日本ヒューレット・パッカード合同会社は、プライベートクラウド、ストレージ、データ保護にわたるHPE GreenLakeのイノベーションを発表しました。
HPE Private Cloudの次世代統合管理機能
第4世代に進化したHPE Private Cloudは、仮想マシン(VM)とコンテナをKubernetesで単一プラットフォーム上に統合管理します。クラウドネイティブワークロードを個別にスケールできる柔軟な設計で、HPE ProLiant Compute Gen12を基盤に、電力あたりの性能向上とHPE iLO(Integrated Lights-Out)によるセキュリティ強化を実現しました。
HPE Private Cloud Business Editionの利用企業向けには、既存インフラを活用しながら、VMとKubernetesを統合管理できるソフトウェアへのシームレスなアップグレードパスを提供します。ハイブリッドおよびマルチクラウドの統合運用モデルを目指す企業向けに、HPE Morpheus Enterprise Softwareへのシンプルなアップグレードパスも用意されています。
データ保護の面では、複数の統合が整備されました。主な対応状況は次の通りです。
- HPE Zerto SoftwareによるVMwareからHPE Morpheus VM Essentialsへのオンライン移行と継続的データ保護
- Veeam Data Platformとの新統合によるエージェントレス・ホストレベル・イメージベースバックアップとChanged Block Tracking(CBT)対応
- HPE StoreOnceとの統合によるニアゼロのRPO/RTOに対応したリアルタイムレプリケーション
- HPE SimpliVityへのHPE StoreOnce Gen5システム統合によるHCI環境のレジリエンス強化
HPE SimpliVity関連機能では、仮想化ワークロードにおける運用の標準化と、データ保護の簡素化が図られています。HPE Zerto Softwareでは、サイバーインシデント発生時に超高速かつ粒度の高い復旧にも対応します。
HPE Alletra StorageとHPE Data Fabric Softwareによるデータ基盤強化
HPE Alletra Storage MP X10000は、既存のオブジェクトストレージに加え、新たにネイティブファイルストレージを単一プラットフォーム上で提供する構成です。最大16ノード、最大23PBの物理容量までスケール可能で、新たな100%データ可用性保証により、中断のないアプリケーション稼働を実現しました。トレーニング、推論、KVキャッシュといったAIパイプライン全体でのデータ保存とアクセスを簡素化する設計です。
X10000 Data Protection Accelerator Nodeにより、最大2.5PB/時のバックアップ取り込み性能を実現しました。RDMA対応S3に加え、RDMA対応のファイルストレージにも対応し、分析、サイバーレジリエンス、バックアップといったユースケースへの対応範囲が広がっています。
HPE Alletra Storage MP B10000では、ミッションクリティカルなワークロードに向けた性能強化が図られました。新しいリアルタイムのエージェント型サポートがストレージの問題を自律的に検知や分析、解決し、新たに提供する5:1のデータ削減保証により、TBあたりの総コスト削減に寄与します。コントローラーノードを4ノードから6ノードへ拡張可能とすることによって、最大50%の性能向上と組み込みのデュアルノード障害耐性を実現しています。
HPE Data Fabric Softwareには、ポリシーベースのデータ配置・移動機能と、自然言語でグローバルネームスペースへアクセスできるエージェント型AIアシスタントが新たに実装されました。Apache Polarisなどのオープン標準への対応により、プラットフォーム全体にわたる一貫したガバナンスとコンプライアンスを支える設計です。HPE Zerto Softwareには、AIを活用した新しいデータ保護機能とMicrosoft Defenderとの統合が加わり、リアルタイムの脅威可視化と迅速な復旧に対応しました。
HPE GreenLake各機能の概要と提供開始時期
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 日本ヒューレット・パッカード合同会社 |
| 本社 | 東京都江東区 |
| 代表 | 望月 弘一 |
| 対象ソリューション | HPE GreenLake(統合プライベートクラウドおよびデータプラットフォーム) |
| カテゴリ | プライベートクラウド、ストレージ、データ保護ソリューション |
| 主な数値 | 最大16ノード/最大23PBの物理容量/100%データ可用性保証/最大2.5PB/時のバックアップ取り込み性能/5:1のデータ削減保証/最大50%の性能向上 |
| 現在提供中 | 第4世代HPE Private Cloudシステム/HPE StoreOnce・HPE Zerto Software・Veeam Data Platform統合/ファイルストレージ対応のHPE Alletra Storage MP X10000/HPE Data Fabric Softwareアップデート/HPE Zerto Software機能強化 |
| 2026年第3四半期提供予定 | HPE Private CloudにおけるVM・コンテナ統合管理機能/HPE SimpliVityへのHPE StoreOnce Gen5システム統合/X10000の16ノードスケールアウトおよびファイル向けRDMA対応/HPE Alletra Storage MP B10000新リリース |
trends編集部の一言
最大23PBの物理容量と100%データ可用性保証という数値は、エンタープライズ領域の規模感を端的に示しています。インフラ運用業界全体としては、複数ベンダーのツールやデータが分散・混在する環境への対処が共通課題として広がっており、「単一基盤への統合でベンダー依存を解消する」という方向性は、業界横断で注目を集める潮流です。
VMwareからの移行需要が高まる中、継続的なデータ保護を維持しながら、オンライン移行できる仕組みは、IT部門における移行ハードルを下げる要素として注目を集める動きです。ハイブリッドクラウド市場では、既存資産を活用した段階的移行への関心が高まっており、段階的なアップグレードパスを設計する動きは業界全体の現実解として定着しつつあります。
エージェント型AIをデータ保護や運用管理に組み込む動きは、インフラ領域でも加速しました。「AIに任せる範囲」と「人が責任を持つ範囲」をどう設計するかは、今後のIT戦略の共通テーマになっていくと考えられます。HPE Data Fabric Softwareの自然言語アクセス機能など、運用担当者の負担軽減につながる機能の今後の展開は、業界動向として注目しておく価値があります。
References
- ^ PR TIMES. 「HPE、モダナイゼーションとAI向けデータ整備を加速する「統合プライベートクラウド」および「データプラットフォーム」を提供 | 日本ヒューレット・パッカード合同会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000216.000045092.html, (参照 26-06-05).
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