Macの動作が重くなった場合やシステム設定の変更をすぐに反映させたい場合は、Appleメニューの再起動を使わずコマンドラインから再起動を行うと、余計な操作を挟まずスムーズに処理を進められます。
また、マウスカーソルの反応が鈍く画面上の操作がしづらい状況でも、ターミナルをすでに起動できていれば、キーボード入力だけで再起動を完了させる手段です。ただし、マウスやキーボードからの入力を一切受け付けない完全なフリーズ状態では、この方法は使えず、後述する物理的な強制終了で対応します。
この記事では、shutdownやrebootといった基本コマンドの使い方に加えて、強制的な再起動に近い操作、リモート環境からの再起動、コマンドが反応しない場合の対処法まで、状況別に解説する内容です。
目次
- Macをターミナルのコマンドで再起動する方法
- shutdownコマンドを使用する
- rebootコマンドで実行する
- Macをコマンドで強制的に再起動する手順
- 管理者権限のsudoを付与する
- オプション引数で即時実行を指定する
- Macをコマンドでリモート再起動するやり方
- SSHで外部からログインする
- リモートデスクトップ経由で送信する
- Macの再起動コマンドが効かない時の対処法
- 実行中のプロセスを個別に停止する
- シングルユーザーモードで試行する
- Macの再起動コマンドに関するよくある質問
- ショートカットキーとコマンドの違いは何ですか?
- コマンド実行後にキャンセルすることはできますか?
- 実行しても画面が暗いまま動かない場合はどうすればいいですか?
Macをターミナルのコマンドで再起動する方法
ターミナルからシステムを制御する際は、管理者権限を用いるコマンドの選択肢が複数存在します。代表的な手法の差異を以下の表にまとめました。
| コマンド名 | 主な特徴 |
|---|---|
| shutdown | 時間指定が可能でプロセスの終了を待機する |
| reboot | 記述が簡潔で即座に再起動プロセスを開始する |
両コマンドとも管理者権限が必要な点は共通しているため、まずは基本となるshutdownコマンドから見ていきます。
shutdownコマンドを使用する
shutdownコマンドは、指定した時間や条件に従ってシステムを終了させる標準的なツールです。管理者権限を付与するsudoと組み合わせて利用する形式が一般的といえます。
sudo shutdown -r now
上記のコマンドをターミナルへ入力してEnterキーを押すと、管理者パスワードの入力を経てシステムがすぐに再起動します。「-r」は再起動を、「now」は即時実行を意味する指定です。
- 「-r」オプションで再起動を指定する
- 「now」を追加して即時実行を選ぶ
- 実行後に管理者パスワードを入力する
この手順により、各アプリケーションを安全に終了させてからシステムが再始動しますが、保存していない作業内容は反映されないため、実行前に必要なファイルの保存を済ませておいてください。
Appleの公式コマンドラインガイドでは、shutdownコマンドの動作について、次のように説明されています。
shutdown -r: Restarts the computer immediately after stopping all processes.
出典:Apple Command Line Guide
公式ドキュメントが示す通り、shutdown -rは全プロセスの終了を待ってから再起動する仕組みである点を押さえておきましょう。
rebootコマンドで実行する
rebootコマンドは、名前の通り再起動の処理に特化した指示を行う際に活用する仕組みです。shutdownと比較して引数の指定が少なくて済むため、手早く作業を済ませたい場面で役立つコマンドとなります。
sudo reboot
このコマンドを入力して管理者パスワードを入力すると、システムがただちに再起動を開始します。shutdownコマンドと同様に、実行時点で開いているアプリケーションの未保存の作業内容は失われるため、事前の保存が欠かせません。
実行時の主な流れは、以下の通りです。
- 「sudo reboot」とコマンドを打鍵する
- パスワードを入力して実行を許可する
- Returnキーを押して確定させる
シンプルな入力で完了する点が魅力ですが、未保存のデータがある場合は事前にバックアップを済ませるのが賢明な判断です。
Macをコマンドで強制的に再起動する手順
ターミナルからMacを再起動させる際、通常の再起動メニューのように保存確認ダイアログを挟まず、処理を即座に進める指定方法があります。アプリの終了確認を待たずに処理を進める点で「強制的」な性質を持つコマンドとなります。
ただし、この方法はターミナルがキーボード入力を受け付けている状態が前提です。Mac自体が完全にフリーズしてキーボード入力にも反応しない場合は、この章のコマンドではなく、後述の「Macの再起動コマンドが効かない時の対処法」で紹介する物理的な強制終了が必要です。
ここでは、先述のsudo shutdown -r nowを構成する「sudo」「-r」「now」の各要素について、以下の表で個別に解説します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 管理者権限の付与 | システム設定を変更するための「sudo」を冒頭に記述します。 |
| 再起動の指定 | 再起動を意味する「-r」オプションを付加するのが一般的です。 |
| 実行タイミング | 即時実行を指示する「now」を末尾に添える構成となります。 |
各要素の役割を理解しておくと、単なるコピペ実行にとどまらず、状況に応じてコマンドの内容を柔軟に調整できるのが利点です。
管理者権限のsudoを付与する
通常の管理者アカウントからMacの電源を制御するコマンドを実行する場合は、一時的に権限を昇格させる「sudo」をコマンドの先頭に記述する必要があります。すでにroot権限のシェルで作業している場合など、環境によってはsudoの省略が認められるケースもあるので注意してください。
sudo実行時に押さえておきたいポイントは、以下の通りです。
- 実行時に管理者パスワードの入力が求められます
- パスワード入力中はセキュリティ上、画面に文字や伏せ字が表示されません
- 認証済みの状態を保持する時間はsudoの設定によって異なり、環境によっては一定時間内の再入力が省略されます
入力したパスワードは画面上で確認できませんが、正確に打ち込んでからEnterキーを押すと認証が完了します。この手順を踏むことで、システムの深い階層にある終了プロセスへアクセスできる仕組みです。
オプション引数で即時実行を指定する
shutdownコマンドは再起動のタイミングを指定する「time」引数を省略できず、末尾に「now」と記述するとカウントダウンなしで即座に再起動が始まります。特定の時刻に予約したい場合は、nowの代わりに「+15」(15分後)や「2200」(22時00分)のように相対時間や時刻を指定する運用です。
実行手順は、以下の通りです。
- アプリケーションの「ターミナル」を起動する
- sudoから始まる再起動用の文字列を正確に入力する
- 管理者パスワードを入力して実行を確定させる
実行後は開いているファイルが強制的に閉じられるため、作業内容の保存を事前に済ませておく運用が前提となります。保存されていないデータは消失するリスクがある点に注意が必要です。
Macをコマンドでリモート再起動するやり方
Macを物理的に操作しづらい場所にある場合や外出先から遠隔で電源を制御したい場合には、ネットワーク経由でのコマンド操作が役立ちます。
代表的な手法として、SSH接続を利用する形式と管理ツールから命令を送る形式の2種類が存在する構成です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SSHで外部からログインする | ターミナルを使用して1対1で接続し、再起動コマンドを実行する。 |
| リモートデスクトップ経由で送信する | Apple Remote Desktopを使用して、1台または複数台に命令を送る。 |
| 共通の前提条件 | 対象となるMacの「共有」設定でリモートログインまたはリモート管理を有効にし、許可するユーザーとネットワークの到達性を確認しておく。 |
それぞれの方法には異なる前提条件や必要な設定があるため、まずはSSHでの接続手順から順番に確認しましょう。
SSHで外部からログインする
離れた場所にあるMacに対し、ネットワーク越しにシェルへアクセスして再起動などの命令を送信する手順です。
事前にシステム設定の「共有」パネルを開き、リモートログインの項目にチェックを入れて有効化しておく必要があります。
この際、アクセスを許可するユーザーを個別に指定できるため、管理者アカウントなど必要なユーザーだけに絞ると安全につながります。また、SSHは接続先のMacがネットワーク上で到達できる状態にある必要があるため、同一ネットワークやVPN経由での利用にとどめ、ルーターの設定でインターネットへ直接公開しないよう注意してください。
ssh ユーザー名@接続先のIPアドレス
ローカル側のターミナルで上記のコマンドを実行すると、接続先のMacへログインできます。認証方式は環境によって異なり、公開鍵認証を設定していればパスワード入力を省略できる場合もありますが、パスワード認証の設定であればログイン時にユーザーのパスワード入力を求められる仕様です。
- ターミナルを起動してSSHコマンドで対象へ接続する
- 認証方式に応じてパスワードまたは鍵で認証する
- 接続先で再起動用のコマンドを実行して処理を開始する
sudo shutdown -r now
接続後にsudoを伴うコマンドを実行する場合は管理者権限の認証が別途必要になることがあり、その要否や再認証までの猶予は接続先のsudo設定に依存します。
リモートデスクトップ経由で送信する
Apple Remote Desktopは、画面共有や遠隔操作を含む総合的な管理ツールであり、Unixコマンドの一括送信もその機能の一部です。
利用するには、管理対象となる各Macの「共有」設定でリモートマネジメントを有効にし、再起動などの操作を許可するタスクを対象ユーザーへ付与しておく必要があります。
複数のMacを管理している環境では、全端末をまとめて再起動させる際に便利な選択肢です。
- 管理ツール上のリストから対象となるMacを選択
- 「Unixコマンドを実行」のメニューを選択
- 再起動の命令を入力してネットワーク越しに送信
実行結果がログとして残るため、正常に再起動が開始されたかどうかを、後から一目で確認できるのが利点です。
Macの再起動コマンドが効かない時の対処法
ターミナルからの命令を受け付けない場合、バックグラウンドで動作するプログラムが干渉しているケースが目立ちます。まずはシステム全体ではなく、原因となっている要素を特定して個別に対処する手順が有効です。
主な対処法を、以下の表にまとめました。
| 対処法 | 特徴 | 適用シーン |
|---|---|---|
| 実行中のプロセスを個別に停止する | 安全性が高く手軽 | 特定のアプリのみが固まった場合 |
| シングルユーザーモードで試行する | 低レイヤーでの操作 | OS自体が正常に起動しない場合 |
それぞれの対処法は原因の切り分けに役立つため、症状が軽いものから順番に、焦らず一つずつ試すことをおすすめします。
実行中のプロセスを個別に停止する
特定のアプリケーションが応答しなくなっていると、そのアプリが原因で再起動の処理が途中で止まっているケースがあります。まずはアクティビティモニタを使用して、応答していないプロセスを個別に強制終了できないか試してください。
確認すべきポイントは、以下の通りです。
- Command + Spaceキーで「アクティビティモニタ」を検索して起動
- CPU負荷が高い項目や「応答なし」と表示されているものを選択
- ツールバーの「×」ボタンから「強制終了」を実行
アプリの強制終了によって再起動コマンドが正常に動作する場合がありますが、OSやストレージ、ログインプロセスなど別の要因が原因のときは十分な効果が得られない可能性があります。この方法で解消しない場合は、周辺機器を取り外して切り分けたうえで、Apple Diagnosticsなどの公式の診断機能やサポート窓口への相談を検討してください。
シングルユーザーモードで試行する
システムの深い部分でエラーが発生している際は、通常のデスクトップ画面を介さない特別な起動方法が対処の選択肢です。ただし対応する操作方法はMacの種類やmacOSのバージョンによって異なるため、事前に自分の機種と環境を確認してください。
Command + Sキーによるシングルユーザーモードの起動は、macOS Mojaveより前のバージョンを搭載したIntel Macに限られる方法です。Appleはこの起動方法をmacOS Mojave以降では提供していないため、Mojave以降のIntel MacおよびAppleシリコン搭載のMacでは、電源ボタンを起動オプションの画面が表示されるまで長押しし、macOS復旧から診断や再起動を行います。
電源ボタンの長押しによる強制終了は、保存していない作業内容を失うおそれがあるため、実行前に他の対処法で改善しないか確認したうえで、最終手段として扱ってください。
Macの再起動コマンドに関するよくある質問
ショートカットキーとコマンドの違いは何ですか?
Macの標準機能として用意されているショートカットキーと、ターミナルで実行するコマンドでは操作の目的が異なります。ショートカットキーはマウスやキーボードだけで素早く完結する日常利用向けの手段です。
一方のコマンドは、詳細な時間指定やリモート操作にも対応できるため、咄嗟に操作したい場面ではショートカットキー、時間指定や自動化を伴う場面ではコマンドというように、利用シーンに合わせた使い分けが推奨されます。
コマンド実行後にキャンセルすることはできますか?
再起動の命令を送信した直後であれば、予約実行時に限りsudo shutdown -cの入力でキャンセルできる場合があります。ただし、即時実行を指定した際はシステムの終了処理が優先されるのが一般的です。
中断できても保存されていないデータが消失するリスクは変わらないため、誤って実行してしまうことを防ぐためにも、コマンドを入力する前に作業内容を保存したかどうかを確認する習慣が欠かせません。
実行しても画面が暗いまま動かない場合はどうすればいいですか?
再起動コマンドの実行後に画面が暗い状態で停止したときは、フリーズの疑いがあります。システムのプロセスが正常に終了できず、待機状態が続いているケースが目立ちます。
その場合は電源ボタンの長押しによる物理的な再起動を検討し、ノート型であればバッテリー切れの可能性も確認してください。こうした状態が何度も繰り返される場合は、システムファイルの修復やmacOSの再インストールといった、より踏み込んだ対処を検討する段階です。
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