株式会社KENCOPAは、建設業務特化型AIエージェント「Kencopa工程AIエージェント」の新機能として、「歩掛AIデータベース機能」を実装しました。
Kencopa工程AIエージェント開発の背景にある歩掛の課題
歩掛とは、各作業にどれだけの人工・日数を要するかを示す数値で、工期見積もりの根幹となります。自社の現場実態に即した歩掛が蓄積されていれば、工期算出の精度は大きく高まります。
実際の現場では、こうした自社歩掛の蓄積が思うように進みません。入力や整理の手間がかかり、日々の業務の中ではなかなか溜まっていかないのが実情です。一般に公開されている標準歩掛を整備してみても、現場ごとの条件と合わず、そのままでは適用できないケースも多く見られます。
加えて、工程と歩掛が紐づいていないため、実績データが「次の現場で使える資産」になりきれていない状況が続いてきました。結果として、工期見積もりは担当者の経験に依存し、現場ごとに精度がばらつく状態が生まれます。会社の中に貴重な実績が眠っていても、可視化・共有されないまま、技術継承にも活かしきれないという課題がありました。
Kencopa工程AIエージェントの歩掛AIデータベース機能の主な特徴
「歩掛AIデータベース機能」は、工程と歩掛の「貯まらない・使えない」という根本課題を解消するために設計されました。主な特徴は次の3点です。
- 工程と歩掛の自動紐づけ
- 全社データベースへの自動蓄積
- 全社横断での歩掛の可視化・活用
AIによって、工程表が生成された時点で、各工程線には総施工量や標準歩掛・自社歩掛が自動で紐づきます。工程線をクリックするだけでその工程の数量・歩掛を確認でき、任意の値を入力・上書きすることも可能です。上書き機能により、これまで別々に管理されがちだった「工程」と「歩掛」が、一つのデータとして自然につながります。
工程線と歩掛が一度紐づくと、そのデータは会社全体のデータベースへ自動で蓄積される仕組みです。担当者が特別な入力作業を意識しなくても、日々の工程作成・運用を通じて、自社の歩掛が現場横断で溜まり続ける状態が実現します。全社横断で各現場の歩掛が可視化されることで、工期見積もりの精緻化や工期短縮、生産性向上など、さまざまな活用が可能です。
Kencopa工程AIエージェントの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社KENCOPA |
| サービス名 | Kencopa工程AIエージェント |
| 新機能 | 歩掛AIデータベース機能 |
| 主な機能 | 工程と歩掛の自動紐づけ 全社データベースへの自動蓄積 全社横断での歩掛の可視化・活用 |
| 対応工種 | 建築・土木・プラント・設備など |
| 代表者 | 代表取締役CEO 安村 荘佑氏 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区広尾1丁目11-2 BLOCKS 恵比寿 |
| 設立 | 2024年3月 |
| 累計調達額 | 2.75億円 |
| 事業内容 | 「Kencopa工程AIエージェント」「Kencopa建設AIエージェント」の開発・提供、建設専門のDX・AIの共同研究・共同開発 |
| 受賞・採択実績 | 大阪産業局主催 関西スタートアップインキュベーションプログラム「起動」第3期 総務省主催 研究開発支援プログラム「ICTスタートアップリーグ2025」 トライアングルエヒメ2.0「全国共創拠点連携枠」 大阪産業局主催「OIH Silicon Valley Gateway Program」採択 Microsoft for Startups、Manus for Startups |
| コーポレートサイト | https://kencopa.com/ |
trends編集部の一言
累計調達額2.75億円という数字が示すとおり、建設業向けAIエージェントの領域には投資家からの期待が集まっています。建設DX領域では、熟練技術者の暗黙知をデータ化し次世代へ継承することが主要テーマとして位置づけられており、「担当者が特別な作業を意識しなくても蓄積される」という設計は、その課題に対する一つの実装アプローチとして業界内でも注目されてきました。
建設業界に限らず、マーケティング業界の文脈に置き換えると、施策の実績データが属人化したまま次のプロジェクトに活かせないという構造的な課題は共通しています。「使うほどに資産が溜まる」という設計思想は、同種サービスではまだ希少なアプローチであり、DX推進におけるデータ資産形成の新たな型として注目される動きと捉えられます。
References
- ^ PR TIMES. 「歩掛が自動で溜まる!? 建設AIエージェント企業KENCOPAが「Kencopa工程AIエージェント」にて「歩掛AIデータベース機能」を実装 | 株式会社KENCOPAのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000166783.html, (参照 26-06-24).
