ストレスチェック義務化へ支援会社が職場改善の支援策を提供、人事・労務担当者は委託範囲を比べられる
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2028年4月のストレスチェック義務化拡大を前に委託先を探すと、面接指導や職場改善まで外部に任せる範囲を決めきれずに迷うことはないでしょうか。支援会社のサービスは、産業医の面接指導や工程の整理、集団分析、AIによる改善提案など、測定後に受け持つ範囲がそれぞれ異なります。
この記事では、50人未満の事業場に広がる義務の範囲や測定後に職場改善まで進む割合、支援サービスごとの担当範囲まで詳しく解説します。ストレスチェックの委託範囲を比べたい人事・労務担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社AIメンタルサポート、株式会社中央総合産業医事務所 ほか2件
- 出典の最終掲載:2026.10.21
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社AIメンタルサポートの発表資料より(PR TIMES)
[1] ストレスチェックは「義務」から「経営の武器」へ。AgeWellJapan、AIストレスチ ェックで組織の"見えない負荷"を発見
株式会社AIメンタルサポート / 掲載 2026.10.08
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画像:株式会社中央総合産業医事務所の発表資料より(PR TIMES)
[2] 2028年4月、50人未満の事業場もストレスチェック義務化へ。産業医が実施支 援から面接指導・継続フォローまで担うプランを新たに整備し、料金を公開
株式会社中央総合産業医事務所 / 掲載 2026.10.16
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画像:フラクタルワークアウト株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[3] 【実施中のストレスチェックに対応】未完了工程を整理する運用支援プ ランを提供開始
フラクタルワークアウト株式会社 / 掲載 2026.10.16
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[4] ストレスチェック、実施して職場は変わりましたか?改善まで進むのは約3.3%。2028年義務化を前に、病院・介護施設が知るべき5つの事実
株式会社セントラルメディエンス / 掲載 2026.10.21
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目次
50人未満に広がるストレスチェックの義務
中央総合産業医事務所は、産業医の選任義務がない常時50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施が義務づけられると説明しています。義務となるのは年1回の検査だけではなく、高ストレス者から申出があれば医師が面接指導を行い、事業者が医師の意見を聴いて就業上の措置を講じるところまで含まれます。[2]
施行の時期と実施者に関する決まりは、以下の通りです。[3]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2028年4月1日 |
| 施行日まで | 努力義務 |
| 根拠 | 2025年の労働安全衛生法改正 |
| 実施者 | 医師、保健師、研修を受けた看護師など |
実施者は外部の実施機関に委託できますが、面接指導は医師が行うものとされています。このため、中央総合産業医事務所は、面接指導と意見を聴く医師を検査の実施体制とは別に確保しておく必要があると指摘しました。
セントラルメディエンスは、2028年4月からの義務化拡大でも職場環境の改善は努力義務のままだと説明しています。そのため、測定後に職場改善までどこまで踏み込むかは、各社が自ら決める範囲として残ります。[4]
ストレスチェック後に職場改善まで進む割合
セントラルメディエンスは、代表取締役の中川隆太郎氏が共著者として執筆した論文の分析結果を公表しました。論文が引く全国コホートの系統的レビュー(Tsutsumiら、2020年)では、ストレスチェック後に職場環境の改善が実施されたのは約3.3%でした。[4]
論文は2026年10月16日に公開された査読前のプレプリントで、日本のストレスチェック制度10年の研究と17か国の国際比較を扱っています。同社によると、国内の1年コホート研究では、調査に答えただけの群はストレスが改善せず、調査と実際の職場環境の変化の両方があった群だけが改善しました。
全国コホートでは、高ストレス判定を受けた人のその後の長期病欠のハザード比が、男性で約8.7、女性で約3.7でした。小規模事業場について同社が挙げる厚生労働省の検討会資料の数値は、以下の通りです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 小規模事業場の実施率 | 34.6% |
| 50人以上の実施率 | 81.7% |
| 小規模の集団分析 | 22.6% |
| 小規模の結果の活用 | 17.3% |
同社は、産業医も専任担当者もいない施設で、2028年から義務が始まる点を課題に挙げています。また、日本は週50時間以上働く人の割合が13.8%で17か国中3位だとして、平均ではなく部署の単位で偏りを見る必要があると指摘しました。
測定後を任せるストレスチェックの支援サービス
ストレスチェックの測定後を支えるサービスは、産業医が面接指導を担う形から、AIが改善策を示す形まで分かれています。主なサービスは、以下の4つです。
- 産業医が面接指導まで担う中央総合産業医事務所
- 未完了の工程を補うBODY PALETTE
- 集団分析から改善稟議までつなぐラクパス
- AIが改善策を示すAIストレスチェック
面接指導を担う医師の確保や工程の担当決め、集団分析から改善の決定までの流れ、改善策の提示と、サービスごとに受け持つ部分が異なります。自社でまだ担当が決まっていない工程と照らし合わせて読むと、委託先を比べやすくなります。
産業医が面接指導まで担う中央総合産業医事務所
中央総合産業医事務所は、50人未満の事業場向けのプラン体系を整え、2026年9月19日に料金とあわせて公式サイトで提供を開始しました。どのプランも契約時の初期費用はなく、全国にオンラインで対応し、都内は訪問も可能です。[2]
同社は、面接指導後のフォローアップ面談や実施時期以外に生じた不調への対応、休職・復職の案件まで継続して対応するとしています。集団分析結果のフィードバックでは、打合せで全体の結果を説明し、職場環境の改善につながる点を整理します。
同社が整備したプランと主な対応は、以下の通りです。
| プラン | 主な対応 |
|---|---|
| ストレスチェック実施支援 | 産業医が実施者を担う |
| スポット対応 | 面接指導を1回ごとに依頼 |
| 産業医相談プラン | 月額で相談体制を確保 |
| ケース伴走プラン | 特定案件の面談を継続 |
実施を他の機関に委託している場合も、スポット対応で産業医意見書を含む面接指導だけを依頼できます。産業医相談プランは、会社の担当者が必要なときに産業医へ直接相談できる体制で、最低契約期間は設けていないとしています。
未完了の工程を補うBODY PALETTE
フラクタルワークアウトは「BODY PALETTE」で、今年度のストレスチェックをすでに始めている企業向けに、担当が決まっていない工程だけを支援するプランの提供を開始しました。今の委託先や実施者、受検の仕組みは替えずに、実施前・回答期間中・結果通知後のどの段階にあるかを確かめるところから始めます。[3]
同社がプランで進める内容は、以下の通りです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 今の体制の確認 | 契約範囲や産業医の有無 |
| 工程別の担当表 | 担い手を1枚の表にまとめる |
| 残った工程の支援 | 再案内文の作成や窓口の整理 |
| 実施後の作業一覧 | 面接指導の記録などを渡す |
担当表では、準備や結果の通知、面接指導の申出の窓口、集団分析から職場環境の改善までの工程を並べます。すでに委託している工程は重ねて引き受けず、面接指導は企業の産業医か同社が連携する医師が担当するとしています。
受検者の結果は本人に通知され、本人の同意なく会社に提供されることはないと同社は説明しました。集団分析は個人が特定されない人数の単位で行い、サービスは医療上の診断や治療を行うものではないとしています。
集団分析から改善稟議までつなぐラクパス
セントラルメディエンスの「ラクパス for Hospital」は病院・クリニック・介護施設向けの職員ポータルで、受検の案内から未受検者の把握、集計までをポータルの中で進められます。受検が集まると、部署ごとの集団分析が自動で集計され、総評や部署別所見、改善提言をまとめた意見書も自動で作られる仕組みです。[4]
同社は、意見書を衛生委員会の資料に使い、同じポータルの電子稟議で改善の実施を決めて、お知らせやチャットで現場に伝える流れを示しました。個人の結果は本人と実施者だけが見られ、管理側で見られるのは受検状況と集団分析だとしています。
ストレスチェックと集団分析の料金は、以下の通りです。
| プラン | 月額(税別) | 集団分析 |
|---|---|---|
| BASIC | 1人あたり200円 | 1人あたり150円で追加 |
| PRO | 1人あたり350円 | 標準で含む |
ストレスチェックはBASICプラン以上に含まれ、受検人数にかかわらず追加費用はかからないとしています。料金は発表時点の金額で、PROプランは30日間無料で試せるほか、複数施設の医療法人向けにENTERPRISEプラン(個別見積)もあります。
AIが改善策を示すAIストレスチェック
AgeWellJapanは、AIメンタルサポートが提供する50人未満の企業向けの「AIストレスチェック」を、2028年4月の義務化を待たずに導入しました。AIストレスチェックは、厚生労働省の職業性ストレス簡易調査票に加えて、リモートワークや副業などに特有のストレス要因を捉える独自の調査項目を備えています。[1]
高ストレス者の有無に加えて、ストレス対処の傾向や生産性に影響している要因まで分析し、分析結果をAIが読み解いて改善策を示す点が特徴です。正社員11名とアルバイト7名の計18名で働くAgeWellJapanの分析結果は、以下の通りです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 総合健康リスク | 全国平均を下回る |
| 過剰適応・フル回転タイプ | 全体の58% |
| 上司の支援度と仕事の裁量 | いずれもA評価 |
| 生産性低下に影響する要因 | 相談のしにくさ |
AIのレポートは、最初に取り組むべき改善策として「業務量の可視化」と「相談導線の確保」を提案しました。AgeWellJapanは提案をもとに、本人の自己管理に任せきりにせず、組織として業務量や負荷を可視化して定期的に確認する仕組みづくりに着手しています。
ただし、紹介されているのはAgeWellJapanの導入事例で、ストレス対処タイプはAIメンタルサポート独自の設問への回答による分析です。AIメンタルサポートは、1,000社限定で初年度無料のキャンペーンを実施中です。
ストレスチェックの委託範囲を決める判断軸
今の体制に足す形と、ストレスチェックの仕組みごと導入する形では、委託先として比べる相手が変わります。さらに、産業医などの人が対応する形と、システムやAIが自動で分析する形でも、測定後に任せられる工程は異なります。
自社の状況に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 観点 | 確かめること | 関係する支援 |
|---|---|---|
| 面接指導の医師 | 依頼先が決まっているか | 産業医のスポット対応 |
| 結果通知後の工程 | 担当が空いていないか | 工程別の担当表 |
| 集団分析の使い道 | 改善を決める場があるか | 意見書と電子稟議 |
| 分析の深さ | 高ストレス者以外も見るか | 対処傾向や生産性要因 |
| 継続的な相談 | 実施時期外の不調に備えるか | 月額の産業医相談 |
前述のとおり職場環境の改善は努力義務ですが、セントラルメディエンスは、受検や面接指導のみではストレスは改善しないとする分析を示しています。委託範囲を決める際は、集団分析の結果を受けて改善を決める場が社内にあるかを、先に確かめておくと判断しやすくなります。
References
- ^ PR TIMES. 「ストレスチェックは「義務」から「経営の武器」へ。AgeWellJapan、AIストレスチ ェックで組織の"見えない負荷"を発見」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000185413.html, (参照 26-10-22).
- ^ PR TIMES. 「2028年4月、50人未満の事業場もストレスチェック義務化へ。産業医が実施支 援から面接指導・継続フォローまで担うプランを新たに整備し、料金を公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000190701.html, (参照 26-10-22).
- ^ PR TIMES. 「【実施中のストレスチェックに対応】未完了工程を整理する運用支援プ ランを提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000118106.html, (参照 26-10-22).
- ^ PR TIMES. 「ストレスチェック、実施して職場は変わりましたか?改善まで進むのは約3.3%。2028年義務化を前に、病院・介護施設が知るべき5つの事実」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000032609.html, (参照 26-10-22).















