積水化学工業株式会社は、長期ビジョン「Vision 2030」の実現に向けたDX推進の一環として、株式会社フライウィールと協働し、製造業における非構造化データ活用に関する実証を開始しました。
積水化学工業によるAI-Ready化実証の背景
積水化学グループは「Innovation for the Earth」を掲げ、社会課題解決への貢献とサステナブルな社会の実現に取り組んでいます。デジタルを活用した業務改革と新たな価値創出を推進しており、「グローバル経営刷新プロジェクト」を通じて、経営管理や業務基盤の高度化を進めてきました。
製造現場には図面や手順書などの非構造化データが存在しますが、AIでの活用が困難でした。これらをAIで活用可能な状態に整備する「AI-Ready化」は、製造業におけるDXを進める上で重要なテーマです。
本実証は、これまでの基盤整備から一歩進み、DXを業務効率化にとどめず、事業競争力の強化へと発展させていく取り組みと位置付けられています。
積水化学工業株式会社と株式会社フライウィールによる実証内容
本実証における役割分担は明確に設定されています。株式会社フライウィールは、AI-Ready化に関するシステム・ツールの構築および技術開発を担う役割です。
積水化学グループは、住宅事業の設計・製造などの図面や設計情報、手順書などの非構造化データをもとに、実業務における有用性を検証します。
実証を通じて目指す成果は、以下の通りです。
- 属人化・手戻りの低減につながる業務変革の実現
- 生産性向上および労働力不足への対応
- 品質・納期をはじめとする顧客価値の向上
積水化学グループが培ってきた工業化住宅の知見や技術とAIを組み合わせることで、これらの課題への対応を目指します。本実証で得られた成果は、住宅領域にとどまらず、積水化学グループ全事業への展開も検討されています。
積水化学工業株式会社の非構造化データ活用実証の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 実施主体 | 積水化学工業株式会社 |
| 代表取締役社長 | 清水 郁輔氏 |
| 協働先 | 株式会社フライウィール |
| 推進主体 | 経済産業省・NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) |
| 参画プロジェクト | GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge) |
| 対象領域 | 住宅事業における設計・製造プロセス |
| 対象データ | 図面・設計情報・手順書などの非構造化データ |
| 長期ビジョン | Vision 2030 / Innovation for the Earth |
trends編集部の一言
製造現場に蓄積された図面や手順書といった非構造化データは、長年「あるのに使えない」情報資産として課題視されてきました。この状況はマーケティングの現場にも共通しており、過去の施策資料や顧客ヒアリングのメモが整理されないまま埋もれていく構造は、業界を問わず広く見られます。
製造業全体としては、非構造化データの活用がDX推進における共通課題として広く認識されており、「AI-Ready化」という概念への関心は業界横断で高まっています。経済産業省・NEDOが推進するGENIACのもとで実証が進む点は、単なる一企業のDX施策を超えた動きと捉えられるでしょう。「AI-Ready化」という概念が製造業から他業界へ波及していくか、今後の成果報告とともに業界全体の動向が注目されるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「積水化学、NEDO「GENIAC」で生成AIを活用した非構造化データ活用の実証を開始 | 積水化学工業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000319.000099121.html, (参照 26-06-05).
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