合同会社Open Designは、ファッションブランドやアパレル企業の企画・デザインの初期工程を支援する法人向け生成AIサービス「OWM for Business」の提供を開始しました。
アパレル企画が抱える課題
ファッション業界では、サンプルやLOOKが完成する前から、企画会議や営業提案、展示会準備など複数の業務が同時に進行します。この段階では実際の製品や完成イメージが十分に揃っていないため、言葉やラフ案、参考画像をもとに、企画の方向性をすり合わせる必要が生じるのが実情です。
部門ごとにイメージの認識にズレが生じやすく、企画会議が抽象的になったり、サンプルが上がるまで判断が保留されたりといった課題が発生しやすい状況です。合同会社Open Designは、こうした初期工程での企画・判断を支援するために「OWM for Business」を開発しました。
企画業務における3つの価値
サンプル完成前の企画段階から意思決定を支援する「OWM for Business」の価値は、次の3点です。
- 商品化前の企画イメージを、すばやく共有可能なビジュアルへ変換
- 比較・議論・絞り込みをサンプル作成前から進める環境の提供
- デザインの試行と判断をブランドの資産として蓄積・参照できる仕組み
1点目では、企画テーマやターゲット、カラー、素材感などをもとに複数のファッションデザイン案を生成します。言葉や資料のみでは、共有しにくい企画の方向性を初期段階から具体的なビジュアルとして可視化する仕組みです。デザイナーが説明用のイメージ制作に費やしていた時間を抑え、より多くの案を検討しやすくします。
2点目では、生成したデザイン案を一覧で比較し、「採用」「候補」「見送り」などの検討状況を残せます。類似案、カラーバリエーション、素材違い、ゴーストマネキン画像などへも展開でき、複数の選択肢を並べた比較・検討が可能です。立場の異なるメンバーが同じビジュアルを見ながら議論することによって、認識のズレを早期に把握し、サンプル完成を待たずに企画の方向性のすり合わせが可能です。
3点目では、生成したデザイン案や検討の履歴をライブラリに保存し、検索や整理、チーム内共有ができます。「どのような意図でこの案や方向性が選ばれたのか」という企画・判断のプロセスを残すことによって、シーズンをまたいだブランドの世界観や方針の蓄積・参照を支援します。
OWM for Businessの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | OWM for Business |
| 提供企業 | 合同会社Open Design |
| 提供内容 | ファッションブランド・アパレル企業向けAIファッションデザイン/企画支援サービス |
| 主な対象 | デザイナー、企画担当者、MD、商品開発、ブランド責任者、営業、PR、EC、経営層 |
| 主な活用 | 企画案の可視化、比較・判断、バリエーション展開、ライブラリでの整理・共有、仕様シート作成 |
| 料金・導入 | 無料デモ・導入相談あり |
| 設立 | 2020年12月15日 |
| 企業サイト | https://opendesign.tokyo/ |
trends編集部の一言
「商品化前の構想を、サンプルなしでビジュアル共有する」という課題設定は、アパレル業界に固有の話ではありません。マーケティング業界の文脈に置き換えると、施策の企画段階で「イメージが言語化しきれない」まま会議が進み、後から認識のズレが発覚するケースは業界横断で共通する構造的な課題です。企画初期の「見えない構想」をいかに具体化するかというテーマは、同業界にとどまらずコンテンツ制作やブランド戦略の現場でも広く語られてきました。
今回の発表で注目されるのは、AIがデザイナーの感性を代替するのではなく、「判断のための支援ツール」として位置づけられている点です。生成AIの活用が広がる中で、「AIに任せる範囲」と「人が判断すべき範囲」を明確に設計する姿勢は、マーケティング業界のAI導入においても、示唆を含む考え方といえるでしょう。企画やデザイン、仕様検討といった工程をなめらかにつなぐ今後の機能拡充にも、業界全体の動向として、注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「ファッション業界の企画・デザインプロセスを革新する、アパレル企画特化型の生成AI基盤「OWM for Business」提供開始。 | 合同会社Open Designのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000184780.html, (参照 26-07-02).
