アドビは2026年4月21日、世界最大級のデジタルエクスペリエンスカンファレンス、Adobe Summit 2026において、企業向けエージェント型AIシステム「Adobe CX Enterprise」を発表しました。
Adobe CX Enterpriseが目指す顧客体験オーケストレーションの変革
顧客体験オーケストレーション(CXO)は、エージェント型AIの登場によって、急速な変革期を迎えています。AIエージェントを活用することによって、ブランドに沿ったコンテンツ制作や、1対1のパーソナライゼーションといった複雑なワークフローを加速させられます。
アドビはこの領域でのリーダーシップをエージェント型AI時代へ拡大し、新たなインテリジェントシステム製品群を通じてCXOの課題解決に取り組む方針を示しました。Adobe CX Enterpriseでは、AIエージェントがパーソナライズされた顧客体験の大規模展開を実現し、顧客とのやり取りが常にブランドガイドラインに沿ったものとなる仕組みが組み込まれています。
Adobe CX Enterpriseの主要機能と開発者向けツール
Adobe CX Enterpriseは、AIエージェントやエージェントスキル、モデルコンテキストプロトコル(MCP)エンドポイントを、インテリジェンスおよびガバナンス層とともに統合したエンドツーエンドのシステムです。Adobe Experience Platform Agent Orchestratorを通じて、アドビとサードパーティエコシステムを横断したAIエージェントの実装・管理・調整が可能であり、注目すべき機能は次の5点です。
- アプリケーション横断の新AIエージェント
- 再利用可能なエージェントスキルカタログ
- MCPサーバーへのアクセスを含む開発者向けツール
- 目標ベースでタスク実行するAdobe CX Enterprise Coworker
- Adobe Marketing Agentの外部プラットフォーム展開
開発者向けツールでは、AnthropicやGoogle Cloud、Microsoft、OpenAI(ChatGPT)などのインターフェイスに、アドビのエージェント機能を直接組み込めます。組み換え可能なプラットフォーム構成によって、マーケティングチームやクリエイティブチームが日常的に使用するツールへの機能導入も容易になる設計です。
オープンエコシステムとパートナーシップの拡大
Adobe CX Enterpriseは、オープンで相互運用可能なエコシステムへの取り組みを拡張する製品として設計されています。さまざまなテクノロジースタックと連携するコンポーザブル(組み合わせ可能)なアーキテクチャを採用しており、企業が柔軟性とコントロールを維持しながらエージェント型ワークフローを構築できる点が特徴です。
- Amazon Web Services(AWS)
- Anthropic
- Google Cloud
- IBM
- Microsoft
- NVIDIA
- OpenAI
Adobe Marketing Agentは、Amazon Quick、Anthropic Claude Enterprise、ChatGPT Enterprise、Gemini Enterprise、IBM watsonx Orchestrate、Microsoft 365 Copilotの各プラットフォームにエージェント型ワークフローを導入する形で展開されます。アドビおよびパートナーのソリューション全体にわたって、エージェント型スキルやワークフローを拡張できる構成です。
Adobe CX Enterpriseの構成要素と提供予定
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 製品名 | Adobe CX Enterprise |
| 発表日 | 2026年4月21日 |
| 発表主体 | アドビ(Nasdaq: ADBE) |
| 対象企業 | 2万以上のグローバル企業 |
| 基盤技術 | AIエージェント、MCP、ガバナンス層 |
| Coworker提供 | 数か月のうちに一般提供開始予定 |
| 発表会場 | Adobe Summit 2026(ラスベガス) |
trends編集部の一言
エージェント型AIを「単体ツールの実験」から「企業全体のオーケストレーション基盤」へ昇格させるという方向性は、自分自身がノーコードツールで業務フローを組み替えてきた経験と重なる部分が多いと感じました。個別のAI活用では成果が出ても、部署横断で統合しようとすると途端にデータやブランドガイドラインの整合性が課題になる場面を何度も経験しており、そこをプラットフォーム側が吸収してくれる構想は実務担当者にとって検討材料になりそうです。
特にAdobe Marketing Agentが外部の主要プラットフォーム(Microsoft 365 CopilotやChatGPT Enterprise等)へ展開される点は、普段使いのツール上でマーケティング施策を回せる可能性を示しています。社内でAI活用の推進を担当している方や、複数チャネルの顧客体験設計に携わっているマーケターにとって、自社のテクノロジースタックとの接続性を確認しながら導入計画を練る段階に入れる発表だと感じました。
References
- ^ PR TIMES. 「アドビ、Adobe Summit 2026でエージェント型AI時代における顧客体験オーケストレーションのビジョンを再定義する「Adobe CX Enterprise」を発表 | アドビ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000541.000041087.html, (参照 26-04-21).
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