株式会社スペースデータは、衝突・爆発被害シミュレーター「GROUND IMPACT SIMULATOR(グラウンド・インパクト・シミュレーター)」を発表しました。
AMATERASUが被害の可視化機能を強化
スペースデータは、宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain(スペースブレイン)」の作戦運用領域を担うAIプラットフォーム「AMATERASU(アマテラス)」を運用しています。第一弾機能として、日本全土を再現したデジタルツイン空間上で航空作戦を模擬する「AIR OPERATION SIMULATOR」をリリースしており、指揮官の意思決定の優越の実現を目指してきました。
AMATERASUが重視するのは、ある行動や脅威がもたらす結果を事前に見通し、根拠をもって判断できる状態をつくることです。飛来する物体が実際に着弾・衝突した場合に地上で何が起きるのかを、具体的な数字と地図で共有できることが欠かせません。
従来、爆発や天体衝突の被害想定には専門的な解析ツールと知識が必要であり、政策担当者や一般の関係者が、被害の規模感を直感的に把握することは容易ではありませんでした。GROUND IMPACT SIMULATORは、天体衝突研究などで公開されている物理モデルに基づく被害推定を、実際の3D都市モデル上で誰でも扱える形で提供します。
GROUND IMPACT SIMULATORが71種のシナリオで被害を即時推定
GROUND IMPACT SIMULATORの主な特徴は、次の4点です。
- 自然天体14種と人工爆発57種、計71種のシナリオを収録
- 実際の3D地図上でワンクリックによる被害推定
- 死傷者数や被災人口、経済損失、インフラ被害率の推定
- 軌道から地上被害までの一元的な可視化
自然天体14種にはチェリャビンスク隕石(2013年)やツングースカ大爆発(1908年)が含まれ、人工爆発57種には巡航ミサイルの通常弾頭クラスから大型爆弾、歴史上の大規模爆発事故・核実験までが収録されています。TNT換算で10桁以上にわたるエネルギーレンジを扱い、弾頭や爆発物の種類・規模による被害の違いを、同一地点・同一条件で比較できる設計です。
衛星画像とフォトリアルな3D都市モデルの上で、地図をクリックして着弾点を設定できます。爆発規模に応じて、全損域から窓ガラス破損域まで5段階の被害範囲を同心円で描画します。放出エネルギー(TNT換算)、空中爆発の高度またはクレーターの規模、火球半径、地震規模も即時に算出します。東京やニューヨーク、ロンドンなど主要6都市へのワンクリック移動にも対応しました。
着弾点周辺の人口密度を公開データベースからリアルタイムに取得し、推定死傷者数や被災人口、経済損失、インフラ被害率、総合深刻度(0〜100)を算出します。東京については、政府機関や防衛関連、電力、通信、水道といった重要インフラが被害範囲に含まれるかを地図上で確認できます。
SpaceBrainの軌道ビュー(衛星やデブリ、小惑星等のカタログ表示)と地表ビューをシームレスに切り替えられ、軌道上の物体監視から地上への影響評価までを単一のプラットフォームで扱える設計です。小惑星衝突への備え(プラネタリーディフェンス)の検討にも活用できます。
安全保障や重要インフラ防護に関する机上検討、防災・危機管理部門における被害規模の初期把握、教育や広報、政策議論における脅威の規模感の共有など、幅広い活用が想定されています。物理計算には天体衝突研究で国際的に用いられる公開の解析モデルを採用しており、概算・比較を目的としたシミュレーションとして、初期検討や関係者間の共通理解の形成に役立つ設計です。
GROUND IMPACT SIMULATORの提供概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社スペースデータ |
| 代表者 | 佐藤航陽氏 |
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階 |
| 資本金 | 15億1300万円 |
| サービス名 | GROUND IMPACT SIMULATOR(グラウンド・インパクト・シミュレーター) |
| 提供元プラットフォーム | AMATERASU(アマテラス) |
| 収録シナリオ数 | 71種(自然天体14種・人工爆発57種) |
| エネルギーレンジ | TNT換算で10桁以上 |
| 被害範囲区分 | 5段階 |
| ワンクリック対応都市 | 東京やニューヨーク、ロンドンなど6都市 |
| 総合深刻度指標 | 0〜100 |
trends編集部の一言
71種類ものシナリオを、地図上のワンクリックで人的・経済的被害まで即時に推定できる点は、専門知識がなければ扱えなかった解析を誰でも直感的に把握できる形へ変えた事例として印象的です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、複雑なデータをダッシュボード上でクリック一つで可視化するアプローチは常に求められており、専門性の高い情報を非専門家にも開かれた形で届ける設計思想には業界を超えた共通点があります。
被害想定のような専門領域の情報を、実際の3D地図という直感的なインターフェース上に落とし込む発想は、データ分析の結果を数値の羅列で終わらせず、意思決定者が直感的に理解できる形へ翻訳する意義を改めて考えさせられます。マーケティング業界の文脈に置き換えると、数値の羅列のみでは伝わらない示唆を、いかに視覚的に翻訳して、意思決定に繋げるかが業界横断で問われているテーマです。
References
- ^ PR TIMES. 「スペースデータ、着弾・衝突被害を可視化する「GROUND IMPACT SIMULATOR」をリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000080352.html, (参照 26-07-12).
