AIサービス各社がAI導入前の業務分解や業務可視化を提示、業務改善担当者が人に残す工程を確認できる
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AI導入の検討が、任せる業務を決められないまま止まっていないでしょうか。業務分解で作業を細かく分けて業務可視化を進めると、AIに渡す作業と人が持ち続ける判断を分けて考えられます。
この記事では、書類選考のタスク分解や不動産事務の業務診断、PC作業の実測と音声対話による業務フロー作成を取り上げ、分解の粒度や得られる成果、人に残す工程まで詳しく解説します。AI導入前の業務分解を進めたい業務改善担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:HeaR株式会社、株式会社ノックデザイン ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.10.21
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:HeaR株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[1] 書類選考の業務は55タスク、うち「判断」は1つだけ。HeaRが採用実務の分解結果とAI書類審査の 処理時間(1候補者15分→1〜3分)を公開
HeaR株式会社 / 掲載 2026.10.14
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画像:株式会社ノックデザインの発表資料より(PR TIMES)
[2] 不動産の事務34業務、どこまでAIに任せられるか。5業態対応の無料AI業務診断を一般公開。全業務に、そのまま試せるプロンプトの例を収録
株式会社ノックデザイン / 掲載 2026.10.19
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画像:株式会社Renewerの発表資料より(PR TIMES)
[3] 「うちのCopilotで、どの業務を自動化できる?」に実測で答える。業務可視化AI「メボシ」、 自社の標準ツールに合わせた技術選定とAI導入の要件定義を自動化
株式会社Renewer / 掲載 2026.10.21
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画像:発表資料より(PR TIMES)
[4] AIとの音声対話でAs-Is/To-Beの業務フローを生成「ProcessAI」提供開始。企業の業務フロー作 成負荷の削減や属人化を解消。
掲載 2026.10.21
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目次
業務分解を55タスクで行う書類選考の事例
採用コンサルティングと採用代行(RPO)を提供するHeaRは、中途採用の書類選考で発生する作業を工程別に数えた「書類選考55タスク分解レポート」を公開しました。同社の採用代行の業務フローをもとにした集計で、内容は以下の2項目です。
- 書類選考55タスクの工程別の内訳
- AI書類審査の処理時間の参考値
タスクの内訳と処理時間の参考値を合わせて読むと、AIに渡す作業と人に残す判断の境目が見えてきます。
書類選考55タスクの工程別の内訳
HeaRによると、書類選考は7工程・55タスクに分かれ、合否を決める「意思決定」は1タスク(約2%)でした。最も多いのは「連絡」の19タスクで、全体の約35%を占めています。[1]
工程ごとのタスク数と主な作業は、以下の通りです。
| 工程 | タスク数 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 書類の受領・整理 | 8 | 登録・重複応募の確認 |
| 必須要件チェック | 8 | 資格・勤務地・希望年収 |
| 採用要件チェック | 8 | スキル適合・実績の再現性 |
| 現場確認 | 5 | レビュー依頼・評価のすり合わせ |
| 意思決定 | 1 | 通過・お見送り・保留の判断 |
| 連絡 | 19 | 文面作成・関係者への連絡 |
| 報告・分析 | 6 | ステータス変更・月次レポート |
HeaRは、集計が複数企業を対象にした統計調査ではなく、構成比も各作業にかかる時間の割合を示すものではないと注記しています。
HeaRの大上諒代表は、残りの54タスクを「確認して・書いて・送る仕事」と表現しました。AIに渡すのは54タスクのほうで、決める1つは人が持ち続ければよいという考えです。
AI書類審査の処理時間の参考値
HeaRは、自社のAI書類審査の運用にもとづく参考値として、1候補者あたりの処理時間が15分前後から1〜3分へ短くなるとする数値を公表しました。AIが評価案と理由を作成し、人が確認する範囲や承認方法は企業ごとに異なるとしています。[1]
作業ごとの従来と導入後の時間は、以下の通りです。
| 作業 | 従来 | 導入後 |
|---|---|---|
| 書類の読解 | 5〜10分 | 自動 |
| 評価案の作成 | 1〜2分 | 自動(理由つき) |
| 返信文の作成 | 2〜5分 | 自動 |
| 人の確認 | 記載なし | 1〜3分 |
月100件の応募を同じ条件で処理すると仮定した試算では、月25時間が1時間40分〜5時間に減り、削減率は80〜約93%と算出されています。実際の時間は担当者の習熟度や業務フロー、人が確認する範囲、応募書類の分量、職種によって変わると、HeaRは説明しました。
AIは評価ランクに加えて、評価の理由や強み、懸念点、面接で確認すべき点まで文章で出力します。多くの企業では、明確なお見送り案もSlackやメールで理由とともに担当者へ通知し、人が最終確認する運用を採用しています。
業務分解で34業務に分けた不動産事務の診断
中小企業のAI活用を支援するノックデザインは、診断と初回の相談までを無料とする不動産業界向けのWeb診断ツール「AI業務診断」を、登録不要で一般公開しました。診断の中身は、以下の2つに分けて見ていきます。
- 不動産5業態34業務の難易度の目安
- AI業務診断で業務を選んだ後の表示
業態ごとの業務一覧と業務を選んだ後の表示は、自社の事務のどこから着手するかを絞り込むための材料です。
不動産5業態34業務の難易度の目安
ノックデザインによると、不動産の事務は同じ「契約」や「報告」という言葉でも、業態が変わると手順も必要書類も変わります。そのため、「不動産でAIを使う」という粒度の情報では自社の仕事に当てはめられないとして、事務を業務単位まで分解しました。[2]
業態ごとの収録業務数と業務の例は、以下の通りです。
| 業態 | 業務数 | 業務の例 |
|---|---|---|
| 売買仲介 | 6業務 | 査定書・提案資料の下書き |
| 賃貸仲介 | 6業務 | 反響返信・内見日程調整 |
| 賃貸管理 | 9業務 | オーナー月次報告の作成 |
| 買取再販 | 6業務 | 買取上限価格の逆算 |
| ビル・マンション総合管理 | 7業務 | 長期修繕計画の下書き |
34業務を導入の難易度の目安で分けると、「すぐできる」が20業務、「1〜2ヶ月」が10業務、「要整備」が4業務です(自社集計・2026年9月時点)。重説・契約書類の下準備や法定点検の期限管理などは、「要整備」に区分されています。
AI業務診断で業務を選んだ後の表示
AI業務診断は、業種や業態、気になる業務を選ぶと、業務ごとのカードが表示される仕組みです。カードには、「いま」と「AIと」の進め方の違いや導入の難易度の目安、削減時間の目安が並びます。[2]
カードのほかに表示される主な内容は、以下の通りです。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| まず試すならこれ | 着手しやすい業務を1つ提示 |
| 試算 | 削減時間の合計と金額の目安 |
| プロンプトの例 | 入力情報・出力・記入例・出力例 |
| 結果のコピー | 社内共有向けに内容をコピー |
プロンプトの例は、不動産の34業務を含め、12区分32業態にわたる収録全211業務に用意されています(自社集計・2026年9月時点)。削減時間と金額換算は、同社が業務ごとに設定した想定作業時間にもとづく参考値で、実測値でも業界平均でもないとしています。
生成AIの利用は契約書面などを作る前段の確認作業を補助するもので、宅地建物取引士による調査や説明、記名を代替しないと、ノックデザインは明記しました。営業や交渉、判断、顧客との関係構築は、人が行う仕事だというのが同社の考えです。
業務分解と並ぶ業務可視化AIのフロー作成
業務を一覧で分ける方法とは別に、現状の業務フロー(As-Is)と導入後の業務フロー(To-Be)をAIが作る業務可視化のサービスもあります。取り上げるのは、業務の情報を集める入口が異なる以下の2つです。
- PC作業の記録で作るメボシの業務フロー
- 音声対話で作るProcessAIの業務フロー
メボシとProcessAIは、As-IsとTo-Beを並べて検討できる形にする点で共通しています。ただし、メボシは実測した作業記録を、ProcessAIは担当者の説明を出発点にしています。
PC作業の記録で作るメボシの業務フロー
Renewerの「メボシ」は、社員のPC作業の記録から作業パターンを検出し、自動化に向く業務を頻度・所要時間・分岐の実測データで特定する業務可視化AIエージェントです。業務フロー図や業務一覧、要件定義書などのドキュメントも、自動で生成されます。[3]
Renewerは、企業ごとに登録した標準技術スタック(社内で利用できる生成AI基盤やRPAなど)の範囲で技術候補を選び、To-Beを自動で設計する新機能の提供を開始しました。標準外のツールを前提にした提案は社内で検討を進めにくいという課題を、開発の背景に挙げています。
新機能で登録できる技術と、技術候補の選び方は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録カテゴリ | 生成AI基盤・RPA・iPaaS・内製開発 |
| プリセット | Google系・Microsoft系・AWS系 |
| 技術候補 | 登録外の技術は第一候補にしない |
| 適合なしの場合 | 適した技術がない旨と代替候補 |
| 登録変更時 | 技術候補の部分だけを再生成 |
To-Beでは、自動化するステップに自動化の内容と技術候補を、人が担当するステップに人が判断する内容を記載します。As-Isは実測記録から作られるため、導入前後の業務を並べて検討できます。
音声対話で作るProcessAIの業務フロー
ProcessAIは、担当者が普段の仕事を声で説明すると、AIが工程や担当部署、所要時間、処理の分岐などを整理して業務フローを生成するBPR(業務改革)支援ツールです。AmorphousとActivated Triggerの共同事業で、開発・運営をActivated Trigger、販売・コンサルティングをAmorphousが担います。[4]
会話から担当者・作業・順番を構造化するため、文書や図を一から作り込む前に業務の整理を始められる点が特徴です。現状を可視化したうえで、見直す工程と自動化を取り入れる箇所を検討できる形にするとしています。
ProcessAIの主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 業務フローの生成 | As-IsとTo-Be |
| 自動化候補の提示 | 工程ごとのAI活用方法 |
| 試算 | 削減時間・費用対効果 |
| 分析結果の出力 | WordやExcelなど |
AI活用後の業務構成については、利用するツールと人の役割を整理して示します。削減時間や費用対効果の試算は入力情報などにもとづくもので、実際の削減効果を保証するものではないと明記されました。
業務分解の粒度で選ぶAI導入前の進め方
業務分解の単位には、タスクや工程まで細かく分ける方法と、業務のまとまりで分ける方法があります。HeaRの書類選考とノックデザインの診断は分解済みの一覧を示し、メボシとProcessAIは自社の作業記録や担当者の説明から業務フローを作ります。[1][2][3][4]
自社の状況に当てはめるときの判断の観点は、以下の通りです。
| 自社の状況 | 合う分解の単位 | 確かめる点 |
|---|---|---|
| 合否などの判断を切り分けたい | 工程別のタスク分解 | 判断の前後にある確認と連絡 |
| 業種の事務から着手先を探したい | 業態別の業務一覧 | 難易度と試算の前提 |
| 実際の作業時間で優先度を決めたい | PC作業の実測 | 社内の標準ツールとの適合 |
| 文書や図を作る前に整理したい | 音声対話での聞き取り | 試算は保証値ではない点 |
数値の前提も手段によって異なり、HeaRの処理時間は自社運用にもとづく参考値、ノックデザインとProcessAIの削減時間は想定作業時間や入力情報にもとづく試算です。メボシは、自社の作業を実測したデータで自動化に向く業務を特定します。
各社の手段に共通するのは、AIに任せる作業と人が判断する工程を分けて示している点です。人に残す工程を先に決めておくと、粒度の違う手段を同じ物差しで比べられます。
References
- ^ PR TIMES. 「書類選考の業務は55タスク、うち「判断」は1つだけ。HeaRが採用実務の分解結果とAI書類審査の 処理時間(1候補者15分→1〜3分)を公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000047490.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「不動産の事務34業務、どこまでAIに任せられるか。5業態対応の無料AI業務診断を一般公開。全業務に、そのまま試せるプロンプトの例を収録」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000098249.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「「うちのCopilotで、どの業務を自動化できる?」に実測で答える。業務可視化AI「メボシ」、 自社の標準ツールに合わせた技術選定とAI導入の要件定義を自動化」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000139254.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「AIとの音声対話でAs-Is/To-Beの業務フローを生成「ProcessAI」提供開始。企業の業務フロー作 成負荷の削減や属人化を解消。」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000182355.html, (参照 26-10-23).















