製造業におけるDXの市場規模は3,000億円以上
株式会社富士キメラ総研は「DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の国内市場(投資額)」に関する調査を実施しました。[1]
株式会社富士キメラ総研より
その結果、製造業におけるDXの市場規模は2022年度見込で2,990億円、2030年度予測は8,130億円という結果でした。
約2年前で約3000億円なので、現在はそれ以上の市場規模だということが伺えます。
全体のDX市場規模
本調査では製造業のほかに、流通・小売、金融、交通・運輸・物流、不動産・建設、バックオフィスに関する市場規模も算出しています。
これら全体のDX市場規模は、2020年度見込みで2兆7,277億円、2030年には2倍超の6兆5,195億円になることが予想されています。
製造業におけるDXの課題
経済産業省は2023年5月「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」に関する資料を公開しました。[2]
経済産業省より
製造業DXに向けた政策の方向性、課題と解決方法について記述されていたのでわかりやすくまとめました。
投資の促進
製造業の多くの事業者がDXに投資することに消極的であり、必要な投資が進まないという問題があります。
これに対する対応策として、税制の優遇措置や補助金などの財政的支援を提供することが考えられます。
具体的には、DX税制の導入やものづくり補助金などが含まれ、これらを通じて事業者のDX投資を促進することが可能です。
指針・評価指標の欠如
DXに関する明確な指針や評価指標がないため、投資意欲が十分に喚起されないか投資の分散が生じるという課題があります。
これを解決するためには、産学官が連携して戦略的なDX投資のユースケースを含む製造業DXの指針や評価指標を作成する必要があります。
これにより投資の方向性を明確にし、効果的な投資を促進することができます。
イネーブラーの育成
イネーブラーとは一般的に、「有効化する者」または「可能にする者」という意味を持つ言葉です。ビジネスや技術の文脈では、あるプロセスや機能、活動を促進または可能にする要素やツールを指す際によく使われます。
製造業系サービス事業者の育成に際しては、資金やデジタル技術などのリソース不足が大きな課題です。
この解決策としては、製造技術とIT技術のマッチング支援やリソースプールの整備、知的財産や意匠などのコア技術の秘匿化に関する知見の蓄積、サービス系事業者プラットフォームの立ち上げなどが有効です。
これらの対策によってサービス事業者の成長を支援できます。
技術インテグレーターの育成
技術インテグレーターは異なる技術やシステムを統合し、それらをスムーズに連携させる役割を担う専門家や組織のことを指します。
日本では生産技術の一括請負事業者(ラインビルダー)が成長産業になっておらず、生産技術の底上げが十分ではありません。
これに対する対応策として、DX技術を持つ業種への支援や非コア技術の標準化支援を実施することが考えられます。そのため、技術インテグレーターの育成と業界全体の技術レベルの向上を図ることができます。
References
- ^ 株式会社富士キメラ総研. 「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編」. https://www.fcr.co.jp/pr/23032.htm, (参照 2024-01-17).
- ^ 経済産業省. 「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」. https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/014_04_00.pdf
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