株式会社ELEMENTSは、セルフ式サービスステーション(SS)向けAI自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION(アイキューパーミッション)」について、関連法令に準拠した試験で国内初の「試験確認証明書」を取得し、全国のSSへ販売を開始しました。
AiQ PERMISSIONが国内初「試験確認証明書」を取得するまでの経緯
「AiQ PERMISSION」は2018年から開発を開始しました。2024年に危険物保安技術協会(KHK)による技術基準適合確認試験に合格し、合格後は複数店舗で実証実験を継続してきました。
2026年4月1日より、危険物保安技術協会(KHK)は条件付自動制御システムの試験確認業務を開始しています。この試験では、実証実験中のシステムの運用・管理体制が適切に構築され実用に適しているか、条件付自動制御装置を使用した監視システムに求められる仕様・機能が備わっているかを確認します。「AiQ PERMISSION」は改正後の関連法令に準拠した実装機でこの試験に合格し、国内初の「試験確認証明書」を取得しました。
また、販売開始の背景には法改正があります。1998年のセルフ給油解禁以来、セルフ式SSにおける給油許可・監視は人が行うことが安全管理上の必須条件でしたが、2026年2月27日の法改正により規制が緩和され、一定の条件を満たした「自動制御装置」の導入が認められることとなりました。
AiQ PERMISSION開発の出発点となった給油所数減少の業界課題
国内の給油所(SS)数は、1994年度末の60,421箇所をピークに減少が続いており、2024年度末には27,009箇所と、30年間で半数以下になりました。燃料油需要の減少に加え、近年では人員不足や後継者不在による閉店も要因の一つとして挙げられます。特に過疎地域では、SSの閉店が「地域インフラの危機」として、大きな課題になっています。
こうした状況を受け、総務省消防庁は「危険物施設におけるスマート保安等に係る調査検討会」にて、セルフ給油取扱所におけるAI等による給油許可監視支援についての議論を2021年より開始しました。この検討会はその後5年にわたり継続して開催され、2026年3月に「危険物施設におけるスマート保安等に係る調査検討報告書」がとりまとめられました。同システムは2018年から開発が開始され、実証実験が重ねられる中、国側でもスマート保安に係る調査検討が積み上げられてきました。
AiQ PERMISSIONの主な機能と特徴
「AiQ PERMISSION」は、給油者や車の状態を捉えるカメラ映像をもとに、AIが判定を行います。リスク行為がなければ給油許可を実行し、リスク行為を検知した場合は従業員への警告または給油停止を行います。主な特徴は以下の通りです。
- 給油許可後も継続して火気検知などの監視を実施
- 規模・レーン配置・カメラ設置条件が異なる複数店舗での動作を確認済み
- 積雪地域での検証を経て、視認性が悪化する条件下でも安定運用を実証
- リスク検知時のみ従業員が対応し、高付加価値業務への集中を支援
同システムにより、従業員の給油許可確認作業の負担軽減につながります。人のみでの監視より高い安全性の確保を支援しながら、ヒューマンエラーによる事故やトラブルの防止にも寄与する仕組みです。販売価格は諸条件により異なり、個別での問い合わせが必要です。
株式会社ELEMENTSとAiQ PERMISSIONの基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ELEMENTS |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋本町3-8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 5階 |
| 代表者 | 代表取締役社長 長谷川 敬起氏 |
| 設立 | 2013年12月 |
| 証券コード | 東証グロース市場 5246 |
| 事業内容 | 生体認証・画像解析・機械学習技術を活用した個人認証ソリューション、衣食住における個人最適化ソリューション、個人情報を管理するクラウドサービスの開発・提供 |
| サービス名 | AiQ PERMISSION(アイキューパーミッション) |
| カテゴリ | AI自動給油許可監視システム |
| 特許番号 | 特許第7584211号、特許第7648314号 |
| 試験確認証明書 | 国内初取得(危険物保安技術協会による条件付自動制御システム試験) |
| 開発開始 | 2018年(販売開始まで約7年) |
| 販売価格 | 諸条件により異なる(要問い合わせ) |
| 公式サイト | https://elementsinc.jp/aiq-permission/ |
trends編集部の一言
1994年度末に60,421箇所あった国内SSが2024年度末には27,009箇所と、30年間で半数以下になったという数字は、インフラ維持の観点から見てもかなり深刻です。ガソリンスタンド(SS)業界全体としては、人員不足・後継者不在・需要減少が重なる構造的な動向が続いています。地域インフラの維持が限界を迎えつつある状況は、業界を超えて共通の課題として認識されつつあります。
今回のように、法整備の進展と技術実証の積み上げが合流して、はじめて販売にこぎつけるプロセスは、規制産業への新技術導入の典型的な難しさを示しています。「国内初の試験確認証明書取得」というマイルストーンは、単なる製品ローンチではなく、制度と技術が同時に動いた結果といえるでしょう。過去に大手の採用予定が報じられるなど注目を集めてきたシステムであり、今後の普及の広がりが注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「セルフ式サービスステーション(SS)の無人化を目指すAI自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION(アイキューパーミッション)」全国のSSに向け販売開始 | 株式会社ELEMENTSのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000061051.html, (参照 26-05-26).
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