本記事は、PR TIMESに掲載された企業・団体等のプレスリリースを原文のまま転載しています。記事内容は発表時点の情報です。
- 発表元
- 三菱電機株式会社
- 配信日時
- 2026年8月5日 18時30分
- 転載日
- 2026年8月6日
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遠隔取得データの分析による余剰回生電力の最適利用を実現

三菱電機株式会社は、鉄道車両がブレーキをかけた時に発生する回生エネルギーの余剰電力(以下、余剰回生電力)を駅舎内の電気設備へ供給する駅舎補助電源装置「S-EIV®(※1)」の新製品として、き電電圧(※2)や稼働データの遠隔取得機能を搭載した「S-EIV-X™」を、初期導入費用を抑えられる定額課金サービスで8月5日に提供開始します。
脱炭素社会の実現に向け、鉄道分野においても余剰回生電力の有効活用による省エネ化が推進されており、余剰回生電力を駅舎内の照明や空調、エレベーターなどへ供給する駅舎補助電源装置の導入が進んでいます。余剰回生電力の吸収量は、列車運行状況や列車内外の温度差による空調の稼働状況に起因するき電電圧の変動に伴い変化します。そのため、余剰回生電力を最大限活用するためには、余剰回生電力の吸収量やき電電圧の変動傾向を把握し、最適なき電電圧を維持することが必要です。しかし、従来これら変動データの取得には、実際に変電所や駅の電気室へ行き、S-EIVの監視操作盤を操作する必要があり、継続的かつタイムリーなデータ取得が課題となっていました。
今回、当社が提供する駅舎補助電源装置「S-EIV-X」は、き電電圧値や稼働データなどの電力利用最適化に資するデータを、専用ネットワークを介して遠隔から継続的に取得ができるほか、S-EIV-X 本体の異常動作時には、遠隔で稼働ログを確認することで原因の特定が可能となり、初期対応の迅速化にも貢献します。また、本装置は高耐圧フル SiC(※3)を採用し、パワーユニットの部品点数を削減することで、小型・軽量化を実現し、信頼性とメンテナンス性を向上しています。この他、当社のデジタル基盤「Serendie®(セレンディ)」上にある車両や変電所のシミュレーションデータと、本装置で取得したデータを組み合わせ、「鉄道エネルギーマネジメントソリューション(鉄道 EMS)」(※4)で分析することにより、き電電圧の変動傾向の把握や、それに基づく変電所からの送り出し電圧の最適化など、より高度な省エネ施策が可能となります。
当社は S-EIV-X のサービス提供を通じて、余剰回生電力の有効活用による省エネ運用の高度化を推進することで、鉄道事業者による脱炭素社会の実現に向けた取り組みに貢献します。
■S-EIV-Xの特長
1.データの遠隔取得機能により、データ取得作業の効率化や異常動作時における初期対応の迅速化に貢献
・従来、変電所や駅の電気室でしか得られなかった、き電電圧値や余剰回生電力の吸収量などの稼働データを、新たに搭載した通信機能で、遠隔から継続的に取得可能
・S-EIV-X本体の異常発生時には遠隔で稼働ログを確認し、挙動状況と原因の予測や処置の事前準備が可能。初期対応のリモート化により、復旧時間短縮に貢献
2.高耐圧フルSiCを採用し、信頼性向上と小型・軽量化を実現。メンテナンス性も向上
・パワーユニットに高耐圧フルSiCを採用し、高周波絶縁インバータ(※5)と2レベルインバータ(※6)で構成していたパワーユニットをDC1,500V2レベルインバータで構成することで、部品点数を削減。不具合発生のリスクを抑制し、信頼性を向上。また、パワーユニットの小型・軽量化により、「S-EIV-X」の筐体の高さを縮小し、メンテナンス性も向上
3.当社独自の電圧波形に基づく回生判定方式により、エネルギー利用効率を向上
・余剰回生電力の吸収を開始するための回生判定において、余剰回生電力の発生時と未発生時の電圧波形差異に基づく当社独自の判定方式(リップル判定方式(※7))を採用
・電圧の大きさに基づく従来の判定方式では、受電電圧などに起因する電圧上昇による誤判定防止のために回生判定値(※8)を高めに設定していたことで、活用しきれていない余剰回生電力が存在していた課題に対し、回生判定値に満たず取りこぼしていた余剰回生電力の活用が可能となり、エネルギー利用効率の向上に貢献
4.取得データを車両や変電所のシミュレーションデータと組み合わせた分析により、回生融通量の拡大を実現
・当社のデジタル基盤「Serendie」を活用することで、本装置の取得データを車両や変電所のシミュレーションデータと組み合わせた分析が可能。き電電圧の変動傾向の把握や、それに基づく変電所送り出し電圧の最適値の算出により、余剰回生電力の吸収量や他の走行列車への回生融通量の拡大を実現
■今後の予定・将来展望
「S-EIV-X」のグローバルでの導入拡大を進め、収集データを活用して電力利用の最適化を実現するソリューションを提供することで、エネルギーコストの削減を図るとともに、脱炭素化のさらなる推進に貢献します。将来的には、他設備との連携を強化し、路線全体のエネルギー管理や自治体・他企業との連携による地域単位でのエネルギー融通へと発展させることで、鉄道事業の持続可能性と沿線地域のレジリエンス強化に貢献していきます。
■製品仕様
| 定格容量 | 200kW–30s通電/2分30秒休止(3分繰り返し) |
| 入力電圧 | DC1,500V |
| 出力電圧 | 三相AC210V/400V, 50/60Hz |
| 主回路方式 | 2レベルインバータ方式 |
| 冷却方式 | 自然冷却 |
| 外形 | W1,500mm×D1,170mm×H1,771mm |
| 質量 | 1,500kg |
| 回生判定方式 | リップル判定方式 |
■商標関連

■特許関連
| 発明の名称 | 駅舎電源装置、回生判定方法、および回生判定プログラム |
| 特許番号 | 特許第7526021号(登録日:令和6年7月23日) |
■三菱電機グループについて
三菱電機グループは、「Our Philosophy」のもと、サステナビリティを経営の根幹に据え、社会・顧客・株主・従業員をはじめとしたステークホルダーからの信頼を重んじてまいります。また、「収益性」「資本効率」「成長性」を追求するとともに、顧客と繋がり続けて社会課題を解決する新たな価値を創出し、企業価値の持続的向上を図ります。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2025年度の連結売上高は5兆8,947億円でした。詳細は、オフィシャルウェブサイトをご覧ください。
※1 Station Energy Saving Inverterの略。鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、
近くを走行している車両だけでは消費できない余剰回生電力を駅の電気設備に直接供給する装置
※2 電車に供給する電圧
※3 Silicon Carbide:炭化ケイ素
※4 鉄道事業のエネルギーソリューションを基点に、その沿線へ、さらに街づくりまで広がる新たな
ソリューション
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/traffic/solutions/energy/railway-ems/
※5 高周波電力に変換し、変圧器で直流入力側と交流出力側を絶縁するインバータ
※6 出力電圧を2段階で制御する一般的なインバータ
※7 変電所出力電圧に含まれる脈動電圧(ダイオード整流時の直流電圧に含まれる高調波電圧)が
減少する事象を余剰回生電力として判定する方式
※8 S-EIVが回生動作を開始する電圧のしきい値
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 社会システム事業本部 モビリティインフラシステム事業部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail:rail.webmaster@nb.MitsubishiElectric.co.jp
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