テックタッチ株式会社は、株式会社オープンハウス・アーキテクトが運用する現場管理プラットフォーム「Optimus(オプティマス)」に、企業向けAI基盤「Techtouch AI Hub」が導入されたことを発表しました。
「Optimus」へのAI導入で浮上した課題
株式会社オープンハウス・アーキテクトは「建築に、革新を。」をミッションに掲げ、テクノロジーの内製化を通じてDXを推進してきました。
現場管理プラットフォーム「Optimus」は、建設業界に根強く残る紙文化や高い属人性、人手不足といった課題を解決するために開発されたシステムです。独自EDI機能による受発注・請求の電子化を通じ、業務のスピードや精度、透明性は着実に向上してきました。
一方で、AIの活用が進む中で新たな壁が浮かび上がってきました。建設業の業務には、AIが得意とする領域(情報集約や要約、文章生成)と、人の判断や経験が不可欠な領域(現場対応・最終承認)が密接に混在しています。
業務全体を一括でAIに置き換えるアプローチでは、現場の混乱や品質低下を招く懸念がありました。AIを別ツールとして利用する運用では現場に新たな負担が発生するほか、データ化されていない情報や部門ごとにサイロ化したデータの存在も、全社一括でのAI活用を困難にしている要因です。
Techtouch AI Hubのノーコード実装が決め手に
こうした課題を踏まえ、株式会社オープンハウス・アーキテクトは、業務フロー上でAIが真に効果を発揮するポイントに必要な機能だけをピンポイントであとのせするアプローチを選択しました。AIに任せる箇所と人が判断する箇所の最適配分、現場の学習コストゼロでの自然なAI活用、そして業務単位での迅速な実装と段階的なスケールアップを同時に実現する戦略的判断です。
同社は、3年前からデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)「テックタッチ」を「Optimus」内で運用していました。その延長線上で、ノーコードで生成AIを組み込める点と既存UI/UXを変更せずにAI機能を追加できる点が選定の軸となりました。試用段階からスムーズな導入が確認できた点も加わり、「テックタッチ AI Hub」が採用の決め手となっています。
Techtouch AI Hubを原価管理や社内申請見積依頼で活用開始
現在、運用を開始しているのは以下の3領域です。
- 原価状況の要約:膨大な原価データをAIが自動解析し予算超過の警告やサマリ作成を自動化
- 社内申請前のポイント確認:発注画面でのコメント適切性チェックや予算超過の検知
- 見積依頼文の作成サポート:工事・担当者情報をもとにメール文章を自動生成。プロンプト調整込みで実装時間わずか30分
現場からは、「新入社員やシステムに慣れていない現場担当にとって非常に役に立つ」「無意識的に効率化を図れることがDXの真骨頂」といった声が寄せられています。同社が目指す「現場が意識せずにAIの恩恵を受ける動線設計」が機能しつつある状況です。
今後は、原価リスクの早期発見や申請チェック機能の高度化により、承認時間の短縮など具体的な業務改善を進める方針です。
株式会社オープンハウス・アーキテクトDX推進部長の二井谷豊氏は、「生成AIの進化は目覚ましい一方、実業務への適用には壁があり、定着しないケースも少なくありません」と前置きした上で、「業務フローに自然に溶け込むAI実装を短期間で実現できた」と述べています。今後も既存システムとAIを融和させ、「実効性のあるDX」を推進していくとしています。
Techtouch AI Hub・オープンハウス・アーキテクトの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | Techtouch AI Hub(テックタッチ AI Hub) |
| 提供元 | テックタッチ株式会社 |
| カテゴリ | 企業向けAI基盤 |
| 特徴 | ノーコード・最短30分でAI機能を既存システムにあとのせ実装 |
| 導入先 | 株式会社オープンハウス・アーキテクト「Optimus(オプティマス)」 |
| 活用領域 | 原価管理・社内申請・見積依頼業務 |
| 設立(テックタッチ) | 2018年3月1日 |
| 所在地(テックタッチ) | 東京都中央区銀座8丁目17-1 PMO銀座Ⅱ 5F・8F |
| 代表取締役 CEO(テックタッチ) | 井無田 仲 |
| オープンハウス・アーキテクト 建築実績 | 年間約5,000棟・累計約56,000棟 |
| オープンハウス・アーキテクト 公式サイト | https://oha.openhouse-group.com/ |
trends編集部の一言
「最短30分でAI機能をあとのせ実装できた」という事例のインパクトは、建設業界にとどまりません。業界全体としては、AIツールをゼロから導入しようとするアプローチが主流ですが、今回のように「既存システムの特定画面にだけ機能を差し込む」発想は、現場の学習コストを抑えながら効果を出す方法として注目されます。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、複数のツールを切り替えながら作業する煩雑さは業界横断で共通する課題です。既存のCMSや分析ツールの特定フォームにだけAIを組み込みたいというニーズは広く見られます。
業務フロー上のピンポイントにAIを差し込む設計アプローチは、マーケティング領域でも同様の課題感を抱える現場に示唆を含む動向と捉えられます。DAP市場で売上高5年連続No.1(市場シェア52.4%)の「テックタッチ」を展開するテックタッチ株式会社が推進するこのアプローチは、既存システムへの部分的なAI統合という選択肢として、今後の企業DXにおける標準的な手法の一つとして定着していく可能性があるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「オープンハウス・アーキテクト、現場管理プラットフォーム「Optimus」に「テックタッチ AI Hub」を導入 | テックタッチ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000433.000048939.html, (参照 26-06-09).
