データベースを初めて作る初心者にとって、どのツールを使えば良いのか、どのような手順で作成すれば良いのか、などがわからず困っている方が多いと思います。ExcelやMySQL、PostgreSQLなど、様々なツールがある中で、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
データベースを作成することで大量のデータを効率的に管理し、必要な情報を素早く取り出すことができるようになります。顧客情報の管理や在庫管理など、ビジネスの様々な場面でデータベースは活用されています。
この記事では、初心者がデータベースを作る際の基本的な手順、ExcelやMySQL、PostgreSQLでデータベースを作る方法について、詳しく解説していきます。
データベースの作り方の基本
データベースを作成する際は、どのツールを使う場合でも、共通する基本的な手順があります。この手順を理解することで、効率的にデータベースを構築できます。
データベースの作り方の基本手順として、以下の4つがあります。
- 目的を明確にする
- 管理する項目を決める
- データを入力する
- データベース化する
これらの手順は、どのようなデータベースを作る場合でも、必要となる基礎的なプロセスです。それぞれの手順を丁寧に進めることで、使いやすいデータベースを作成できます。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
目的を明確にする
データベースを作る最初のステップは、何のためにデータベースを作るのかを明確にすることです。目的が曖昧なままデータベースを作ると、後から必要な項目が不足していたり、不要な項目が多すぎたりする問題が発生します。
目的を明確にする際は、以下の点を考慮しましょう。
- どのような情報を管理したいのか
- 誰がデータベースを使用するのか
- どのような場面で使用するのか
- どのような操作を行う必要があるのか
例えば、顧客情報を管理する場合、営業活動で使用する顧客の連絡先や購買履歴を管理し、適切なタイミングで営業アプローチを行う、といった具体的な目的を設定します。目的が明確であれば、必要な項目や機能を適切に判断できるようになります。
管理する項目を決める
目的が明確になったら、次にデータベースで管理する項目を決めます。項目が多すぎると入力や検索に時間がかかり、少なすぎると必要な情報が不足します。
顧客管理のデータベースを作る場合、一般的に以下のような項目を設定します。
| 項目カテゴリ | 具体的な項目例 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名、会社名、部署名、役職 |
| 連絡先 | 電話番号、メールアドレス、住所 |
| 取引情報 | 購入商品、購入日、購入金額 |
| 管理情報 | 登録日、最終更新日、担当者名 |
項目を決める際は、将来的に必要になる可能性がある項目も含めて検討しますが、最初から完璧を目指す必要はありません。運用しながら追加や削除を行うことも可能です。
データを入力する
管理する項目が決まったら、実際にデータを入力していきます。データ入力は、データベースの品質を左右する重要な作業です。
データを入力する際は、以下のルールを守ることで後の管理が楽になります。
- 入力形式を統一する
- 必須項目は必ず入力する
- 重複したデータを入力しない
- 空白や不要なスペースを入れない
例えば、電話番号を入力する場合は「03-1234-5678」のようにハイフンを入れる形式で統一します。日付を入力する場合は「2025/01/01」のような形式で統一することで、後から検索や並び替えを行う際にスムーズに処理できます。
データベース化する
データを入力したら、最後にデータベースとして機能するように設定を行います。データベース化することで、データの検索や並び替え、集計といった操作が簡単に行えるようになります。
データベース化する際に設定する、主な機能は以下の通りです。
- 検索機能
- 並び替え機能
- フィルター機能
- 集計機能
これらの機能を設定することで、大量のデータの中から必要な情報を素早く取り出したり、条件に合うデータだけを表示したりすることができます。使用するツールによって設定方法は異なりますが、基本的な考え方は共通しています。
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Excelでデータベースを作る方法
Excelは多くの人が使い慣れたツールであり、初心者がデータベースを作るのに最適です。専門的な知識がなくても、Excelの基本機能を使ってデータベースを作成できます。
Excelでデータベースを作る方法として、以下3つを理解しておきましょう。
- テーブル機能を設定する
- プルダウン機能を設定する
- フィルター機能を設定する
これらの機能を組み合わせることで、データの管理や検索が効率的に行えるデータベースを作成できます。Excelは初期費用がかからず、誰でも使いやすいという利点があります。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
テーブル機能を設定する
Excelのテーブル機能は、入力したデータをデータベースとして扱えるようにする基本的な機能です。テーブル機能を設定すると、各項目名の右側にボタンが表示され、並び替えやフィルター機能が使えるようになります。
テーブル機能を設定する手順は、以下の通りです。
- データベース化したい範囲を選択する
- ホームタブからテーブルとしての書式設定を選択する
- 好きなデザインのテーブルを選択する
- 先頭行をテーブルの見出しとして使用するにチェックを入れる
テーブル機能を設定すると、項目名の位置が固定されるため、データ量が多くても画面をスクロールして見やすくなります。また、1行ごとに自動で背景色が変わり、視認性が向上します。
プルダウン機能を設定する
プルダウン機能を設定すると、ボタンをクリックするだけで、事前に作成したリストから項目を選択できます。入力の手間を省き、入力ミスを防ぐことができる便利な機能です。
プルダウン機能を設定する手順は、以下の通りです。
- 設定したいセルの範囲を選択する
- データタブからデータの入力規則を選択する
- 設定内にある入力値の種類からリストを選択する
- 元の値の欄にリストの範囲を指定する
例えば、担当者名や商品カテゴリなど、決まった選択肢から選ぶ項目に、プルダウン機能を設定すると便利です。毎回手入力する必要がなくなり、表記揺れも防げます。
フィルター機能を設定する
フィルター機能は、特定の条件に当てはまるデータを抽出したり、並べ替えを行ったりする機能です。テーブル機能を設定すると、自動的に使えるようになります。
フィルター機能の使い方として、以下のようなパターンがあります。
| 操作内容 | 具体的な方法 |
|---|---|
| データを並び替える | 項目名のボタンから昇順または降順を選択する |
| 特定の値で絞り込む | 項目名のボタンから表示したい値だけにチェックを入れる |
| 条件で絞り込む | 項目名のボタンからフィルターを選び条件を指定する |
例えば、購入金額の高い順にデータを並べたい場合は、金額の項目のボタンから降順を選択します。特定の月のデータだけを表示したい場合は、日付の項目のボタンから該当する月だけを選択します。
MySQLでデータベースを作る方法
MySQLは、データベース管理システムとして、広く使われているツールです。Excelよりも高度なデータ管理が可能で、大量のデータを扱う場合に適しています。
MySQLでデータベースを作る方法として、以下3つを理解しておきましょう。
- データベースを作成する
- テーブルを作成する
- データを追加する
MySQLでは、SQL文と呼ばれるコマンドを使って、データベースを操作します。最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的なコマンドを覚えれば、初心者でも扱えるようになります。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
データベースを作成する
MySQLでデータベースを作成するには、CREATE DATABASE文を使用します。データベースを作成する基本的なコマンドは、以下の通りです。
CREATE DATABASE データベース名;
例えば、shopという名前のデータベースを作成する場合は、以下のように記述します。コマンドの末尾には必ずセミコロンを付けることを忘れないようにしましょう。
CREATE DATABASE shop;
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テーブルを作成する
データベースを作成したら、次にテーブルを作成します。テーブルはデータが実際に格納される表のようなもので、行と列で構成されています。
テーブルを作成する基本的なコマンドは、以下の通りです。
CREATE TABLE テーブル名 (
カラム名1 データ型,
カラム名2 データ型,
PRIMARY KEY (主キー)
);
例えば、商品情報を管理するproductsテーブルを作成する場合は、以下のように記述します。idは自動で連番を付けるAUTO_INCREMENT、nameは文字列を格納するTEXT、priceは整数を格納するINTを指定します。
CREATE TABLE products (
id INT AUTO_INCREMENT,
name TEXT,
price INT,
PRIMARY KEY (id)
);
データを追加する
テーブルを作成したら、INSERT文を使ってデータを追加します。INSERT文は、テーブルに新しい行を追加するためのコマンドです。
データを追加する基本的なコマンドは、以下の通りです。
INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2) VALUES (値1, 値2);
例えば、productsテーブルにオレンジという商品を追加する場合は、以下のように記述します。idはAUTO_INCREMENTを設定しているため、自動で番号が割り振られます。
INSERT INTO products (name, price) VALUES ('オレンジ', 100);
データが追加できたら、SELECT文でテーブルの内容を確認できます。SELECT * FROM テーブル名と記述すると、テーブルの全データを表示できます。
PostgreSQLでデータベースを作る方法
PostgreSQLは、高機能で信頼性の高いオープンソースのデータベース管理システムです。MySQLと並んで広く使われており、大規模なシステムでも採用されています。
PostgreSQLでデータベースを作る方法として、以下3つを理解しておきましょう。
- データベースを作成する
- テーブルを作成する
- データを追加する
PostgreSQLはMySQLと同様に、SQL文を使ってデータベースを操作しますが、より厳密なデータ型やトランザクション処理に対応しています。複雑なデータ管理が必要な場合に適したツールです。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
データベースを作成する
PostgreSQLでデータベースを作成するには、CREATE DATABASE文を使用します。MySQLと同様の構文ですが、PostgreSQLではより詳細な設定が可能です。
データベースを作成する基本的なコマンドは、以下の通りです。
CREATE DATABASE データベース名;
例えば、companyという名前のデータベースを作成する場合は、以下のように記述します。PostgreSQLでは、コマンドの実行後に作成完了のメッセージが表示されます。
CREATE DATABASE company;
テーブルを作成する
データベースを作成したら、次にテーブルを作成します。PostgreSQLでは、MySQLよりも多様なデータ型が用意されており、より厳密なデータ管理が可能です。
テーブルを作成する基本的なコマンドは、以下の通りです。
CREATE TABLE テーブル名 (
カラム名1 データ型,
カラム名2 データ型,
PRIMARY KEY (主キー)
);
例えば、社員情報を管理するemployeesテーブルを作成する場合は、以下のように記述します。idは自動で連番を付けるSERIAL、nameは可変長文字列のVARCHAR、salaryは整数のINTEGERを指定します。
CREATE TABLE employees (
id SERIAL,
name VARCHAR(100),
salary INTEGER,
PRIMARY KEY (id)
);
データを追加する
テーブルを作成したら、INSERT文を使ってデータを追加します。PostgreSQLのINSERT文は、MySQLと基本的に同じ構文ですが、より厳密な型チェックが行われます。
データを追加する基本的なコマンドは、以下の通りです。
INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2) VALUES (値1, 値2);
例えば、employeesテーブルに山田太郎という社員を追加する場合は、以下のように記述します。idはSERIAL型を設定しているため、自動で番号が割り振られます。
INSERT INTO employees (name, salary) VALUES ('山田太郎', 300000);
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