Agent2Agent(A2A)とは?MCPとの違いや導入手順を解説

Agent2Agent(A2A)とは?MCPとの違いや導入手順を解説

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だーだい
フリーランスWebライター兼Web製作者。Webライターとしてガジェットメディアやプログラミングに関する記事を執筆する傍ら、LP制作とWordPressの改修案件もこなしつつ、活動しています。 profile

AIエージェント同士が自律的に連携し合い、環境に応じて柔軟に役割を分担しながら複雑なタスクを効率的に処理する。そんな未来のAIシステムを実現するための鍵となるのが「Agent2Agent(A2A)」プロトコルです。

Googleが中心となって提唱するこの新しい通信プロトコルは、異なるベンダーやプラットフォームで動作するエージェント同士が共通の言語とルールのもとで安全かつリアルタイムに連携できる環境を提供します。

Agent2Agentによって単体のAIでは対応しきれなかったタスクを複数のエージェントが協調して処理できるようになり、業務効率化やユーザー体験の高度化にもつながっていきます。

本記事ではAgent2Agentの基本的な構造やMCPとの違い、実際に導入するための手順について解説します。

Agent2Agent(A2A)とは

Agent2Agent(A2A)は異なるAIエージェント同士が共通のプロトコルを使い、通信・協力しながらタスクを実行するための仕組みです。[1]Googleが提唱するこのオープンな標準は、異なるベンダーやフレームワークに依存しない柔軟なシステム構築を可能にし、エージェント間の連携を促進します。

Agent2Agentは「Agent Card」と呼ばれる自己紹介カードの形式で、各エージェントの能力や実行環境を記述・公開します。これによりエージェント同士が事前にお互いの役割を把握し、スムーズにタスクを分担できるのが特徴です。

HTTPやJSON、SSEといった既存の技術を活用しながら、異なるエージェント間でリアルタイムにメッセージをやりとりできる柔軟性も魅力のひとつです。結果としてAIエージェント同士の相互運用が現実のものとなり、より高度なAIシステムの開発や実装が加速しています。

なぜAgent2Agentが注目されている理由

Agent2AgentがAI業界で注目されているのは、異なるエージェント同士の協力によって柔軟かつ拡張性のあるタスクを処理できることが背景にあります。企業はA2Aを導入することで、ベンダーやフレームワークに依存しない自由なエージェント連携を実現できます。

さらにGoogleが推進するこのプロトコルは、セキュリティや通信の効率性にも配慮されており、大規模なシステム構築にも最適。Agent Cardの仕組みによって各エージェントの能力が明示され、ユーザーにとってもタスクの実行がより直感的に行えるのが大きな魅力です。

Agent2AgentとMCPの違い

Agent2Agent(A2A)とMCPはどちらもAI同士や外部との連携を支える技術ですが、それぞれの目的や役割に違いがあります。

Agent2Agentとは

AIエージェント同士がタスクを共有したり通信したりするための標準プロトコルです。リモート環境下でも連携して処理を進められるのが特長です。

MCPとは

AIモデルが外部のデータや文脈とつながるためのプロトコルです。Contextの一貫した共有を可能にし、情報の受け渡しをスムーズにします。

つまり、Agent2Agentはエージェント同士の連携を円滑にするための仕組みであり、MCPはモデルと文脈情報を結びつけるための仕組みです。どちらも異なる役割を担いながら、相互補完的にAIシステムの柔軟性と安全性を高めています。

企業によっては両方を導入することで、複雑なAI連携を効率よく構築することが可能。双方の違いを把握し、適材適所で使い分かることがおすすめです。

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Agent2Agentプロトコルの仕組みと設計の考え方

Agent2Agentプロトコルは、AIエージェント同士がスムーズに連携・通信できるよう設計された仕様です。設計のベースにはHTTPやJSONといった既存のWeb技術があり、リアルタイムな通信にはSSEも利用されます。

これによりエージェントは共通言語でタスクを分担・共有でき、複雑なシステム全体を効率よく構成できます。プロトコルの設計思想には開発のしやすさや拡張性、セキュリティへの配慮が含まれており、さまざまなフレームワーク間の相互運用性を実現できるのが特徴です。

AI同士が協力しあえる環境づくりの土台として、企業や開発者にとって欠かせない存在となっています。

A2Aを構成する仕組みと主な要素

A2Aの仕組みを支える主要な構成要素は複数ありますが、その中でも中心となるのが「Agent Card」です。これはエージェントの能力や通信先を記述した情報カードで、JSON形式で作成・公開され、他のエージェントが読み取って協力関係を築くベースになります。

また、エージェント間のメッセージ交換を担うクライアントとリモートサーバー、タスクの割り当てや実行状況を管理するプロセスも含まれます。こうした構成によってシステム全体でのタスク進行がスムーズになり、より高度なAI連携が可能です。

Agent2Agentとほかの技術の違いや関係性

Agent2AgentはほかのAI関連プロトコルやツールと比較して、より柔軟でベンダー非依存な設計が特徴です。たとえばMCPがモデルと外部コンテキストをつなぐのに対し、A2Aはエージェント同士のタスク連携に特化しています。

プロトコルとしての役割が異なるものの、両者は連携して使うことでAIの能力を最大限に引き出すシステム構築が可能。こうした相互関係によってAI技術のエコシステム全体が発展し、開発現場でも導入のハードルが下がっています。

Agent2Agentプロトコルの導入・実装手順

Agent2Agentプロトコルを導入する際には、まず各エージェントの能力や通信先を定義したAgent Cardの作成が必要です。このCardは公開され、ほかのエージェントと相互に理解し合うための土台となります。

そのあとA2Aクライアントとサーバーの構築や通信経路の確保、必要に応じた認証やセキュリティ対策を施します。Googleの提供するリファレンスや既存ツールを活用すれば、複雑な実装も段階的に進められます。

導入にあたってはフレームワークとの互換性や、タスク処理全体の最適化も重要な視点となります。

References

  1. ^ Google Developers Blog. 「Announcing the Agent2Agent Protocol (A2A)」. https://developers.googleblog.com/en/a2a-a-new-era-of-agent-interoperability/ , (参照 2025-04-21).
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