NECは、製造業の企業変革コンセプト「マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX)」を発表しました。
不確実な時代の変化を競争力へ変えるMXの狙い
製造業を取り巻く環境では、地政学リスクの増大や気候変動の激甚化、原材料やエネルギーコストの高騰、技術革新スピードの加速など、不確実性が常態化しています。変化を捉えて戦略を立て、意志決定し、実行するサイクルの圧倒的な高速化が、製造業に求められる状況です。
NECは、従来の業務プロセスをAIで効率化するだけではなく、AIを前提に企業そのものを再設計する必要があるとしています。MXは、この考え方を製造業の変革コンセプトとして掲げたものです。
MXが対象とする5つのバリューチェーン
MXが対象とする5つのバリューチェーンは、NEDO「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」で提唱する4つのチェーンに、NECが独自にサステナブルチェーンを追加したものです。サステナブルチェーンは、環境配慮を中心としたGX情報連鎖を重視して加えられました。対象となるチェーンは次の通りです。
- エンジニアリングチェーン
- サプライチェーン
- プロダクションチェーン
- サービスチェーン
- サステナブルチェーン
AIネイティブとは、組織や業務がAI前提で再設計され定着した状態です。NECは、自らのAIトランスフォーメーション(AX)の実践知と、長年にわたり製造業の顧客の業務改革を支援してきた知見を、製造業に特化したAIエージェントに組み込みます。
あわせて、顧客のノウハウが蓄積された業務データについて、AIが安全・安心に活用できる環境を構築します。サプライチェーンレジリエンスの向上や意思決定の高速化・高度化につなげ、顧客の企業競争力の向上に貢献する狙いです。
MXを実現するNECの3つの強み
NECがMXを実現する強みは3つです。1つ目は、長年にわたり製造業の業務改革をリードした知見を5つのバリューチェーン上のAIエージェントに実装していく、製造業の業務知見のAIエージェント化です。
AIエージェントには、生成AIや認識、予測、最適化、調整交渉などの技術を組み合わせます。業務スキルの高いエージェントの提供によって、人は意思決定に専念でき、圧倒的な意思決定の高速化と高度化を実現します。
2つ目は、クライアントゼロによるAX実践知です。製造業であるNEC自身のAXや自社工場での実践を通じて、改善を繰り返して最適化した製品やサービスを、BluStellar Scenarioとして、顧客に提供します。NEC自身がゼロ番目のクライアントとしてAIネイティブ化を実践し続けることによって、AIエージェントや業務プロセスを継続的に進化させ、顧客の企業変革を確かな成果へつなげます。
3つ目は、安全・安心なAI基盤の提供です。製品設計や製造など、製造業の競争力の源泉であるデータを守ります。AIの振る舞いやコストなどを適切にガバナンスすることによって、製造業の顧客に対し、安全・安心にAI活用を進められる環境を提供します。
MXコンセプトの概要と今後の展開
NECは、今回発表したコンセプトに基づき、5つのバリューチェーンにおける変革シナリオの具体化や製造業に特化したAIエージェントの提供などを、順次展開していく方針です。
NECは、価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」のもとでEnd to Endのサービスを提供しています。ビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸で戦略構想コンサルティングから実装に導くBluStellar Scenarioやオファリングなどを展開しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発表企業 | NEC |
| コンセプト名 | マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX) |
| 定義 | 製造業の競争力の源泉となる5つのバリューチェーンのAIネイティブな変革 |
| 対象チェーン | エンジニアリングチェーン サプライチェーン プロダクションチェーン サービスチェーン サステナブルチェーン |
| 強みの3要素 | 製造業の業務知見のAIエージェント化 クライアントゼロによるAX実践知 安全・安心なAI基盤の提供 |
| 関連する価値創造モデル | BluStellar(ブルーステラ) |
| 今後の展開 | 変革シナリオの具体化 製造業に特化したAIエージェントの提供 |
trends編集部の一言
従来の業務プロセスをAIで効率化するのではなく、AIを前提に企業そのものを再設計するという整理は、製造業に限らず示唆的です。その点でマーケティングの現場でも、既存の運用に生成AIを部分導入した段階で止まっている例は少なくありません。組織や業務がAI前提で定着した状態を指す「AIネイティブ」という定義は、自社の現在地を測る物差しになりそうです。
NEC自身をゼロ番目のクライアントと位置づけ、自社での実践を経た製品やサービスを提供するという考え方も目を引きます。業界全体としては、AI活用を提案する側が自社実装の実績を語れるかどうかが、発注側の判断材料になりつつあります。5つのバリューチェーンという枠組みでどこまで具体化されるのか、続報を確認しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「NEC、AIネイティブに向けて進化する製造業変革コンセプト「マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX)」を発表 | NECのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001395.000078149.html, (参照 26-07-26).
※本記事は一次情報(PR TIMES)を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。
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