紀尾井町戦略研究所株式会社は、人工知能(AI)に関する意識調査の結果を発表しました。
AIサービスを現在「利用している」との回答は78.0%に上り、AIに対する規制については「一定の規制は必要だが、強化し過ぎるべきではない」との回答が58.3%を占めました。
AIサービス利用率78%で情報収集に活用
AIサービスを現在「利用している」との回答は78.0%、「利用していない(過去に利用したことがある人を含む)」との回答は22.0%でした。利用頻度は「週に1〜2回程度」が29.6%、「毎日/ほぼ毎日」が29.0%で、「ほとんど/全く利用していない」も21.7%を占めています。
利用目的を複数回答で尋ねたところ、上位は「情報収集」62.0%、「文章生成」34.4%、「プライベートに関する相談」21.6%でした。AIによって、今後の生活や仕事が「便利になる」との回答は計86.5%に上り、「便利になるとは思わない」は計7.7%にとどまりました。
一方で、AIサービスの利用に「抵抗感がある」との回答も計39.1%見られ、期待と懸念が併存する実態が浮き彫りになっています。
AIに期待する効果を複数回答で尋ねると、上位は「日常生活での判断の手助け」54.6%、「生産性の向上」53.9%、「人手不足の解消」41.8%でした。AIによる自身の仕事や雇用への影響については、「大いにある」「ある程度ある」との回答が計57.7%に上り、「あまりない」「全くない」は計29.6%にとどまっています。
紀尾井町戦略研究所のAI規制に関する調査結果
「強化すべきだと思う」との回答は20.0%、「最小限にすべき」は11.4%、「規制する必要はない」は3.8%でした。最多だった「一定の規制は必要だが、強化し過ぎるべきではない」の58.3%と合わせると、慎重な規制を求める声が大勢を占めていることがわかります。
AIサービスの利用に不安を感じる理由を複数回答で尋ねると、「誤った情報が生成されるおそれがあるから」が65.5%で最多となりました。次いで「個人情報や機密情報の漏えいが心配だから」43.9%、「出力結果の根拠や判断過程がわかりにくいから」29.8%が続いています。
AIに関するリスクとして、懸念する項目では、「偽情報・フェイクニュースの拡散」が70.6%で首位となりました。次いで「個人情報の不正利用」47.1%、「サイバー攻撃への悪用」42.2%が上位に挙がっています。
米国のAI企業アンソロピックは2026年4月、主要なOSやウェブブラウザの脆弱性を発見して悪用できる可能性があるとされるAIモデル「クロード・ミュトス」を公表しました。一般公開はされず、一部の企業などに限定して提供されたとのことです。
こうした高性能AIモデルを日本でも独自に開発できるようにする必要があるかを尋ねたところ、「必要がある」「どちらかといえば必要がある」との回答は計72.7%に上り、「必要があるとは思わない」との回答は計13.7%にとどまりました。
紀尾井町戦略研究所のAI意識調査概要と主要指標
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調査主体 | 紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI) |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| 調査対象 | 全国の18歳以上 |
| 調査人数 | 1,000人 |
| 調査手法 | オンライン調査 |
| 実施日 | 6月21日 |
| AIサービス利用率 | 78.0% |
| AI規制「強化し過ぎるべきではない」 | 58.3% |
| 国産高性能AIモデル開発「必要」 | 72.7% |
trends編集部の一言
AIサービスの利用率が78.0%に達している一方で、不安の理由の最多が「誤った情報が生成されるおそれ」65.5%という結果は、期待と警戒が同時に高まっている実態を示しています。マーケティングの現場でも生成AIを使った文章生成やアイデア出しは日常的になりつつありますが、出典の裏取りや事実確認を欠かさない運用ルールを設けるチームが増えている印象があります。
AI規制について「一定の規制は必要だが、強化し過ぎるべきではない」という回答が58.3%を占めた点は、極端な規制強化にも野放しにも与しないという、多くの生活者の距離感を映しているのではないでしょうか。マーケティング業界でも生成AIの活用ガイドラインを社内で整備する動きが広がっており、今回の調査結果は、その温度感を測る一つの参考材料になりそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「AI規制「必要だが過度な強化不要」58%、高性能国産のモデル開発「必要」72%」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000065702.html, (参照 26-07-12).
