Nutanixとは?意味をわかりやすく簡単に解説
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仮想化インフラの構築に向けてNutanixの導入を検討する際、サーバーやスイッチ、共有ストレージを別々に組み合わせる従来の3Tier(スリーティア)構成による複雑な管理に悩まされた経験はないでしょうか。HCI(ハイパーコンバージドインフラ)と呼ばれる、サーバーとストレージをソフトウェアで統合した仮想化基盤の仕組みを活用すれば、シンプルな管理体制と柔軟な拡張性を実現できます。
この記事では、Nutanixとはどのような仮想化基盤なのかという基本的な定義や全体像を解説するだけではなく、導入するメリットや移行時の注意点、VMware(ヴイエムウェア)製品との違いまで詳しく紹介します。自社のインフラ刷新やコスト削減を目指すシステム管理者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 仮想化インフラであるNutanixとは
- AOSでストレージを統合する
- AHVで仮想化を効率化する
- Prismで管理をシンプルにする
- Nutanixを導入するメリット
- インフラの管理工数を削減する
- ライセンスにかかるコストを抑える
- インフラの拡張を容易にする
- Nutanixに移行する際の注意点
- 導入に伴う初期コストを考慮する
- 移行に向けた事前設計を丁寧に行う
- 運用に必要な技術知識を習得する
- NutanixがVMwareベースの3Tier構成の代替となる理由
- システム構成を比較する
- 管理ツールの機能を比較する
- 構築にかかる手間を比較する
- ライセンス費用を比較する
- Nutanixの導入が想定される活用シーン
- 金融機関での活用
- 製造業での活用
- IT企業での活用
- Nutanixとはに関するよくある質問
- Nutanixの無料体験版はありますか?
- Nutanixの導入に必要な資格はありますか?
- Nutanixのサポート体制はどうなっていますか?
仮想化インフラであるNutanixとは
Nutanixは、米国Nutanix, Inc.が提供するクラウドインフラ製品群の総称であり、開発元である企業名としても使われる言葉です。この記事では、サーバーとストレージをソフトウェアで統合するHCI製品群であるNutanix Cloud Platformを中心に、仮想化基盤としての仕組みを解説します。
このセクションでは、ストレージ統合や仮想化の効率化、一元的な管理を担う代表的な3つのコンポーネントを紹介します。構成は契約する製品・エディションや採用するハイパーバイザーによって変わるため、AOSやAHV、Prismは常に固定された必須要素というわけではありません。
Nutanixを構成する代表的な3つのコンポーネントと役割をまとめた表は、以下の通りです。
| コンポーネント | 主な役割と機能 |
|---|---|
| AOS | 物理的なストレージ領域を1つに統合します。 |
| AHV | Nutanix製品に標準提供されるハイパーバイザーで、契約条件によっては他社製ライセンス費用を抑えられます。 |
| Prism | 直感的な画面でインフラを一元管理します。 |
これらのコンポーネントが密接に連携することによって、管理工数の削減とコストの最適化を同時に実現できます。なお、ハイパーバイザーにはAHVのほかVMware ESXiを選択できる構成もあり、採用する製品やエディションによって、利用できる機能は異なります。
AOSでストレージを統合する
AOS(Acropolis Operating System)は、複数の物理サーバーが持つストレージ領域を統合して制御するプラットフォームの基本ソフトウェアです。この基盤は、専用のハードウェアではなくソフトウェアでストレージ機能を制御するSDS(ソフトウェア定義ストレージ)技術を核として稼働します。
新しい物理サーバーを追加する際は、対応ノードかどうかの互換性確認とクラスタへの参加作業、ネットワーク設定が前提となりますが、事前の複雑なボリューム設計を伴わずにストレージ領域をオンラインのまま拡張できます。
AOSが備えている代表的な機能と役割は、以下の通りです。
- 自動的なデータ分散による負荷の均等化
- ストレージの冗長化による高い耐障害性
- システム稼働を維持したままの段階的な容量拡張
物理ディスクが破損した状況下でも、設定済みの冗長性と十分な空き容量が確保されていれば、システムがデータを複製して自動的に再保護を進めます。
AHVで仮想化を効率化する
AHV(Acropolis Hypervisor)は、Nutanix環境向けに最適化された独自のハイパーバイザー(仮想マシンを動作させるための基盤ソフトウェア)です。標準機能として提供されるため、契約するNutanix製品・エディションによっては、他社製ハイパーバイザーの個別ライセンスを別途用意せずに済む場合があります。
仮想マシンの新規作成やリソースの割り当てといった日常的な構築作業は、後述する管理画面から数クリックで完了します。
AHVの導入がインフラ構築の効率化に貢献する主な理由は、以下の通りです。
- 他社製ハイパーバイザーの追加ライセンス費用を抑えられる場合がある構成
- ハイパーバイザー自体の設計や構築の手間の削減
- クラスタの余剰リソースを確保した上で実行するローリング方式のアップデート
従来の仮想化基盤で課題となりがちだった複雑なライセンス管理から解放され、運用コストの削減を見込めます(削減効果は契約内容や既存環境によって異なります)。
Prismで管理をシンプルにする
Prism(プリズム)は、サーバーやストレージ、ハイパーバイザーといったインフラ全体の稼働状況を1つのダッシュボードで一元管理できるWebベースのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)です。これまでシステムごとに個別で起動していた複数の管理ツールを1つに統合することによって、日常の保守業務にかかる負担を軽減します。
ストレージの追加作業やハードウェアのファームウェア更新といった運用タスクは、LCM(Life Cycle Management)機能を通じて、管理画面から実行できます。ただし、対応マトリクスでの互換性確認やクラスタの余剰リソース確保、ノード単位のローリング再起動が前提となり、あらゆる構成・更新で無停止を保証するものではありません。
Prismが提供する運用のシンプル化を支える主な機能は、以下の通りです。
- インフラ全体の健康状態を可視化する画面
- 将来的なリソース不足を自動で予測する機能
- 一元化された画面からの直感的な構成変更
専門的なスキルやコマンドラインの操作に依存せず、事前の対応マトリクス確認と保守計画を組み合わせることによって、迅速かつ計画的にインフラのステータスを判断・更新できる環境が整います。
このように、Nutanix Cloud Platformを支えるのは、AOSやAHV、Prismといった代表的なコンポーネントの組み合わせです。採用する構成や契約条件によって、利用できる機能は変わるため、次章では前提を踏まえた導入メリットを詳しく紹介します。
「Nutanix」の検索需要・市場動向トレンド
データ自動更新日: 2026-08-01過去1年間で最も検索されたピーク時を100とした現在の相対数値
直近4週間と前月の検索ボリュームの平均比較増減値
47都道府県別の関心度一覧
| 地域名 | 関心度指数 |
|---|---|
| 東京都 | 100 |
| 富山県 | 74 |
| 石川県 | 64 |
| 大阪府 | 48 |
| 神奈川県 | 44 |
| 香川県 | 42 |
| 島根県 | 40 |
| 岩手県 | 38 |
| 愛知県 | 36 |
| 千葉県 | 33 |
| 岡山県 | 32 |
| 京都府 | 32 |
| 長野県 | 32 |
| 広島県 | 31 |
| 埼玉県 | 31 |
| 秋田県 | 31 |
| 福岡県 | 28 |
| 山梨県 | 26 |
| 佐賀県 | 25 |
| 沖縄県 | 25 |
| 福井県 | 25 |
| 宮崎県 | 24 |
| 岐阜県 | 23 |
| 茨城県 | 23 |
| 三重県 | 22 |
| 北海道 | 21 |
| 福島県 | 21 |
| 兵庫県 | 20 |
| 愛媛県 | 19 |
| 青森県 | 19 |
| 群馬県 | 19 |
| 静岡県 | 18 |
| 熊本県 | 18 |
| 新潟県 | 17 |
| 栃木県 | 15 |
| 宮城県 | 14 |
| 山口県 | 13 |
| 奈良県 | 13 |
| 滋賀県 | 11 |
| 山形県 | 1 |
| 大分県 | 1 |
| 和歌山県 | 0 |
| 徳島県 | 0 |
| 長崎県 | 0 |
| 高知県 | 0 |
| 鳥取県 | 0 |
| 鹿児島県 | 0 |
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想定年収と求人倍率(2026年8月1日時点)
Nutanixの想定年収・求人倍率の市場観測
- 求人倍率 11.06 倍。求人倍率が極めて高く、慢性的な人材不足が続いている領域です。応募者にとっては選択肢が広く、企業側の競争が強い市況です。
- 想定年収はカテゴリ平均(529万円)とほぼ同水準で、平均的なポジションにあたります。
- 本キーワード単体の市場統計が限定的なため、最も近い関連職種の数値を参考値として表示しています。実際の数値とは差が出る可能性があります。
数字の読み方について
求人倍率= 求人数 ÷ 求職者数(その職種で転職活動をしている人数)。
1.0 を超えると「求職者 1 人に対して 1 件以上の求人がある」状態で、数字が大きいほど企業側が人材を求めている状況を示します。
IT・デジタル領域は全体平均より高い水準で推移する傾向があり、目安として 2.0 倍を超える職種は人材不足が顕在化していると言われます。
このページの想定年収は、転職市場で公開されている職種別年収統計に基づく中央値水準を表示しています。
実年収は経験年数・地域・企業規模・スキル深度・担当範囲によって大きく変動します。
関連職種からの推計値の場合は、より近しい職種の値を参考として掲載しています。
Nutanixの想定年収・求人倍率の月次推移
各月の最終週時点のデータです。前月比は直前の月との差分を示します。
| 月 | 想定年収 | 前月比 | 求人倍率 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年5月 | 475万円 | — | 10.68倍 | — |
| 2026年6月 | 475万円 | 前月比 ±0 | 10.68倍 | 前月比 ±0 |
| 2026年7月 | 477万円 | 前月比 +2万円 | 10.67倍 | 前月比 -0.01倍 |
Nutanixを導入するメリット
Nutanixの導入によって解決できるのは、インフラ運用におけるさまざまな課題です。本セクションでは、特に大きな導入メリットとされる管理工数の削減やコストの抑制、拡張の容易さについて紹介します。
Nutanix導入によって期待できる3つのメリットと、その具体的な効果を比較した表は、以下の通りです。
| 導入メリット | 具体的な効果 |
|---|---|
| インフラの管理工数を削減する | Prismによる一元管理で日常業務を効率化します。 |
| ライセンスにかかるコストを抑える | AHVの標準搭載により、他社製ハイパーバイザーの追加ライセンス費用を抑えられる場合があります。 |
| インフラの拡張を容易にする | 対応ノードを確認した上で、ノードを追加する形で拡張できます。 |
これらのメリットが相互に作用することによって、単なるインフラ刷新にとどまらず、IT部門の業務改革やコスト構造の最適化を支援します。
インフラの管理工数を削減する
従来の仮想化基盤では、サーバーやネットワーク、共有ストレージのそれぞれで個別に管理ツールを使い分ける必要がありました。これに対し、NutanixはWebベースのインターフェースであるPrismを使用して、すべてのリソースを一画面から統合的に管理します。
障害の検知からリソースの確認、ファームウェアの適用に至るまで、システム管理者はブラウザ上で感覚的に操作を実行できます。
統合管理ツールによって実現する、管理工数削減の主な内容は、以下の通りです。
- サーバーとストレージの同時監視
- ローリング方式による更新作業の効率化
- 異常検知時の早期警告システム
複数のコンソールを行き来する手間が省けるため、運用保守にかかる稼働を削減できます。これにより、管理者は本来注力すべきコア業務に専念する時間を作り出せます。
ライセンスにかかるコストを抑える
多くの企業において、商用ハイパーバイザーのライセンス費用やその継続的なサポート費用の高騰は大きな負担です。Nutanixでは、標準搭載の独自ハイパーバイザーであるAHVを利用でき、契約するNutanix製品・エディションによっては他社製ハイパーバイザーの個別ライセンス費用を抑えられます。
既存の他社製仮想化環境からAHVへ移行するための無償ツールも用意されており、スムーズな移行プロセスを進められます。
ライセンスコストの抑制に関連する主なポイントは、以下の通りです。
- AHVの標準搭載による他社製ハイパーバイザーライセンス費用の抑制
- 無償ツールを用いた仮想マシンの円滑な移行
- サードパーティ製管理ツールの契約本数のスリム化
高額なシステム更改費用を抑えられる可能性があるため、インフラ全体のTCO(ハードウェアの購入から運用までにかかる総所有コスト)を最小化することが期待できます。浮いた予算を他のDX推進分野へ再配分することも現実的です。
インフラの拡張を容易にする
従来の3Tier構成では、ディスク容量やサーバー性能が不足した際、システム全体の設計見直しや新規の機器選定に数ヶ月の期間を要していました。Nutanixであれば、必要になったタイミングでサーバーを追加するスケールアウト(物理ノードを追加して処理能力や容量を拡張する手法)を実施できます。
ただし拡張時には、追加するノードの機種・ソフトウェアバージョンがクラスタと互換性を持つかを事前に確認し、ネットワーク設計やクラスタへの参加、データ再保護に必要な時間を織り込んで計画する必要があります。所要時間は環境や構成によって変動するため、自社での検証値として捉えておきましょう。
インフラの拡張を容易にする具体的な特徴は、以下の通りです。
- 対応ノードを確認した上で物理的につなぐだけの追加作業
- サービス継続を目標としたローリング方式による拡張
- 必要な容量だけを部分的に買い足す投資効率の良さ
過剰な先行投資を回避できるため、拡張前の事前確認を踏まえながら、段階的かつ計画的な成長を実現できます。
このように、Nutanixは管理負担の軽減やコストの抑制、柔軟な拡張性という3つの価値をもたらすのが特徴です。一方で、これらの恩恵を最大化するためには、実際の移行作業や運用の過程における留意事項についても、理解を深めておく必要があります。
Nutanixに移行する際の注意点
Nutanixの導入には多くのメリットがある一方、実際の移行作業やその後の運用フェーズにおいては、いくつか把握しておくべき懸念点も存在するのが実情です。事前にこれらのハードルを整理しておくことで、想定外のトラブルを防ぎ、スムーズなインフラ刷新を実現できます。
Nutanixへの移行をスムーズに進めるために検討すべき3つの注意点と、それぞれの概要をまとめた表は、以下の通りです。
| 注意点(項目) | 具体的な内容と対策 |
|---|---|
| 導入に伴う初期コストを考慮する | ハードウェアやライセンスの初期投資額を算出し、長期的なTCOで費用対効果を評価します。 |
| 移行に向けた事前設計を丁寧に行う | 既存のリソース利用状況を把握し、詳細な移行手順や切り戻し計画を策定します。 |
| 運用に必要な技術知識を習得する | 新しい管理方法に対応するため、管理者のトレーニングやマニュアルの整備を進めます。 |
これらの項目について、事前に細かく検証を重ねることで、移行プロジェクトの成功率を格段に高めることが期待できます。
導入に伴う初期コストを考慮する
Nutanixを導入する際には、ハードウェアや初期ライセンスといった初期投資の金額を慎重に見積もる必要があります。従来の3Tier(スリーティア:サーバー、ネットワーク、共有ストレージを個別に組み合わせる従来のインフラ構成)と比較して、HCIはストレージとサーバーが統合された専用筐体を購入するため、初期コストが一時的に高額になりがちです。
初期コストの内訳として考慮すべき代表的な項目を以下に整理しました。
- 物理ハードウェアおよび専用ライセンスの購入費用
- 既存システムから新環境へのデータ移行に伴う作業委託費用
- 移行テストや並行稼働期間中に発生する一時的な二重保守コスト
これらの初期費用は一時的な支出であり、回収できるかどうかはワークロードや既存資産の償却状況、更改時期、サポート・移行費用によって変わります。現行環境と候補構成のCAPEX(初期投資)とOPEX(運用費用)、移行費用、契約期間を含めて比較試算することが欠かせません。
5年や7年といった目安は自社の調達・償却方針に基づく例であり、システム全体のライフサイクルを踏まえて総合的な費用対効果を判断することをおすすめします。
移行に向けた事前設計を丁寧に行う
システム全体の移行作業を安定して完了させるためには、現状の仮想マシンの状態を調査するアセスメント(現状の利用状況を把握して必要なスペックを算出する評価プロセス)が極めて効果的です。既存の仮想マシンのリソース利用状況を十分に把握しないまま移行を進めると、新規環境でリソース不足が発生したり、逆に過剰なスペックを導入して無駄なコストが生じたりします。
移行に向けた事前設計において、確認しておくべき主な項目は、以下の通りです。
- 既存仮想マシンのCPUやメモリ、ディスク容量の実稼働状況の測定
- ネットワーク構成やセグメント変更に伴うIPアドレスの割り当て計画
- トラブル発生時に旧環境へ迅速に戻すための切り戻し手順の策定
詳細なステップと役割分担を定義した移行手順書を事前に作成し、テスト環境での入念なリハーサルを重ねることが成功への近道です。関係各所との密なスケジュール調整を行い、システム停止時間を最小限に抑える計画を事前に練り上げることが求められます。
運用に必要な技術知識を習得する
NutanixはWeb管理画面であるPrismを通じて、誰でも扱いやすいGUIを提供しますが、システムを最適に管理するためには新しいアーキテクチャの理解が欠かせません。これまでの専用共有ストレージを用いた3Tier構成とは根本的なデータ制御の仕組みが異なるため、従来の設計や運用の常識がそのまま通用しない場面もしばしば見られます。
管理者が事前に習得しておくべき技術知識や学習テーマは、以下の通りです。
- AOSがストレージを仮想的に1つにまとめて管理する仕組みの理解
- AHV上で仮想マシンを新規構築し、リソースの追加や削除を行う操作方法
- 障害発生時のデータ復旧プロセスとサポート窓口への問い合わせ手順
トレーニングプログラムや正規代理店が提供する技術情報を活用し、導入前から段階的に社内教育を進めておくことで、引き渡し後の運用開始を円滑に立ち上げられます。
このように、Nutanixへの移行には事前のコスト試算や丁寧な設計、技術習得といったいくつかのハードルを乗り越えることが不可欠です。これらの注意点をクリアした上で、自社に最適な構成を選択するための判断基準として、次章ではVMware製品との具体的な比較について、詳しく解説します。
NutanixがVMwareベースの3Tier構成の代替となる理由
近年、仮想化市場において目立つのは、VMware製品からの移行を模索する動きです。VMwareは仮想化ソフトウェア群であり、vSANを用いることでHCI構成を組むことも可能ですが、本章では従来から広く採用されてきたVMwareベースの3Tier構成とNutanixのHCI構成を比較し、構成・ライセンス・運用要件の違いを整理します。
システム構成を比較する
VMwareを用いた従来型の環境では、サーバーやネットワークスイッチ、共有ストレージをそれぞれ個別に調達して組み合わせる3Tier(スリーティア)構成が広く採用されてきました。この構成と比べて、Nutanixはサーバーとストレージを一体化したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)構成を採用しています(VMwareもvSANを用いることでHCI構成を組むことは可能です)。
VMwareベースの3Tier構成とNutanixのHCI構成における違いを整理した比較表は、以下の通りです。
| 比較項目 | VMwareベースの3Tier構成 | NutanixのHCI構成 |
|---|---|---|
| 物理コンポーネント | サーバー、SANスイッチ、外部共有ストレージ | 物理サーバー(ノード)とネットワークスイッチ(外部共有ストレージ・SANスイッチは不要) |
| ストレージ制御 | 専用の外部ストレージコントローラー | AOSによるソフトウェア定義ストレージ(SDS) |
| リソース拡張方法 | 各機器の設計変更と増設作業が必要 | 互換性を確認した上で物理ノードを追加 |
比較表はVMwareベースの3Tier構成を対象としており、vSANを用いたVMwareのHCI構成には当てはまりません。従来の3Tier構成ではハードウェアごとに複雑な配線や個別管理が必要でしたが、HCI構成であれば外部共有ストレージやSANスイッチを省略できます。
システム構成を比較した際の主な特徴は、以下の通りです。
- SANスイッチや外部ストレージなどの専用機器が不要な設計
- システム全体を構成する物理機器の台数削減
- ノードを増設することで容量や性能を拡張できる柔軟性
物理機器が削減されるため、データセンターの設置スペースや保守費用を抑制でき、運用コストの見通しも立てやすくなります。
管理ツールの機能を比較する
VMware環境の管理で目立つのは、複数の管理コンソールを操作しなければならない状況です。一方のNutanixは、Webベースの管理ツールであるPrismによって、あらゆるリソースを一元管理できます。
Prismによる統合的な管理機能の特徴を以下にまとめました。
- ハイパーバイザーから物理ハードウェアまで一元監視可能
- 直感的なGUIによる運用操作
- リソースの将来的な不足を自動で予測する分析ツール
管理ツールが統一されることによって、インフラ保守担当者のスキルや運用コストの属人化を防ぎ、引き継ぎ時の負担も軽減できます。
構築にかかる手間を比較する
新規インフラの構築プロセスにおいて、両者の作業ステップには大きな違いがあります。VMware環境ではハイパーバイザーの初期設計に加え、外部共有ストレージの接続テストやボリューム設計が必要です。
Nutanixは、導入時点で必要な設定がパッケージ化されているケースが多く、初期構築にかかる時間を最小限に留められます。
構築作業に付随するプロセスの違いは、以下の通りです。
- 共有ストレージ接続時の煩雑なゾーニング設計の有無
- ノード追加作業に伴う自動的なストレージ再配置の処理
- テスト稼働や調整にかかる期間の長短
構築のステップが削減されるため、ビジネスの需要に合わせて速やかにシステムを稼働でき、新規案件への対応力も高められます。
ライセンス費用を比較する
近年の仮想化市場において、最も懸念されている項目がライセンス体系の改定に伴うコスト増です。VMwareは製品プランが変更されたことで、利用規模によっては、従来と比べて高額な継続費用が発生します。
Nutanixでは独自開発のハイパーバイザーであるAHVが標準搭載されているため、契約するNutanix製品・エディションによっては、他社製仮想化ソフトウェアの追加ライセンス購入を抑えられます。
ライセンスコストの抑制に関連する主なポイントは、以下の通りです。
- AHVの採用による他社製ハイパーバイザーライセンス費用の抑制
- サブスクリプション契約のスリム化による運用の最適化
- 専用共有ストレージなどの保守契約に伴う維持費のカット
これにより、インフラ更改時のみならず、その後の保守運用に要する長期的なTCOの削減が期待できます(削減幅は契約内容や既存環境によって異なります)。
システム構成の簡素化や運用管理の共通化、ライセンス費用の抑制といった面から見ると、NutanixはVMwareベースの3Tier構成の有力な代替候補です。ただし、vSANを用いたVMwareのHCI構成とは前提条件が異なるため、代替可否は既存ライセンスの残存期間やワークロードの特性、運用要件を踏まえて判断することが求められます。
Nutanixの導入が想定される活用シーン
Nutanixは、業界を問わずさまざまな企業のインフラ刷新で採用が進んでいる製品です。本セクションでは、公式に公開されている製品特性を踏まえ、金融・製造・IT分野で想定される代表的な活用シーンを紹介します。
個別の効果は導入環境や既存インフラの構成、運用体制によって異なるため、あくまで参考情報としてご覧ください。
業界別に想定される、システム更改前の主な課題と更改後に期待できる効果をまとめた表は、以下の通りです。
| 想定業界 | 更改前に想定される課題 | 更改後に期待できる効果 |
|---|---|---|
| 金融機関 | 厳格なセキュリティ要件と運用の高負荷 | 計画停止を抑えたアップデートによる運用負担の軽減 |
| 製造業 | 国内外の拠点に分散したインフラの管理複雑化 | 標準化されたHCIによるリモート管理の実現 |
| IT企業 | ビジネス急成長に伴う迅速な拡張性の不足 | 迅速なスケールアウトによる開発環境の提供 |
表に示した効果は、Nutanixの製品特性から想定される一般的なパターンであり、構成や互換性、空きリソース、規制・監査要件によって変わる目安です。それぞれの分野で想定される活用シーンについて、次段落から紹介します。
金融機関での活用
金融業界では、極めて高い信頼性と強固なセキュリティ水準がインフラ基盤に対して厳しく要求されます。従来型の3Tier(スリーティア:サーバー、ネットワーク、共有ストレージを個別に組み合わせる従来のインフラ構成)は、機器のパッチ適用や定期保守に膨大な作業時間を要し、運用担当者の負担となりやすい構成です。
対応マトリクスでの互換性確認とクラスタの余剰リソース確保を前提に、セキュリティパッチの適用作業をローリング方式で進められるNutanixは、こうした課題を抱える金融機関での活用が想定されます。
Prismによる統合的な管理画面を導入すれば、日常の監視業務やアップデート作業の効率化に加え、手作業による設定ミスや計画停止の必要性を軽減できる可能性があります。
金融機関でNutanixを活用する場合に期待できるメリットは、以下の通りです。
- 計画停止を抑えたシステムアップデート
- Prismを活用したストレージとサーバーの一元監視
- 自社のセキュリティ要件との適合を確認した上で利用するデータ保護機能
メンテナンスにかかる休日や深夜の稼働を抑えられれば、運用コストの削減も期待できます。削減幅は既存の運用体制や個別の規制・監査要件によって、異なる点に留意してください。
製造業での活用
製造業界では、国内外に展開する複数の工場や営業拠点ごとに個別の物理サーバーが分散して稼働している状況が課題になりやすい傾向があります。各拠点に専門のIT技術者が常駐していないケースも多いため、トラブル発生時の状況把握やファームウェアの更新作業には多くの手間がかかります。
本社側からリモートで一括管理できるシンプルなHCI(ハイパーコンバージドインフラ:サーバーとストレージをソフトウェアで統合した仮想化基盤)として、Nutanixのノードを世界各地の拠点へ配備する運用が想定される構成です。
リモート管理の仕組みを導入すれば、本社のIT部門が一括してシステムの稼働状態を監視する体制を構築しやすくなります。現地での障害対応やセットアップ作業を減らせれば、トラブル時の復旧スピード向上も期待できます。
製造現場でNutanixを活用する場合に期待できる効果は、以下の通りです。
- 国内外の複数拠点にまたがるインフラの統合管理
- 現地への技術者派遣の削減による出張コストの抑制
- 新しい生産ライン立ち上げ時の迅速なシステム構築
現地拠点のインフラ環境を標準化できれば、機器のセットアップ時間の短縮も見込めます。実際の短縮幅は拠点数や既存インフラの状況によって変わるため、事前の検証が欠かせません。
IT企業での活用
インターネットサービスやソフトウェア開発を手がけるIT企業では、新サービスの立ち上げやテスト環境の構築が日常的に発生します。従来の3Tierインフラ構成では、開発部門からのリソース追加要望に対して、物理機器の調達や手動での論理構築に時間を要しがちです。
このような開発プロセスのボトルネックを軽減する手段として、互換性を確認したノードを追加して拡張できるNutanixの活用が想定されます。
ソフトウェア開発環境を統合することで削減しやすくなるのは、インフラ構築の待ち時間です。開発者がセルフサービス形式で必要な仮想マシンを用意できれば、開発プロジェクト全体の俊敏性向上にもつながります。
IT企業でNutanixを活用する場合に期待できるメリットは、以下の通りです。
- 開発環境のオンデマンド提供による俊敏性の向上
- スケールアウトを活用した急激な負荷増加への対応
- クラウド的な柔軟性を維持したオンプレミス環境の構築
リソース提供を自動化できれば、開発環境の払い出しにかかる日数の短縮が見込めます。短縮幅は既存の調達プロセスや承認フローによって異なるため、自社の環境での効果検証が推奨事項です。
このように、金融や製造、ITといった異なる分野で、Nutanixの特性を活かした運用改善が想定されます。ここで挙げた内容は実在の導入実績ではないため、実際の事例を確認する場合はNutanix公式の事例情報を参照した上で移行計画を具体化することが推奨されます。
Nutanixとはに関するよくある質問
Nutanixの導入や移行を検討する際、無料体験版の有無や必要な資格、サポート体制について、疑問を持つ方は少なくありません。ここでは、インフラ管理者が抱きがちな代表的な質問とその回答を分かりやすく解説します。
Nutanixの無料体験版はありますか?
Nutanixでは、自社のWebサイト上で手軽に操作性を検証できる「Nutanix Test Drive」という無料のオンライン体験環境を提供しています。この環境を利用することによって、テスト用の実機や検証ライセンスを手配する手間をかけずに、管理画面であるPrismの基本操作をブラウザ上で体験することが可能です。
Nutanixの導入に必要な資格はありますか?
Nutanixの設計や構築を行うにあたり、特定の資格を保有していることは必須ではありません。ただし、公式の認定資格である「NCP(Nutanix Certified Professional)」を保有するエンジニアが作業を担当することによって、トラブルのないスムーズな移行作業を期待できます。
Nutanixのサポート体制はどうなっていますか?
Nutanixは、契約したサポートサービスや重大度に応じて、24時間365日体制の技術サポートを提供するプランを用意しています。国内の正規販売代理店を経由して導入した場合、日本語による問い合わせ対応や部品交換の対応可否・条件は契約内容によって異なるため、導入前に販売店またはNutanixとの契約条件を確認しておきましょう。












