BRANU株式会社は、建設業向け統合型ツール「CAREECON Plus」の施工管理機能に、AIが工程表を自動生成する「AI工程表」機能を追加しました。
CAREECON Plus「AI工程表」の開発背景と工程表作成の課題
建設業界では、受注後に表計算ソフトなどを使って工程表を一から作成する運用が根強く残ってきました。工事内容や見積書、施工条件を確認しながら、必要な作業を洗い出し、日程を割り付け、関係者へ共有するまで、入力・転記といった間接業務に多くの時間が費やされてきました。
「CAREECON Plus」にはゼロから工程表を効率的に作成できる機能がありますが、既存の工程表がPDFや画像形式で保存されている場合、そのままでは編集可能なデータとして扱えません。作業内容や日程を手入力で転記する必要があり、入力漏れや転記ミスにつながるおそれがありました。こうした課題を背景に、ブラニューは「AI工程表」機能を開発しました。
AI工程表が実現する自動化の仕組み
「AI工程表」の主な機能は次の通りです。見積書をアップロードすると、AIが記載されている工事項目や作業内容を読み取り、工程表のたたき台を生成します。工事全体の流れを示す大工程と、その内訳となる小工程に整理することによって、工程表作成の土台が構築される流れです。
PDFや画像形式の工程表をアップロードした場合は、記載されている工程名や日程を読み取り、「CAREECON Plus」上で編集・共有できる工程表データとして再構成します。主な機能は、以下の通りです。
- 見積書からの工程のたたき台を自動生成
- 大工程・小工程への自動分類と整理
- PDF・画像の工程表を編集可能なデータへ変換
- プレビュー画面での確認・編集後に工程表として登録
生成された工程表は、プレビュー画面で確認でき、担当者が工程名や期間を確認・編集したうえで登録できます。AIの生成結果を人が確認してから反映する設計により、現場ごとの状況に合わせた運用が可能です。
CAREECON Platformが目指すAIを軸とした建設業務の構造変革
ブラニューは「CAREECON Platform」を通じて、建設業界における業務プロセスをAIを軸とした新たな構造へ変革することを目指しています。紙やPDF、画像、日報などに含まれる現場情報をAIが読み取り、業務で活用できるかたちへ再構築する構想です。
工程表作成や施工管理だけで完結させるのではなく、案件管理、原価管理、人員配置にも活用できる情報として蓄積し、現場と経営をつなぐ業務基盤へと発展させることを想定しています。
CPO町田 剛氏は、建設業界では現在もPDFや紙を前提とした情報共有が数多く残っており、特に中小建設業では「入力のための業務」が日常的に発生していると指摘しています。同氏は「撮るだけ。あとは確認するだけ」という現場体験の実現を目指すと述べており、AIが工程表の解析・整理を自然に支援することによって、人とAIが協働しながら現場運営を進められる設計を目指したとしています。
CAREECON Plus「AI工程表」概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | BRANU株式会社 |
| 証券コード | 460A |
| 機能名 | AI工程表 |
| 対象プロダクト | CAREECON Plus(施工管理機能) |
| 対応入力形式 | 見積書・PDF・画像形式の工程表 |
| CAREECON Platformの契約社数 | 6,500社以上(2026年4月末時点) |
| 所在地 | 東京都港区六本木6-1-24ラピロス六本木4F |
| 設立 | 2009年8月18日 |
| 代表者 | 代表取締役 名富 達也氏 |
| コーポレートサイト | https://branu.jp |
trends編集部の一言
「入力のための業務」が日常的に発生しているという現場の実態は、建設業界に限った話ではありません。マーケティングの現場でも、既存データをツールに転記したり、フォーマットを整え直したりという作業が積み重なるケースは業種を超えてよく見られます。
PDFや画像から直接編集可能なデータを生成する設計は、「情報を移し替えるだけの工程」を丸ごと省く発想です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、入力・転記コストの削減はコンテンツ運用やMA運用の現場でも共通のボトルネックとして語られてきたテーマでした。AIが読み取りから再構成までを一括処理する仕組みは、業界横断的な業務プロセス転換を象徴する動きとして注目されます。
CDE環境(Common Data Environment:共通データ環境)の整備が遅れる中小建設業への展開という点も、市場観察として興味深いです。「標準化された大手向け」ではなく、まだデジタル化の余地が大きい層への本格的なアプローチは、業界全体としてはツール普及の次のフェーズを見据えた動きと読み取れます。同様の構造はBtoBマーケティング領域でも見られており、SMB層へのAI活用拡大という流れと重なる動向です。
References
- ^ PR TIMES. 「「CAREECON Plus」施工管理機能にAI工程表自動作成機能を本格実装 | BRANU株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000031431.html, (参照 26-07-07).
