Jamfは、2026年6月30日より、Mac環境向けのAIガバナンス機能「AIガバナンス」の提供を開始しました。
AIガバナンス機能が解決する企業課題
Jamfが実施したAIガバナンス調査では、IT・セキュリティリーダー687名を対象に調査した結果、企業の約7割がAIを導入している一方で、およそ5社に1社(22%)がコストやセキュリティ問題などAIに関連したインシデントを経験していることが明らかになりました。また、AIを業務に深く取り入れている企業は、導入を検討している段階の企業と比べて、インシデントの発生率が約40%高いことも示されています。
AIツールの多くは、Appleシリコン上で直接動作するものやバックグラウンドで稼働するものです。従来のネットワークプロキシやクロスプラットフォーム型の管理ツールでは、AIツールの利用状況を十分に可視化・制御することが難しいという課題があります。統合的に実現するソリューションも、これまで存在していませんでした。
「AIガバナンス」の3つの主な機能
主な機能は以下の3点です。
- 利用状況の可視化:AIアプリケーションとLLMランタイム(バックグラウンドエージェントを含む)の利用実態を把握
- 適切な利用の制御:「高セキュリティ」「バランス型」「開発者向け」など3つのデフォルトのセキュリティ状態を含む柔軟なポリシー適用
- ガバナンスレポート:CIOやCISOへの経営層向けレポート生成とSIEMとの連携による監査対応
リリース時点では、Claude Code、Claude Desktop、OpenAI Codexに対応しています。アクセス制御、ネットワーク権限、ファイルシステム制御、MCPサーバの制限など、AI利用に関する幅広い設定管理が可能です。ベンダーコントロール追跡エンジンにより、サポート対象のAIプラットフォームにおける新規および更新された制御項目を継続的に検出できるため、ガバナンスポリシーを常に最新の状態に維持できます。
AIガバナンス調査が示す市場の動向
今回の調査では、企業におけるAI活用が「導入するかどうか」の段階を超え、「どのように管理しながら活用するか」の段階に移行していることが示されています。企業の今後12カ月におけるAI領域整備の優先項目として挙がったのは、IT業務の自動化(44.4%)、AI生産性支援ツールの導入(41.0%)、AIガバナンスの確立(36.7%)の3点です。
Gartner®は、AIガバナンスへの支出が2026年には4億9,200万ドルに達し、2030年までに10億ドルを超えると予想されると指摘しています。企業が規制リスクおよび運用リスクに先手を打つため、必要なツールや戦略の見直しを進めている状況です。シャドーAIによる利用実態の把握、開発者向けツールや自動化AIの増加による管理の複雑化、コスト管理の精度低下といった課題が、AIガバナンスの重要性を高めています。
「AIガバナンス」の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Jamf(本社:米国ミネソタ州ミネアポリス) |
| 機能名 | AIガバナンス |
| カテゴリ | Mac向けAIガバナンス機能 |
| 提供開始日 | 2026年6月30日 |
| 対象プラットフォーム | Jamf for Mac |
| 対応AIツール(リリース時点) | Claude Code、Claude Desktop、OpenAI Codex |
| 主な機能 | 利用状況の可視化・アクセスポリシー適用・ガバナンスレポート生成 |
| 設立 | Jamf Japan合同会社:2017年 |
trends編集部の一言
687名のIT・セキュリティリーダーを対象とした調査で、AIを深く活用している企業がインシデント発生率約40%高いという結果は、直感に反するようで、実は業界横断で観察されてきた傾向と一致していました。マーケティング業界の文脈に置き換えると、新しいAIツールの試験導入が進むほど「どのツールが何のデータにアクセスしているか」という可視化の遅れが顕在化するという構造は、業界全体で広く語られてきたテーマと重なります。
「導入するかどうか」から「どう管理しながら使うか」へという調査の指摘は、マーケティング業界の文脈に置き換えても、そのまま当てはまるのではないでしょうか。AIガバナンス整備の優先度が36.7%にとどまっている一方、インシデント率が高まっているという数値の差には、ツールの普及速度に管理体制が追いついていない現状が表れています。IT部門の体制が限られる組織でも、AI利用の統制をどう設計するかが論点になりつつある動向として、業界全体で注目されています。
References
- ^ PR TIMES. 「Jamf、業界初のMac向けAIコントロールプレーン「AIガバナンス」を提供開始 | Jamf Japan 合同会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000066916.html, (参照 26-07-03).
