株式会社Hakuhodo DY ONEは、株式会社博報堂と共同で、AIエージェントが購買を代行する「エージェンティックコマース(Agentic Commerce)」の普及を見据えた統合ソリューション「Agentic Commerce ONE」を始動しました。
Agentic Commerce ONE始動の背景:エージェンティックコマース時代を見据えた統合支援
生成AIの急速な普及により、生活者の検索・購買行動は変革しつつあります。「自ら検索しサイトを巡回するスタイル」から、「AIエージェントに要望を伝え最適な提案・決済を代行してもらうスタイル」への移行が進んでいました。
2026年1月に米国ニューヨークで開催された「NRF'26 Retail's Big Show」においても、エージェンティックコマースが大きく取り上げられました。
この環境下では、企業は「生活者に選ばれる」だけではなく、「AIに正しく理解され、選ばれる」ためのデータ設計やブランド体験の再構築が不可欠です。AIエージェントが自律的に購買判断をおこなうためには、エージェントと各種ECプラットフォームや決済システムを接続する標準プロトコルへの対応が求められます。
具体的には、AIエージェントと外部データソースをつなぐ「MCP(Model Context Protocol)」やEC・決済連携を担う「UCP(Universal Commerce Protocol)」「ACP(Agentic Commerce Protocol)」「AP2(Agent Payments Protocol)」などが、今後の市場競争優位性を決定づける重要な要素となっています。
株式会社Hakuhodo DY ONEは、2025年3月にAIO(AI最適化)診断/コンサルティングサービスの提供を開始して以来、生成AI・AIサーチの普及にともなう生活者の購買行動の変化を継続的に調査・分析し、AIO実装支援の知見を積み重ねてきました。こうした取り組みをふまえ、博報堂DYグループが一体となったエンドツーエンドの体制として「Agentic Commerce ONE」を始動します。
「Agentic Commerce ONE」と第一弾ソリューションの詳細
「Agentic Commerce ONE」は、株式会社Hakuhodo DY ONEや株式会社博報堂をはじめとする博報堂DYグループが持つ「生活者発想」の構想力と、高度なAI実装力、マーケティング運用力を結集した統合ソリューション群の総称です。
エージェンティックコマースで変わる買物の未来を見据えた戦略策定とブランド体験設計から、企業のバリューチェーン全体の変革およびAI対応型のオペレーティングモデル設計まで、エンドツーエンドでワンストップチームを組成して支援します。
第一弾ソリューションとして、「エージェンティックコマース診断」の提供が開始されました。企業の現状を「ビジネス視点(戦略や組織、プロセス)」と「テクノロジー視点(データ基盤・AI連携・AI Optimization〔AIO〕)」の2軸でレベル診断し、AI時代に勝ち抜くためのロードマップと具体的な改善アクションを明確化するサービスです。
博報堂DYグループおよび業務提携企業では、エージェンティックコマースに対応する以下のソリューションを現在提供しています。
- AIO(AI最適化)診断/コンサルティングサービス(株式会社Hakuhodo DY ONE)
- ONE-AIO Lab「Apps in ChatGPT」実装(株式会社Hakuhodo DY ONE)
- AIフレンドリーなオウンドメディア構築ソリューション(株式会社博報堂アイ・スタジオ)
- 「Branded AI Agent」(株式会社博報堂)
- ブランデッドな顧客体験を実装する「NEW CX READY」(株式会社博報堂)
- Data Enrichment for 生活者インサイト(株式会社博報堂)
- AIリスク評価ツール「AI Risk Checker」(Priv Tech株式会社)
エージェンティックコマースは、米国でも実装がはじまったばかりで、今後どういった方式が浸透・定着するかは不透明な部分も多い状況です。企業にとって重要なのは、どの実装パターン・シナリオに移行しても無駄にならない共通項、すなわちデータ整備・AIO(AI最適化)・コンテンツ構造化などから着手を進めることだとされています。また、グループ全体のコマース領域のリソースを100%活用できる体制構築が、エンドツーエンド支援の根幹です。
「Agentic Commerce ONE」の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社Hakuhodo DY ONE(株式会社博報堂と共同) |
| ソリューション名 | Agentic Commerce ONE(エージェンティック・コマース・ワン) |
| カテゴリ | 統合ソリューション |
| 第一弾サービス | エージェンティックコマース診断 |
| 支援範囲 | 戦略策定・ブランド体験設計・バリューチェーン変革・AI対応型オペレーティングモデル設計・広告運用・サイト実装 |
| グループ参画企業 | 株式会社博報堂テクノロジーズ、株式会社HAKUHODO ITTENI、株式会社HAKUHODO BRIDGE、株式会社博報堂マーケティングシステムズ、株式会社博報堂アイ・スタジオ、株式会社博報堂プロダクツ、ソウルドアウト株式会社、株式会社オプト |
| 業務提携企業 | 株式会社AI Hack、Priv Tech株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| Hakuhodo DY ONE代表取締役社長 | 北爪宏彰氏 |
| 社員数 | 3,290名(2026年4月1日時点) |
| 創立 | 2024年4月1日 |
trends編集部の一言
博報堂DYグループがエージェンティックコマース領域に本格参入したという事実は、業界として相当な本気度を感じさせます。マーケティングの現場でも、AIが広告の入札から配信最適化まで自律的に動く場面は増えており、「人が意思決定する」フローが根本から変わりつつあることは、業界全体で共通して認識されつつある変化です。
「AIに選ばれる」という概念は、マーケティング業界の文脈に置き換えると非常に示唆的です。これまでのSEO対策が「検索エンジンに評価されるコンテンツ設計」だったとすれば、AIO(AI最適化)は「AIエージェントに正しく理解・推薦されるためのデータ設計」と捉えられます。
どの実装パターンに移行しても無駄にならない共通項から着手するという考え方は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、変化の速い環境下で優先順位の判断に迷いやすい局面への処方箋として業界全体の動向としても注目される考え方です。
「エージェンティックコマース診断」として、企業の現状を2軸でレベル診断し、ロードマップを明確化するアプローチは、「何から始めればいいかわからない」という企業の入り口としても機能する設計です。HCAI Professionalsを中心としたグループ横断の専門家集団がソリューションを順次拡充していく点にも、今後注目していく価値があるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「Hakuhodo DY ONE、博報堂と共同でAIエージェントが購買を代行する時代を見据えたエージェンティックコマース領域の統合ソリューション「Agentic Commerce ONE™」を始動 | 株式会社Hakuhodo DY ONEのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000140732.html, (参照 26-07-09).
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