事業者がAI接客で商品提案を始める、対話の形と案内範囲の設計が分かれる
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自社サイトや店舗にAI接客を導入して商品提案まで任せたいと考えたとき、どの相談までをAIに答えさせるかで判断が止まっていないでしょうか。文章で相談を受けるコンシェルジュもあれば、音声とアバターで案内する仕組みもあり、各社で対話の入口が異なります。
この記事では、AI接客で商品提案を行う対話の形と、案内する中身の違いに加えて、誤った案内を防ぐ設計や導入前に確認する点まで詳しく解説します。AI接客による商品提案の導入を検討している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表5件
- 発表主体:ハレコンテナ株式会社、株式会社下鴨茶寮 ほか2件
- 出典の最終掲載:2026.09.08
この記事がまとめた発表
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[1] 海上コンテナ販売のハレコンテナ、文章で相談できる「AIコンシェルジュ」を公開画像:ハレコンテナ株式会社の発表資料より(PR TIMES)
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[2] 料亭のおもてなしを、AIでも。画像:株式会社下鴨茶寮の発表資料より(PR TIMES)
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[3] STANDS、お客様の本音を引き出し最適な提案を行うAI接客サービス「Onboarding Pulse」を正式リリース画像:株式会社STANDSの発表資料より(PR TIMES)
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[4] ジールス、三菱UFJ銀行のデジタル顧客接点に「Omakase AI」を提供開始画像:株式会社ZEALSの発表資料より(PR TIMES)
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[5] AIアバターが中小製造業のWeb接客を支援する実証実験を開始画像:発表資料より(PR TIMES)
AI接客で商品提案を行う対話の形
AI接客で商品提案を行う仕組みには、顧客が文章で相談する形のほか、音声やアバターで案内する形もあります。取り上げる対話の形は、以下の3つです。
- 文章で相談するAIコンシェルジュ
- 音声とアバターで案内するWeb接客
- 店舗とWebで使える3つの提供方式
ハレコンテナは用途や設置場所、予算を普段の言葉で受け取ります。NTTスマートコネクトが使うAIアバターは静止画と数秒の動画から作れる形で、音声とテキストを選んで案内します。
文章で相談するAIコンシェルジュ
ハレコンテナは2026年8月、コンテナ選びを文章で相談できる「AIコンシェルジュ」を自社サイトに公開しました。用途や設置場所、予算などを普段の言葉で入力すると、条件に合うサイズや仕様、価格をその場で提案します。[1]
下鴨茶寮は8月19日掲載の発表で、オンラインショップにAIを活用した接客サービス「下茶コンシェルジュ」を導入したと説明しています。対話を通じて商品選びや贈り物の相談、お届けの案内に24時間対応する内容です。[2]
文章で相談できる入口をまとめた表は、以下の通りです。
| サービス | 入口の形 | 答える内容 |
|---|---|---|
| AIコンシェルジュ | 文章入力と項目選択 | サイズや仕様、価格 |
| 下茶コンシェルジュ | 対話による相談 | 商品選びや贈り物 |
文章での相談は、顧客が条件を自分の言葉でまとめられる点に特徴があります。ハレコンテナは、営業時間内に限られていた相談について、夜間や休日に検討する顧客にもその場で選択肢を示せるようになったと説明しています。
音声とアバターで案内するWeb接客
NTTスマートコネクトは、東振テクニカルの製品紹介ページでAIアバターを使ったWeb接客の実証実験を2026年9月8日から始めると発表しました。テキスト中心のサイトでは伝わりにくい製品の魅力を、対話形式で案内する狙いです。[5]
AIアバターの主な特長は、以下の通りです。
- 24時間稼働で時間を問わない
- 静止画と数秒の動画から生成
- 音声とテキストを選択できる
アバターは静止画と数秒の動画から作れるため、導入の工数を抑えられるとNTTスマートコネクトは説明しています。音声での応対は多言語にも対応し、利用シーンに応じて文字と使い分けられる形です。
ジールスは、三菱UFJ銀行のデジタル顧客接点へマルチモーダルAIエージェント「Omakase AI」の提供を開始しました。Omakase AIはテキストや音声、アバターなど多様なインターフェースを備え、第一弾の口座開設キャンペーンでは2026年9月7日より音声とテキストで応対するとしています。[4]
店舗とWebで使える3つの提供方式
STANDSは9月3日掲載の発表で、AI接客サービス「Onboarding Pulse」を正式にリリースしたと説明しています。店舗内とWebの顧客接点で、対話から商品やサービスの提案までを支援するサービスです。[3]
用意されている提供方式は、以下の通りです。
| 方式 | 概要 |
|---|---|
| QRコード設置 | 端末の設置が不要 |
| 店舗設置型 | 受付や売り場に端末を置く |
| ウェブサイト型 | 来店前の相談を支援 |
提供方式の違いは、顧客がAI接客に触れる場所を決めます。QRコード設置ではアプリを入れずに顧客のスマートフォンから起動でき、ウェブサイト型は予約フォームなどから来店前の相談を受け付ける形です。
AI接客が商品提案で案内する中身
AI接客が案内する中身は、価格や候補の提示に加えて、見積もり依頼やお届けの案内、在庫確認や予約までと、各社で範囲が異なります。案内の中身として取り上げるのは、以下の3つです。
- 用途と予算から選ぶコンテナ提案
- 贈り物と配送を案内するギフト相談
- 理由まで添えるおすすめ提示
ハレコンテナはLINEでの見積もり依頼、下鴨茶寮はお届けの案内、STANDSは在庫確認や予約まで案内をつなげています。
用途と予算から選ぶコンテナ提案
ハレコンテナのAIコンシェルジュは、用途や重視する点、予算を文章から読み取って商品を提案する仕組みです。海上コンテナはサイズの幅や新品と中古の状態差など、購入前に判断する項目が多岐にわたります。[1]
提案とあわせて示される内容は、以下の通りです。
| 項目 | 示される内容 |
|---|---|
| サイズと仕様 | 条件に合う商品の提案 |
| 価格 | 商品マスターの最新値 |
| カスタム費用 | シミュレーターで3Dを見ながら試算 |
費用のうち輸送設置費用は設置場所の条件で大きく変わるため、その場で概算は示さず、LINEで見積もりを依頼する導線が用意されています。納期についても目安を示したうえで、確定は相談する形としています。
贈り物と配送を案内するギフト相談
下鴨茶寮の下茶コンシェルジュは、オンラインショップで顧客一人ひとりの相談に答えるサービスです。「贈り物にはどの商品がおすすめですか」といった相談に営業時間外は答えられなかった課題から生まれたと説明しています。[2]
案内する内容は、以下の通りです。
- 商品選びの相談
- 贈り物についての相談
- お届けに関する案内
下鴨茶寮は、AIを人に代わる存在ではなく、人のおもてなしを豊かにする存在と位置づけています。取り組みは自社グループ内で企画と開発を進めるAI活用プロジェクトの第一弾で、顧客の声を改善につなげるとしています。
理由まで添えるおすすめ提示
STANDSのOnboarding Pulseは、曖昧な相談に対してAIが追加でヒアリングを行い、予算や利用環境、重視する点を提案に使える情報へ変換する仕組みです。ホームセンターで棚の取り付けを相談された場面では、設置場所や用途、サイズを確認したうえで商品を組み合わせて提案する例を挙げています。[3]
接客の流れは、以下の通りです。
| 段階 | AIの動き |
|---|---|
| ヒアリング | 予算や利用環境を確認 |
| 提案 | 理由を添えて候補を提示 |
| 接客後 | 在庫確認や予約に対応 |
| 分析 | 会話ログを可視化 |
把握した条件を企業の商品情報と照合し、複数の候補から選択肢を理由とともに示すため、商品数が多くても顧客が比較する負担を抑えられるとしています。会話ログの分析は、商品開発や売り場づくりへの活用も見込んだ機能です。
AI接客の商品提案で誤案内を防ぐ設計
AI接客で商品提案を行う仕組みのうち、誤った案内を防ぐ設計を説明しているのは、以下の2つです。
- AIに任せない建築確認申請の判断
- 回答範囲の設定とハルシネーション検知
ハレコンテナは商品を選ぶ判断を自社の条件分岐に残し、ジールスは回答してよい範囲の設定と誤りの検知を組み合わせています。
AIに任せない建築確認申請の判断
ハレコンテナは、商品を選ぶ判断そのものを自社が定めた条件分岐で行っていると説明しています。AIが担うのは、顧客の文章を条件に翻訳する部分です。[1]
役割の分け方は、以下の通りです。
| 担い手 | 受け持つ範囲 |
|---|---|
| AI | 文章を条件へ翻訳 |
| 自社の条件分岐 | 商品を選ぶ判断 |
| 自治体への確認 | 建築確認申請の要否 |
建築確認申請の要否は、誤った案内をすると設置そのものができなくなるため、AIの推測では判断しない形にしています。申請が必要となる可能性がある場合は、JIS規格コンテナの案内と自治体への確認を促します。
回答範囲の設定とハルシネーション検知
ジールスのOmakase AIは、回答の根拠となる情報や回答してよい範囲、案内方法を企業ごとに設計して管理できる仕組みです。回答できない質問には無理に答えず、適切な窓口や次の行動へ案内します。[4]
金融機関のデジタル顧客接点に向けて整えている要件は、以下の通りです。
- 回答範囲と案内ルールの設定
- ハルシネーション検知機能
- SOC 2 Type Iの保証報告書
ハルシネーション検知機能は、事実と異なる情報や誤った案内が含まれる可能性のある箇所を検知して記録します。検知された会話と理由を可視化し、担当者による確認からナレッジや案内ルールの改善につなげるとしています。
SOC 2 Type Iは、米国公認会計士協会が定める基準に基づいて、内部統制の設計と整備を第三者が特定時点で評価した保証報告書です。ジールスは、対話品質と回答リスクの制御、セキュリティ水準を備えることで、金融機関のデジタル顧客接点に求められる品質要件に対応したと説明しています。
AI接客の商品提案で事業者が確認する点
AI接客で商品提案を行う仕組みを選ぶときの軸は、対話の形と案内する範囲、AIに任せない判断の3つです。導入前に確認する点は、以下の通りです。
| 確認する点 | 見るところ |
|---|---|
| 対話の入口 | 文章入力か音声アバターか |
| 設置する場所 | 自社サイトか店舗の端末か |
| 案内する範囲 | 提案までか手続きまでか |
| 任せない判断 | 申請の要否や費用の確定 |
| 情報の出どころ | 商品マスターとの接続 |
| 誤案内への備え | 回答範囲の設定と検知 |
案内する範囲を先に決めると、必要な社内情報と設置する場所がつかめます。ハレコンテナは価格や寸法を商品マスターから直接出力しており、価格改定や仕様変更を行えば回答も同時に更新されるとしています。[1]
費用の見え方も、比較の際に押さえておく点です。STANDSはOnboarding Pulseの料金を、提供方式や導入拠点数、接客範囲などの要件に応じた個別見積もりとしています。[3]
NTTスマートコネクトの取り組みは、発表時点では実証実験の段階です。2026年度中の事業化をめざすとしているため、提供中のサービスと検証中の取り組みは分けて見ておくと選びやすくなります。[5]
出典
- ^ PR TIMES. 「海上コンテナ販売のハレコンテナ、文章で相談できる「AIコンシェルジュ」を公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000080066.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「料亭のおもてなしを、AIでも。」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000170921.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「STANDS、お客様の本音を引き出し最適な提案を行うAI接客サービス「Onboarding Pulse」を正式リリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000048037.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「ジールス、三菱UFJ銀行のデジタル顧客接点に「Omakase AI」を提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000019209.html, (参照 26-09-24).
- ^ PR TIMES. 「AIアバターが中小製造業のWeb接客を支援する実証実験を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000023803.html, (参照 26-09-24).







