スプレッドシートのDSTDEV関数とは
DSTDEV関数は、データベース形式の表や範囲からSQLに似たクエリを使用して選択された母集団の標本の標準偏差を返す関数です。この関数はGoogleスプレッドシートにおけるデータベース系関数の一つで、大量のデータから特定の条件を満たすレコードのみを抽出して統計計算を実行するという特徴があります。
標準偏差は統計分析において重要な指標の一つで、データのばらつき度合いを数値化する際に使用されています。DSTDEV関数では、条件に該当するデータ群から標本の標準偏差を算出するため、母集団全体ではなく標本データに基づいた統計値を取得できます。
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基本的な構文と引数の詳細
DSTDEV関数の構文はDSTDEV(database, field, criteria)で構成されており、3つの引数が必須となっています。database引数はデータを含む配列または範囲を指定し、最初の行が各列の値のラベルを含むように構造化されている必要があります。
DSTDEV(A2:F20,"価格",A22:D23)field引数はdatabaseのどの列から値を抽出して操作するかを示し、最初の行の列ヘッダーに対応するテキストラベルまたは最初の列の値が1となる列を示す数値インデックスを指定します。criteria引数は、操作前にdatabase値をフィルタリングするための0個以上の条件を含む配列または範囲を設定します。
実際の使用例として、商品データベースから特定のカテゴリに属する商品の価格の標準偏差を計算する場合があります。条件範囲には列名と該当する値を設定し、field引数には標準偏差を求めたい列名または列番号を指定すると、条件に合致したデータのみから統計値が算出されます。
関連する統計関数との違い
DSTDEV関数と類似する統計関数には標本標準偏差を計算するSTDEV関数がありますが、両者には適用範囲に大きな違いがあります。STDEV関数は指定した範囲全体の標準偏差を計算する一方で、DSTDEV関数は条件に合致するデータのみを対象として標準偏差を算出することができます。
DSTDEVP(A1:F100,"売上",{"地域";"東京"})DSTDEVP関数は母集団全体の標準偏差を返すのに対し、DSTDEV関数は標本の標準偏差を計算するという統計学的な違いも存在しています。標本標準偏差は分母にn-1を使用するため、同じデータセットでもDSTDEVPよりもDSTDEVの方が若干大きな値を返すことが一般的です。
データベース系関数ファミリーには、DVAR（標本分散）、DVARP（母分散）、DSUM（合計）、DAVERAGE（平均）、DCOUNT（数値カウント）、DCOUNTA（値カウント）なども含まれます。これらの関数はすべて同じ構文形式を持ち、条件付きでデータベースから値を抽出して各種統計計算を実行するという共通の特徴を備えています。
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