加速度的に広がってきました。その一方で、企業の管理下にない「シャドーAI」利用も拡大しており、AI利用者の約15%が未管理のAIサービスを業務利用し、4人に1人が機密情報を含むデータをAIへ入力しているのが実態です。
経済産業省・総務省が公表する「AI事業者ガイドライン」では、AI利用状況を適切に把握・統制する体制整備の重要性が示されました。今後、AIを利用する企業には「誰が・どのAIに・どのデータを入力し、どのように利用されたか」を説明できる体制の構築が不可欠となっており、AIガバナンスへの対応は喫緊の経営課題となっています。
AI MONBANの主な機能
AI MONBANが備える主な機能は次の4点です。
- マスキング処理:AIへの入力データに含まれる個人情報を自動検出しリアルタイムで除去。個人情報保護法やGDPRへの準拠を技術面からサポートします
- MCP Gateway:Model Context Protocol(MCP)に準拠した標準ゲートウェイとして、社内の基幹システムや外部サービスとAIモデルをセキュアに接続し、接続先ごとの柔軟なアクセス制御を実現します
- AIアクセスログ・レポート:AI利用を自動で記録し、MCPを用いたAIからのデータアクセスログやチャットのマスキングログを監査可能な形で蓄積します
- マルチLLM切り替え:OpenAI、Anthropic、Google、Azure OpenAIといった複数の主要AIモデルをAPIキーの設定のみで切り替えて活用でき、ベンダーロックインを回避します
AI MONBANは、これらの機能を通じてAI利用に関わるすべてのデータフローを一元的に管理・統制する仕組みです。規制当局への報告や監査対応に不可欠な証跡も、追加の運用工数をかけることなく蓄積できる設計となっています。
AI MONBANの概要
AI MONBANのサービス概要および提供企業の詳細は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | AI MONBAN(エーアイモンバン) |
| カテゴリ | AIガバナンスプラットフォーム |
| 提供開始日 | 2026年6月9日 |
| 提供企業 | 株式会社サイバーセキュリティクラウド |
| 開発元 | 株式会社DataSign |
| 主な機能 | マスキング処理・MCP Gateway・AIアクセスログ・レポート・マルチLLM切り替え |
| 切り替え可能なAIモデル | OpenAI、Anthropic、Google、Azure OpenAI |
| 製品サイト | https://ai-monban.com/ |
| 所在地(CSC) | 東京都品川区上大崎3-1-1 JR東急目黒ビル13階 |
| 設立(CSC) | 2010年8月 |
| 代表(CSC) | 代表取締役社長 兼 CEO 小池敏弘氏 |
| 所在地(DataSign) | 東京都品川区上大崎3-1-1 JR東急目黒ビル13階 |
| 設立(DataSign) | 2016年9月 |
| 代表(DataSign) | 代表取締役 太田祐一氏 |
trends編集部の一言
AI利用者の約15%が未管理のAIサービスを業務利用し、4人に1人が機密情報を含むデータをAIへ入力しているという数字は、想像以上に深刻です。AI・DX業界全体としては、AIの「使う・使わない」の議論から「どう管理するか」の段階へ確実に移行しつつあり、ガバナンス基盤の整備が経営アジェンダとして浮上している局面と読み取れます。マーケティング業界の文脈でも、ツールの利用実態が個人の裁量に委ねられているケースは多く、気づかないうちに機密性の高い情報が外部サービスへ流出するリスクは業界横断の課題です。
「誰が・いつ・どのAIに・何を送ったか」を一元的に記録・監査できる設計は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、顧客データや戦略情報の取り扱いルールを整備する動きが今後さらに加速していくことを示唆しているのではないでしょうか。既存の業務システムを変更せずに導入できる点も、現場への展開ハードルを下げる要素として、業界内での採用が広がる可能性があります。
6月26日(金)に開催予定のオンラインセミナーでは、TMI総合法律事務所・大井哲也氏と株式会社DataSign代表取締役・太田祐一氏が登壇し、法律・技術の両面からAIガバナンスの実務を解説するとのことです。法と技術の両面からアプローチするこうした取り組みは、AIガバナンスの実装が実務段階へと移行しつつある現在の業界動向を映す指標となるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「AIエージェントの時代に、ガバナンスを。企業の“見えないAIリスク”を可視化・制御・監査する新サービス『AI MONBAN(エーアイモンバン)』6月9日から提供開始 | 株式会社サイバーセキュリティクラウドのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000009107.html, (参照 26-06-11).
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