テックタッチ株式会社は、大企業の情報システムやDX推進担当者、責任者109名を対象に、「SaaS is Dead」検証調査を実施しました。
調査対象者が示したSaaS運用の課題認識
「SaaS is Dead」という議論に対する認知にはばらつきが見られる一方で、現場では共通した課題認識が浮き彫りになりました。調査対象者の半数以上(50.5%)が、AIで自動化できると考えられる業務を手動で行っている点に課題を感じていると回答しています。
具体的には、「データの集計・加工」(56.4%)や「定型レポート作成」(50.9%)といった定型業務が上位に挙がりました。さらに、データ入力や入力ミスの確認・修正、承認作業なども人手に依存しており、SaaSが人が操作するツールとして使われ続けている実態が示されています。
また、今後のSaaSの価値としては、「AIによる業務実行支援・自動実行」を重視する層が、「どちらかといえば重視する」「重視する」を合わせて36.7%となりました。一方で、「UI/UX改善」を重視する層は22.0%にとどまり、価値軸の変化がうかがえる結果となっています。
データ活用に関する課題と求められる機能
SaaSに蓄積されたデータについて、「十分に活用できている」は3.7%、「ある程度は活用できている」は37.6%でした。一方で、「あまり活用できていない」「ほとんど活用できていない」と回答した層が一定数存在し、データ活用の課題が示されています。
こうした活用が進んでいない層(n=41)が求める主な機能として、次の3点が挙げられました。主な要望は以下の通りです。
- AIによる異常値やリスクの自動検知とアラート機能
- データに基づいた次のアクションの提案機能
- ダッシュボードやBIツールの機能強化
また、今後のSaaS投資・選定の方向性では、「既存SaaS+AI統合」派が28.5%、「AI前提の新SaaS導入」派が24.8%と拮抗しました。「既存SaaS+AI統合」を選んだ層のうち54.8%が、移行コストや運用負担の大きさを理由に挙げており、既存資産の活用が重視されている状況です。
調査概要と主要データの整理
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調査主体 | テックタッチ株式会社 |
| 調査期間 | 2026年4月9日〜同年4月10日 |
| 調査名称 | 「SaaS is Dead」検証調査2026 |
| 有効回答 | 従業員1,000名以上の情報システムやDX推進担当者、責任者109名 |
| 調査結果のポイント | 調査対象者の半数以上(50.5%)がSaaS上の手作業に課題 |
| 対象ユーザー | 大企業(従業員1,000名以上) |
| 主な課題 | データの集計・加工(56.4%)や定型レポート作成(50.9%) |
| 今後の方向性 | AIによる業務実行支援・自動実行の重視が36.7% |
trends編集部の一言
今回の調査は、SaaS活用の現場において、AIで代替可能とされる業務が依然として手作業で行われている実態を示しました。特に定型業務の多くが自動化されていない点は、業務効率化の観点から重要な課題といえます。
また、AI活用への期待が高まる一方で、既存SaaSの活用を前提とする動きも一定数存在しています。移行コストや既存データの活用といった制約が意識されている状況は、企業のSaaS戦略における現実的な判断材料となっています。
今後は、SaaSを単なる操作ツールから業務実行基盤へと再定義する動きが注目されます。既存システムとAI技術の組み合わせ方が、各企業のDX推進において重要なテーマとなりそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「「SaaS is Dead」の正体を検証ーーAI時代に求められるSaaS「再定義」と日本企業のジレンマ | テックタッチ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000422.000048939.html, (参照 26-05-01).
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