支援企業がAIを軸にECサイトの商品データ整備策を発表、EC運営担当者は整える範囲を比べられる
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AIが商品を比べて購入まで案内する場面に向けて、ECサイトの商品データをどこから整えるべきか迷っていないでしょうか。説明文に体験価値を書き足す場合と、価格や在庫の正しさを保つ場合とでは、検討するサービスも社内で見直す作業も変わります。
この記事では、AIの回答に向けた商品情報の整備や体験価値の追加、仕入先データの変換、店舗間の在庫移動の反映まで、商品データの整え方を詳しく解説します。AI時代に向けて商品データの整備先を比べたいEC運営担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社博報堂、NE株式会社 ほか2件
- 出典の最終掲載:2026.10.21
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社博報堂の発表資料より(PR TIMES)
[1] 博報堂とHakuhodo DY ONE、エージェンティックコマース時代の商品情報のデータエンリッチメン トソリューション「Data Enrichment for商品インサイト」を提供開始
株式会社博報堂 / 掲載 2026.10.13
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画像:NE株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[2] NE、AI時代のエージェンティック・コマースを見据え、実店舗間の在庫移動をネクストエンジンの在庫に反映する「実店舗間移動アプリ」を提供開始
NE株式会社 / 掲載 2026.10.19
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[3] Lazuli、商品データ整備を「AIに話しかけるだけ」で実現する「PDP Chat Agent」を提供開始
Lazuli株式会社 / 掲載 2026.10.21
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画像:LIDDELL株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[4] 【AIO×コマース】リデル、AIの回答・比較・画像・購入導線に対応する商品データ整備「コマ ース対応AIO」を提供開始
LIDDELL株式会社 / 掲載 2026.10.21
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目次
AIが買い物で読む商品データの範囲
AIが利用者に代わって商品を比べ、購入まで案内する場面では、AIが記事の文章に限らず商品データそのものを材料にします。AIが使う情報と、データがずれたときに起きることについて、会社ごとの説明を以下にまとめました。[1][2][4]
| 会社 | AIが使う情報の説明 | ずれたときに起きること |
|---|---|---|
| リデル | 価格・仕様・在庫・画像・販売先を使う | 候補外れや誤った紹介のおそれ |
| 博報堂・Hakuhodo DY ONE | 利用者の文脈を読み取って探す | スペックのみだと推奨から外れる |
| NE | 売り手が出す在庫データを見て注文 | 実態と違えば注文が成立しない |
つまり、AIの比較や注文の結果を左右するのは、説明文の書き方に限らず、データの欠けや食い違い、在庫のずれも含めた商品データ全体です。整える手段も、AIに見せる情報を直すものと社内の運用でデータを正しく保つものに分かれ、情報を足すものと形と正しさを保つものという違いもあります。
AIの回答に向けた商品データの整備
AIの回答に向けて商品データを整える手段は、公開している情報の誤りや欠けを直すものと、スペックにない体験価値を書き足すものに分かれます。取り上げる手段は、以下の2つです。
- 価格や販売先を台帳でそろえるコマース対応AIO
- スペックに体験価値を足すデータエンリッチメント
公開情報をそろえる手段も体験価値を足す手段も、AIが自社の商品を正しく扱える状態をめざす点は共通しています。ただし、前者は既にある情報の誤りや欠けを直し、後者はまだ書かれていない価値を書き加える点で異なります。
価格や販売先を台帳でそろえるコマース対応AIO
リデルは2026年10月21日、生成AIに引用されやすい文章づくりを支援してきたAIO(AI最適化)の支援サービスを、商品データまで扱う「コマース対応AIO」に広げて提供を始めました。対象は、AIの回答画面に出る比較表や商品候補、画像、購入先リンクで使われる価格・仕様・画像・比較の根拠・販売先のデータです。[4]
整備では、商品名や価格と条件、仕様、利用場面、比較軸、画像と使用権、販売先URL、在庫・更新日時などを「商品情報台帳」に整理し、公式サイト・EC・商品フィードの間の不一致を直します。比較に使う主張には出典と根拠を残し、商品フィードや構造化データは媒体の仕様に合わせた設計書を作るとしています。
サービスの構成と、発表時点の期間・料金は、以下の通りです。
| 内容 | 期間 | 料金 |
|---|---|---|
| AIブランド診断 | 2週間〜 | 10万円(税別) |
| 商品情報の整備 | 4〜6週間 | 個別見積もり |
| 月次の改善運用 | 毎月 | 月額20万円(税込)〜 |
AIブランド診断では、優先する商材と顧客がAIに投げそうな質問を決めて実際の表示を確かめ、整備の優先順位と90日間の改善計画を出します。月次の改善運用では固定した質問群で表示を見直しますが、リデルはAIによる引用や比較候補への掲載を保証するものではないとしています。
スペックに体験価値を足すデータエンリッチメント
博報堂とHakuhodo DY ONEは、「Data Enrichment for 商品インサイト」の提供を2026年10月13日に始めました。企業の商品マスタに関連情報を追加し、AIエージェントが高度に解釈・マッチングできる状態にするデータエンリッチメント(データの拡充)の仕組みです。[1]
最大の特徴は、生活者が求める体験価値と商品のスペックの間にある因果関係を「Logic Bridge」として自動生成し、構造化する、特許出願中の技術を持つ点です。たとえば洗濯機の「稼働音32dB・ヒートポンプ式」というスペックには、夜の家事負担を軽くできる理由を説明する文を生成し、データベース化して商品マスタに格納します。
生成した商品データの使い道として博報堂などが挙げる領域は、以下の通りです。
| 領域 | 主な相手 |
|---|---|
| 自社EC・WebサイトのAIO | ChatGPT、Geminiなど |
| ECモールのAIO | Amazon Rufus(β)など |
| データフィード連携 | Google Merchant Centerなど |
| 自律購買プロトコル | UCP・ACP・MCPなど |
利用者がAIに「共働きで夜中に洗濯したい」と相談したとき、AIエージェントが文脈を捉えて自社の商品を推奨できるデータ構造にする、と博報堂などは説明しています。なお、自律購買プロトコルへの対応は、AIエージェントが在庫確認から注文処理までを代行する時代を将来的に見据えた準備という位置づけです。
商品データを社内で正しく保つ運用
商品データの正しさは、AIに見せる情報の整え方に限らず、仕入先から届く情報の取り込みや拠点間の在庫移動の記録といった社内の日々の作業にも左右されます。手作業に頼ってきた作業を置き換える手段として、以下の2つを取り上げます。
- 言葉で変換処理を組むPDP Chat Agent
- 店舗間の在庫移動を反映する実店舗間移動アプリ
PDP Chat Agentは商品情報の形をそろえる作業を、実店舗間移動アプリは在庫の数を実態に合わせる作業を受け持つ手段です。
言葉で変換処理を組むPDP Chat Agent
Lazuliは、商品データ運用基盤「Lazuli PDP」の契約企業向けに、AIエージェント「PDP Chat Agent」を2026年11月から提供するとしています。担当者がチャットでやりたいことを伝えると、エージェントがデータの抽出・変換・検証の処理を組み立てて実行する仕組みです。[3]
検証(Validation)で品質を確かめ、気になる箇所は言葉で指示して処理を直したり、値を直接修正したりできます。一度作った処理は保存して新しい仕入先ファイルにも繰り返し適用でき、処理した結果は一つのテーブルにまとめて蓄積できます。
Lazuliの説明では、ExcelのマクロやRPAは処理の手順を人がルールとして書き込むため、データの形式が変わるたびに作り直しが必要でした。PDP Chat Agentの提供条件と今後の予定は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供開始 | 2026年11月から |
| 対象 | Lazuli PDPの契約企業 |
| 今後の開発 | Agent Step(開発予定) |
Agent Stepは、エージェントが処理を担う汎用ステップをパイプラインの中に差し込めるようにする、開発予定の機能です。Lazuliは名寄せや検証、正規化といった既存の処理もエージェントで強化し、商品データの変化に合わせて処理自体が進化し続ける運用基盤をめざすとしています。
店舗間の在庫移動を反映する実店舗間移動アプリ
NEは2026年10月19日、ECバックエンドシステム「ネクストエンジン」向けのアプリとして「実店舗間移動アプリ」の提供を始めました。倉庫やポップアップストア、ショールームの間の在庫移動を伝票として起こして出庫と入庫を在庫に反映し、移動履歴や月末時点の拠点別在庫金額も残します。[2]
NEは自社の店舗運営で拠点間の移動を表計算に手で入力していたため、入力漏れや表記のゆれが起き、月末の在庫に反映されない月もありました。ネクストエンジンの標準機能でも、CSVで在庫数を書き換える方法では移動の履歴が残らず、月末時点の拠点別在庫金額を出す方法もありませんでした。
実店舗間移動アプリの提供条件は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供開始日 | 2026年10月19日 |
| 対象 | ネクストエンジンの利用企業 |
| 購入月と翌月 | 無料 |
| 翌々月から | 月額9,800円(税抜) |
NEは、2026年5月のAPI刷新と6月のMCPサーバー実装で、ネクストエンジンの商品や在庫、受注のデータをAIエージェントから扱える状態にしてきました。しかし、拠点間の移動が在庫に反映されなければ、AIに渡す在庫そのものが実態と食い違うため、実店舗の間の在庫の動きまで反映する必要があったと説明しています。
商品データ整備の着手先を選ぶ判断軸
着手先を決める最初の作業は、AIの回答で起きている問題と、社内の作業で起きているずれを分けて洗い出すことです。関係する手段は、その結果から絞り込めます。
整える対象ごとに確かめることと関係する手段は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 整える対象 | 確かめること | 関係する手段 |
|---|---|---|
| AI上の見え方 | 回答での誤りや項目の欠け | コマース対応AIO |
| 説明の中身 | スペック以外の価値の記載 | データエンリッチメント |
| 取り込みの手間 | 仕入先ごとの形式の違い | PDP Chat Agent |
| 在庫の実態 | 拠点間移動の記録漏れ | 実店舗間移動アプリ |
ただし、PDP Chat Agentと実店舗間移動アプリは、それぞれLazuli PDPとネクストエンジンを使う企業が対象です。整えた後の確かめ方としては、リデルが毎月の報告で必須項目の充足率や情報の不一致件数、更新の遅れ、画像やリンクの不備件数を見るとしている点を参考にできます。
費用や提供時期も手段ごとに異なるため、社内の予算や体制と合わせて比べておくと、着手の順番を決めやすくなります。
References
- ^ PR TIMES. 「博報堂とHakuhodo DY ONE、エージェンティックコマース時代の商品情報のデータエンリッチメン トソリューション「Data Enrichment for商品インサイト」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001237.000008062.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「NE、AI時代のエージェンティック・コマースを見据え、実店舗間の在庫移動をネクストエンジンの在庫に反映する「実店舗間移動アプリ」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000125456.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「Lazuli、商品データ整備を「AIに話しかけるだけ」で実現する「PDP Chat Agent」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000068652.html, (参照 26-10-23).
- ^ PR TIMES. 「【AIO×コマース】リデル、AIの回答・比較・画像・購入導線に対応する商品データ整備「コマ ース対応AIO」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000534.000011944.html, (参照 26-10-23).















