Illustratorで図形を作成する方法は、デザイン作業の基礎となる重要なスキルです。長方形や円、多角形といった図形を自在に描けるようになれば、ロゴデザインやイラスト制作、レイアウト作業など、あらゆるデザインワークの効率が大幅に向上します。
しかし、Illustratorには複数の図形ツールがあり、それぞれ操作方法や特徴が異なるため、初めて使う方はどのツールをどう使えばよいのか迷うこともあると思います。「ドラッグ操作とクリック操作の使い分け」や「キーボードショートカットの活用方法」などを知らないと、思い通りの図形を効率的に作成することが難しくなります。
この記事では、Illustratorで基本的な図形を作成する方法、ドラッグ操作やクリック操作による作成方法など、実務で使える図形作成の技術を詳しく解説していきます。
Illustratorで基本的な図形を作成する方法
Illustratorで図形を作成する際は、ツールパネルから目的に応じた図形ツールを選択することで、様々な形状を描画できます。基本的な図形ツールには以下の4つがあり、それぞれ異なる形状の図形を作成する際に使用します。
- 長方形ツール
- 楕円形ツール
- 多角形ツール
- スターツール
それぞれのツールの特徴を理解することによって、デザインワークにおいて必要な図形を素早く正確に作成できるようになります。それでは各項目について、詳しく解説していきます。
長方形ツールで四角形を作る
Adobe Illustratorの長方形ツールは、四角形や正方形を作成する際に使用する基本的な図形ツールです。ツールパネルの左側にある四角形のアイコンをクリックするか、キーボードで「M」キーを押すことで選択できます。
長方形ツールで図形を作成する際の特徴は、以下の通りです。
- アートボード上でドラッグすることで任意のサイズの四角形を作成
- Shiftキーを押しながらドラッグすると正方形を作成
- Altキー(Macの場合はOption)を押しながらドラッグすると中心から四角形を作成
- アートボード上でクリックすると数値入力ダイアログが表示され、正確なサイズを指定可能
長方形ツールは最も使用頻度の高い図形ツールで、レイアウトの枠組み作成やボタンのデザイン、背景要素の配置など、様々な場面で活用されます。Shiftキーとの組み合わせで正方形を作成できる点を覚えておくと、作業効率が大幅に向上するでしょう。
楕円形ツールで円を作る
楕円形ツールは、円や楕円を作成する際に使用する図形ツールです。ツールパネルで長方形ツールのアイコンを長押しすると表示されるメニューから選択するか、キーボードで「L」キーを押すことで選択できます。
楕円形ツールで図形を作成する際の特徴は、以下の通りです。
- アートボード上でドラッグすることで任意のサイズの楕円を作成
- Shiftキーを押しながらドラッグすると正円を作成
- Altキー(Macの場合はOption)を押しながらドラッグすると中心から楕円を作成
- アートボード上でクリックすると数値入力ダイアログが表示され、正確なサイズを指定可能
楕円形ツールはロゴデザインやアイコン作成、装飾要素の配置など、曲線的な要素を使用する場面で頻繁に使用されます。正円を作成する際はShiftキーを押しながら操作すると、縦横比が1:1の完璧な円を簡単に描画できるため、この操作方法を習得しておくことが重要です。
多角形ツールで多角形を作る
多角形ツールは三角形や五角形、六角形などの正多角形を作成する際に使用する図形ツールです。ツールパネルで長方形ツールのアイコンを長押しすると表示されるメニューから選択できます。
多角形ツールで図形を作成する際の特徴は、以下の通りです。
- アートボード上でドラッグすることで多角形を作成
- ドラッグ中に↑キーまたは↓キーを押すことで辺の数を増減
- Shiftキーを押しながらドラッグすると辺が水平または垂直に整列
- アートボード上でクリックすると数値入力ダイアログが表示され、辺の数と半径を指定可能
多角形ツールは幾何学的なデザインやパターン作成、アイコンのベース図形として活用されます。ドラッグ中に矢印キーで辺の数を調整できる機能により、三角形から十角形以上の複雑な多角形まで、自由に形状を変更しながら作成できる点が特徴です。
スターツールで星形を作る
スターツールは、星形や放射状の図形を作成する際に使用する図形ツールです。ツールパネルで長方形ツールのアイコンを長押しすると表示されるメニューから選択できます。
スターツールで図形を作成する際の特徴は、以下の通りです。
- アートボード上でドラッグすることで星形を作成
- ドラッグ中に↑キーまたは↓キーを押すことで頂点の数を増減
- ドラッグ中にCtrlキー(Macの場合はCommand)を押すことで内側の半径を調整
- Shiftキーを押しながらドラッグすると頂点が水平または垂直に整列
- アートボード上でクリックすると数値入力ダイアログが表示され、頂点の数と半径を指定可能
スターツールは、装飾的な要素やアイコン、バッジデザインなどに使用されます。Ctrlキー(Macの場合はCommand)を押しながら内側の半径を調整することで、鋭い星形から丸みを帯びた星形まで、多様なバリエーションを作成できるでしょう。
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Illustratorでドラッグ操作により図形を作成する方法
Illustratorで図形を作成する際、ドラッグ操作は最も直感的で素早く図形を描画できる方法です。マウスやペンタブレットを使用してアートボード上をドラッグすることで、視覚的に確認しながら自由なサイズの図形を作成できます。
ドラッグ操作による図形作成方法は、以下の3つです。
- 自由なサイズで図形を作る
- 正方形や正円を作る
- 中心から図形を作る
それぞれの方法は、キーボードの修飾キーとの組み合わせによって実現でき、デザインワークにおける作業効率を大幅に向上させます。修飾キーの使い方を理解することで、より正確で意図した通りの図形を短時間で作成できるようになるでしょう。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
自由なサイズで図形を作る
自由なサイズで図形を作成する方法は、図形ツールを選択した状態でアートボード上をドラッグするだけです。ドラッグを開始した地点が図形の角や端になり、マウスを移動させながらリアルタイムで図形のサイズと形状を確認できます。
自由なサイズでの図形作成の特徴は、以下の通りです。
- ドラッグ開始位置から対角線方向に図形が拡大
- ドラッグ中に図形のプレビューが表示され、サイズを視覚的に確認可能
- マウスボタンを離した時点で図形が確定
- 縦横比は自由に調整でき、長方形や楕円など縦長・横長の図形も作成可能
この方法は「レイアウトの大まかな配置を決める場合」や「視覚的に判断しながら図形を配置したい場合」に適しています。正確なサイズよりも、デザイン全体のバランスを見ながら、直感的に図形を配置したい場面で活用すると良いでしょう。
正方形や正円を作る
正方形や正円を作成する際は、図形ツールを選択した状態で「Shiftキー」を押しながらドラッグします。Shiftキーを押すことで縦横比が1:1に固定され、長方形ツールであれば正方形、楕円形ツールであれば正円が作成されます。
Shiftキーを使用した図形作成の特徴は、以下の通りです。
- ドラッグ中にShiftキーを押すことで縦横比が1:1に固定
- Shiftキーを離すと通常のドラッグ操作に戻り、縦横比の制約が解除
- 多角形ツールやスターツールでは、図形の辺や頂点が水平または垂直に整列
- 正確な比率の図形を素早く作成できるため作業効率が向上
この方法はアイコンデザインやロゴ制作など、正確な図形が必要な場面で頻繁に使用されます。Shiftキーは他の修飾キーと組み合わせて使用することも可能です、例えば、ShiftキーとAltキー(Macの場合はOption)を同時に押しながらドラッグすると、中心から正方形や正円を作成できます。
中心から図形を作る
中心から図形を作成する際は、図形ツールを選択した状態でAltキー(Macの場合はOption)を押しながらドラッグします。通常のドラッグ操作では、ドラッグ開始位置が図形の角や端になりますが、Altキーを押すことでドラッグ開始位置が図形の中心になります。
中心からの図形作成の特徴は、以下の通りです。
- ドラッグ開始位置を中心として四方向に均等に図形が拡大
- 特定の位置を基準に図形を配置したい場合に正確な位置決めが可能
- Altキーを離すと通常のドラッグ操作に切り替わり、角基準の作成に戻る
- ShiftキーとAltキーを同時に押すことで、中心から正方形や正円を作成可能
この方法は、既存のオブジェクトの中心に図形を配置したい場合、放射状のデザインを作成する場合、などに特に有効です。中心点を基準に図形を作成することで、整列や配置の手間を省き、より効率的にデザインワークを進められるでしょう。
Illustratorで数値指定により図形を作成する方法
Illustratorで正確なサイズの図形を作成する際は、数値を指定する方法が最も確実です。図形ツールを選択した状態でアートボード上をクリックすると、図形のサイズを数値で入力するダイアログボックスが表示され、ミリメートル、ピクセル、ポイントなどの単位で正確な寸法を指定できます。
数値指定による図形作成方法は、以下の3つです。
- 長方形の幅と高さを指定する
- 楕円形の幅と高さを指定する
- 多角形の辺の数と半径を指定する
それぞれのツールで表示されるダイアログボックスは若干異なりますが、数値を入力してOKボタンを押すことで、クリックした位置を基準に指定したサイズの図形が作成されます。印刷物やWebデザインなど、正確なサイズ指定が必要な場面で活用できるでしょう。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
長方形の幅と高さを指定する
長方形ツールを選択した状態でアートボード上をクリックすると、長方形のオプションダイアログボックスが表示されます。このダイアログでは、幅と高さの数値を個別に入力することで、正確なサイズの四角形を作成できます。
長方形の数値指定の手順は、以下の通りです。
- 長方形ツールを選択し、アートボード上の図形を配置したい位置をクリック
- 表示されたダイアログボックスの「幅」欄に横のサイズを入力
- 「高さ」欄に縦のサイズを入力
- OKボタンをクリックすることで、クリックした位置を左上の角として図形が作成
この方法を使用すると、例えば、「名刺サイズ(91mm×55mm)」や「A4サイズ(210mm×297mm)」など、規格に基づいたサイズの図形を一瞬で作成できます。幅と高さに同じ数値を入力すれば正方形も作成できるため、Shiftキーを使わず正方形を作りたい場合にも有効です。
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楕円形の幅と高さを指定する
楕円形ツールを選択した状態でアートボード上をクリックすると、楕円形のオプションダイアログボックスが表示されます。長方形と同様に、幅と高さの数値を個別に入力することで、正確なサイズの楕円や正円を作成できます。
楕円形の数値指定の手順は、以下の通りです。
- 楕円形ツールを選択し、アートボード上の図形を配置したい位置をクリック
- 表示されたダイアログボックスの「幅」欄に横のサイズを入力
- 「高さ」欄に縦のサイズを入力
- OKボタンをクリックすることで、クリックした位置を中心として図形が作成
楕円形の場合、長方形とは異なり、クリックした位置が図形の中心になる点に注意が必要です。幅と高さに同じ数値を入力することで完璧な正円を作成できるため、アイコンデザインやロゴ制作において、正確な寸法の円が必要な場面で活躍します。
多角形の辺の数と半径を指定する
多角形ツールを選択した状態でアートボード上をクリックすると、多角形のオプションダイアログボックスが表示されます。このダイアログでは、辺の数と半径を数値で指定することで、正確なサイズの多角形を作成できます。
多角形の数値指定の手順は、以下の通りです。
- 多角形ツールを選択し、アートボード上の図形を配置したい位置をクリック
- 表示されたダイアログボックスの「辺の数」欄に3以上の整数を入力
- 「半径」欄に多角形の中心から頂点までの距離を入力
- OKボタンをクリックすることで、クリックした位置を中心として図形が作成
辺の数を3に設定すれば正三角形、6に設定すれば正六角形というように、様々な正多角形を正確に作成できます。半径を指定することによって、複数の多角形を同じ大きさで作成する必要がある場合でも、一貫したサイズを維持できるため、パターンデザインや幾何学的なイラスト制作に適した方法です。
Illustratorの角丸長方形ツールで角丸図形を作成する方法
Illustratorで角が丸い図形を作成する際は、角丸長方形ツールやライブコーナー機能を使用します。角丸の図形はWebデザインのボタンやカード型のレイアウト、やわらかい印象を与えたいデザイン要素などに使用されます。
角丸図形を作成する方法は、以下の3つです。
- 角丸長方形ツールを使用する
- ライブコーナーウィジェットで角を丸くする
- 個別の角だけを丸くする
それぞれの方法には特徴があり、作成後に角の丸みを調整できる柔軟性も備えています。デザインの要件に応じて適切な方法を選択することで、効率的に角丸図形を作成できるようになるでしょう。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
角丸長方形ツールを使用する
角丸長方形ツールは、最初から角が丸い四角形を作成できる専用の図形ツールです。ツールパネルで長方形ツールのアイコンを長押しすると、表示されるメニューから選択できます。
角丸長方形ツールの使用方法は、以下の通りです。
- 角丸長方形ツールを選択し、アートボード上でドラッグして図形を作成
- ドラッグ中に↑キーまたは↓キーを押すことで角の丸みを調整
- Shiftキーを押しながらドラッグすると角丸正方形を作成
- アートボード上でクリックすると数値入力ダイアログが表示され、幅、高さ、角丸の半径を指定可能
この方法は、一定の角丸を持つ図形を素早く作成したい場合に最適です。作成後も角の丸みを変更できるため、デザインの調整が容易に行えます。また、角丸の半径を数値で指定することで、統一感のあるデザインを作成できるようになるでしょう。
ライブコーナーウィジェットで角を丸くする
ライブコーナー機能は、既に作成した長方形の角を後から丸くする機能です。ダイレクト選択ツールで図形を選択すると、各角にライブコーナーウィジェットと呼ばれる小さな丸いハンドルが表示されます。
ライブコーナーウィジェットの使用方法は、以下の通りです。
- ダイレクト選択ツール(白い矢印)で長方形を選択
- 各角に表示される小さな丸いウィジェットを内側にドラッグ
- ドラッグするほど角の丸みが増加
- 4つの角を同時に丸くしたい場合は、図形全体を選択した状態でウィジェットをドラッグ
この方法は、既存の長方形を角丸に変更したい場合、デザイン中に角の丸みを調整しながら最適な形状を探りたい場合、などに便利です。視覚的に確認しながらリアルタイムで調整できるため、直感的な操作が可能になるでしょう。
個別の角だけを丸くする
ライブコーナー機能を使用すると、4つの角のうち特定の角だけを丸くすることもできます。この機能により、上2つの角だけを丸くしたタブのような形状や片側だけ角丸の図形など、より自由度の高いデザインが実現します。
個別の角を丸くする方法は、以下の通りです。
- ダイレクト選択ツールで長方形を選択
- 丸くしたい角のライブコーナーウィジェットのみをドラッグ
- 複数の角を同じ丸みにしたい場合は、Shiftキーを押しながら複数のウィジェットをドラッグ
- 角のポイントを直接選択した状態で、コーナーパネルから数値を入力して調整することも可能
この方法は、Webデザインのタブやカード型UIなど、一部の角だけが丸い特殊な形状が必要な場面で活用されます。各角を個別にコントロールできるため、デザインの自由度が大幅に向上し、より洗練されたレイアウトを作成できるでしょう。
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