ナイスジャパン株式会社は2026年6月9日、世界有数のAI搭載CXプラットフォームプロバイダーであるNiCEが、エージェント型AIをプラットフォームのコアにネイティブ統合したCXにおける根本的な変革を発表したと明らかにしました。
NiCEのエージェント型AIをコアに統合したプラットフォームの概要
NiCEのプラットフォームが独自のポジションを確立している理由は、業界をリードするエンタープライズ向けCX基盤と、CX専用に構築された対話型・エージェント型AIを融合している点にあります。エージェント型AIはプラットフォームの「頭脳」として機能し、チャネルを横断した推論やアクションのオーケストレーションを行います。
顧客との対話から課題解決までを自律的に実行するAIエージェントを支える設計です。セキュリティおよびコンプライアンス面では、SOC 2 Type II、ISO 27001、PCI DSS、FedRAMP認証を含む最高水準の基準に準拠しました。これらの認証により、顧客データを高水準のセキュリティ環境で保護しながら、世界で最も高度な運用要件を持つ企業の運用基盤です。
実運用環境での有効性も数値に表れました。NiCEの2026年第1四半期における年間経常収益(ARR)は前年同期比66%増となり、クラウド収益の14%を占めています。
2025年のGartner® Peer Insights「Voice of the Customer for Enterprise Conversational AI Platforms」では、顧客選出に選ばれた唯一のベンダーとなりました。Fast Companyの「世界で最もイノベーティブな企業 2026」では応用AI部門で11位にランクインしています。
NiCEのCX 製品・テクノロジー部門プレジデントであるジェフ・コムストック(Jeff Comstock)氏は、「企業のカスタマーオペレーションが求める規模、セキュリティ、コンプライアンスでAIを運用するには、デモを超えるものが必要です」と述べました。アーキテクチャそのものにAIが組み込まれていなければならないとして、同社がまさにそれを構築したと説明しています。
NiCEのAIネイティブなオーケストレーションを支える4つのレイヤー
NiCEは、CXのあらゆる次元においてAIネイティブのオーケストレーションを提供しました。主な構成要素は以下の4点です。
- NiCE AIエージェント:顧客の意図を理解し、企業システムを横断してアクションを実行する自律的な実行レイヤー
- Agentic Engagement Plane(エージェンティック・エンゲージメント基盤):エンゲージメントの認証、仲介、ルーティング、ガバナンスを担うオーケストレーションレイヤー
- NiCE Guardian AI:AIと人間のアクションをリアルタイムで監視し、コンプライアンスガードレールを適用するガバナンスレイヤー
- エージェント型アナリティクス:「次に何をすべきか」を特定し、ビジネスへの影響を定量化する分析レイヤー
Aberdeen Strategy & ResearchのVP兼プリンシパルアナリストであるOmer Minkara氏は、「NiCEの高度なエージェント型AIとエンタープライズグレードのCX基盤の組み合わせは、こうした変革を実現するための強力な基盤となります」と評価しました。MetrigyのCEO兼プリンシパルアナリストであるRobin Gareiss氏は、プラットフォーム全体にAIを組み込むことで、状況に応じてAIエージェントと人間のエージェントを適切に振り分けられる点を指摘しています。
NiCEのグローバル企業での実運用事例
Citiは、NiCEを活用してAIエージェント、人間の専門知識、インテリジェントなワークフローを連携させ、大規模環境でよりシームレスでパーソナライズされた顧客エンゲージメントを実現しました。Citiのサービス・エクセレンス責任者であるMia Carraro氏は、「大規模な業務運営における卓越性を追求しながら、AIを活用して、よりスマートでプロアクティブな顧客体験の実現に取り組んでいます」と述べています。
Fableticsは、AIを活用したカスタマージャーニーを通じて、顧客との関係を強化しながらチームの業務スピードと効率を向上させました。アリゾナ州立大学は、学生および関係者向けの体験プロセス全体でAIを本格運用し、体験品質・組織運営の効率性・成果の向上を大規模に実現しています。この規模でのAI活用を実現している組織は、世界でもごくわずかです。
NiCEのグローバル展開と提供価値
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | NiCE(Nasdaq: NICE)/日本法人:ナイスジャパン株式会社 |
| 発表内容 | エージェント型AIをコアにネイティブ統合したCXプラットフォームにおける根本的な変革 |
| カテゴリ | CX(カスタマーエクスペリエンス)プラットフォーム |
| 主要プラットフォーム | CXone |
| 主な機能 | NiCE AIエージェント/Agentic Engagement Plane(エージェンティック・エンゲージメント基盤)/NiCE Guardian AI/エージェント型アナリティクス |
| セキュリティ認証 | SOC 2 Type II、ISO 27001、PCI DSS、FedRAMP |
| 導入実績 | 150以上の国・地域、25,000社を超える企業(Fortune 100企業の85社以上を含む) |
| 設立年 | 1995年 |
| 発表日 | 2026年6月9日 |
trends編集部の一言
2026年第1四半期のARRが前年同期比66%増という数字は、CX分野でのAI導入が「検討段階」を明確に抜け出したことを示す実績です。業界全体としては、AIオーケストレーション機能を中核に据えるCXプラットフォームへの移行が加速しており、単なる機能追加ではなくアーキテクチャ設計の段階からAIをネイティブ統合する方向性が業界標準として定着しつつあります。
注目したのは、AIを後付けするのではなくアーキテクチャそのものに組み込んでいるという設計の思想です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツールを積み重ねてから統合しようとする構成と、最初から統合前提で設計された構成とでは、運用コストや精度に大きな差が出るケースが多いのではないでしょうか。
Fortune 100企業の85社以上がNiCEとパートナーシップを結んでいるという規模感からも、エンタープライズ領域でのAI活用の現在地を測る指標として注目しておく価値があります。
References
- ^ PR TIMES. 「NiCE、AIを基盤とする次世代CXを発表 | ナイスジャパン株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000099846.html, (参照 26-06-13).
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